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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

「重大事故の主要な共通要因」

2021年07月31日 18時09分09秒 | 気になるニュースあれこれ
 2011年秋、東日本大震災の原発事故をうけて、当時住んでいた近隣の私立大学で聴講した、組織が引き起こす重大事故の主要な共通要因。当日配布された資料より。

「・スケジュール(工程)優先

 ・会社に損害を与えたくないという使命感

 ・疑問を感じつつも(楽観し)、確認・再考しない

 ・手順・標準どおりしないことが日常的になっている。

 ・最大の潜在リスクに対する意識低下

 ・個人・階層間・組織間のコミュニケーションが疎

 ・チェックする立場の管理者の独断・多忙

 ・安全バリアの緩慢な後退・無力化

 ・通常とは違う状況(切迫感を与える状況)

 ・過去のニアミスの教訓を学んでいない(間違った成功体験)」

 三菱自工リコール隠し(製造)、雪印毒素混入汚染事故(製造)、JOC臨界事故・データ捏造(原子力)、
相次ぐ医療事故(医療)、不良債権問題(金融)、県警不祥事(行政)、JR西日本尼崎事故・信楽高原鉄道衝突事故(鉄道)・・・、総合病院で手術する患者を取り違えた医療事故は、おやっと気づいた看護師がいた、看護師同士が声をかけあい確認しあっていれば起こらなかった、組織が引き起こす事故はすべて、技術(ハード)の問題ではなく、人(ソフト)の問題、組織の問題というお話でした。


5歳児死亡…担任が出欠確認せず 保育園の送迎バスに置き去り
https://news.yahoo.co.jp/articles/67471615be27ab05d72af7048b493e9bad35ca18

「運転していた園長の女性は、園児が降りたかどうかの確認をしていませんでしたが、当日、担任の職員が園児の出欠確認をしていなかったことも新たに分かりました。」

 日頃から確認しあう風土がないであろう組織により引き起こされた事故、痛ましい限りです。5歳の命をお母さんに返してあげてほしいです。つらいニュース、涙がとまりません。



夏色の空に祈る

2021年07月31日 01時28分18秒 | 日記
 ようやくまた久しぶりに紅ゆずるさんが退団記念の写真集を撮影したあたりに行ってみました。台風によるゲリラ豪雨が心配された日、夕暮れになると晴れて青空が広がり、海はおだやかな表情をみせていました。久しぶりにケーキセットをいただいたと散歩すると、夏休みの子どもたちが芝居の上でシャボン玉を楽しんでいました。毎日のニュースがまるでうそのように、海辺にはゆったりとした時間が流れていました。












































わたしたちにおだやかな日常生活が戻ってきますように・・・

これ以上子どもたちが社会の犠牲になることがありませんように・・・

世界中の子どもたちが平和でありますように、いわさきちひろさんの願いが世界中に届きますように・・・

自分、毎日明るくなる前に眠れますように・・・、今夜は眠れますように・・・、

普通の生活ができますように・・・、普通の生活をできるだけ長く送っていくことができますように・・・



夏真っ盛りの7月の終わり、明日もまた空は夏色。





1995年ミュージカル『回転木馬』-ニューイングランドー「希望の地」

2021年07月30日 14時34分01秒 | ミュージカル・舞台・映画
1995年ミュージカル『回転木馬』-ミュージカル・ナンバー
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/5bfea2986a470c9d72178b509e282324

(1995年帝国劇場公演プログラムより)

「写真と文;マシュウ・ホワイト(演出補)

 1620年9月、敬虔なキリスト教徒の男女からなる一団が「メイ・フラワー」号という船に乗り込み、危険渦巻く大西洋を横断する旅に出た。最終目的地はアメリカ。祖国で苦渋をなめてきたこられピルグリム・ファーザーたちが、ようやく宗教的不寛容から解放されると胸躍らせた「勇猛果敢な、新世界」であった。

「回転木馬」はいろいろな意味で、原作であるハンガリーの戯曲「リリオム」に驚くほど忠実に作られている。ただし、物語の舞台となる土地はそれぞれの特徴を物語るように異なっている。「リリオム」はブタペストのうらぶれた郊外が舞台だが、「回転木馬」はニューイングランドの美しい海岸地帯が舞台となっている。「回転木馬」の公演に1年余り従事して、私はようやく、アメリカ北部のこれらの州が、なぜこれほどユニークなのか、その秘密を自分の目で探ってみようと腰を上げたのだ。

 私がメイン州に到着したのは10月で、1年のうちでもとりわけ、目の覚めるほどに美しい季節dった。海と空の青をバックに燃えるような赤や黄金色の紅葉が鮮やかに映えていた。海岸線はでこぼこの小さな島々が点在していた。どの町や村でも教会や礼拝堂があり、その特徴的な白い尖塔が簡素な美しさと気品を湛えて空に向かって延びている。ロジャーズとハマースタインがまれに見るような、このメイン州の海岸地域を「回転木馬」の舞台と定めたのも、またこの土地にインスピレーションを受けたのもうなづける。

 この百年間にメイン州が大きく変化したことは明らかだ。(回転木馬は19世紀末に時代設定されている)。19世紀の綿工場や織物工場ん」はとうの昔に上流指向のレストランや土産物店、ホテルなどにとって代わられた。しかし一つだけ常に代わらぬものがある。それは海が与える影響である。港は今も、形や大きさも様々の多数の船で賑わい、ロブスター漁の漁師たちは昔ながらに、早朝わなを仕掛けて色鮮やかなブイを目印に置いておき、わないっぱいにロブスターがかかったころ戻って来る。世界中からシーフードに目のない人々がこの海岸を訪れ、よりどりみどりの海の幸に舌鼓を打っている。一方、ありがたいことに捕鯨業は打ち切られたが、この巨大な海の生き物は今も住民たちの収入源となっている。メイン州沖合での鯨ウォッチングが今では観光客に人気の目玉商品となっているのだ。
 
リチャード・ロジャーズは彼の自伝の中で、フェレンツ・モルナール作の「リリオム」に最初に出会ったときの印象を次のように語っている。「リリオムのミュージカル化はまったくの無理難題と思われた。物語の舞台はブタペストであり、オスカーも私もまったくその土地に感じるものがなかった。」幸い、この二人の感受性がメイン州の風景とそこに住む人々に対して働いた結果、この波乱に富むハンガリーの物語にはあたらしい、そしてより楽観的な背景が与えられることとなった。物語をニューイングランドの漁村という共同体の心臓部に据えかえたことにより、ロジャーズとハマースタインはどちらかというと悲観的な「リリオム」という原作には大きくかけていた温もりと活気を加えたのだ。「回転木馬」は希望の祝歌によって幕を閉じる。そして未来に向けての熱烈な参加を唱和するとき、コミュニティは一つになるのである。この楽天観が存在するのにこれほど無理のない自然なセッティングが他にあろうか。1620年にピルグリム・ファーザーたちは希望を胸に大西洋を渡る旅に出た。「回転木馬」で私たちは、この「希望」が国民的遺産となったことを感じるのである。」

宙組『夢千鳥』-ディレイ配信(2)

2021年07月30日 00時51分59秒 | 宝塚
宙組『夢千鳥』-ディレイ配信
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/cee75785ccc111d0fb92eeef1c5d0d51

 和希そらくん、12月10日付で雪組へ組替え。真風さん主演の全国ツアー組か、キキちゃん主演の外箱か、まだ振り分け発表されていませんが全国ツアー最終日の翌日だから、全国ツアー組かな。どちらであるにせよ、『夢千鳥』が宙組の和希そらくん主演でよかったなあと思います。身体能力の高さに裏打ちされたダンスを封印して芝居力で魅せました。芝居も歌もダンスも、なんでもできるそらくん、芝居の雪組、日本物の雪組に異動してさらなる活躍をみせてくれると期待しています。宝塚の組替えって不思議、お知らせがあるときは衝撃を受けますが、思わぬ化学反応が起きてさらなる魅力がひきだされます。組替えの大先輩、キキちゃん(芹香斗亜さんが)がそうですよね、そらくんなら大丈夫!

大正浪漫抒情劇『夢千鳥』
 
「映画監督の白澤優二郎は、女優の赤羽礼奈と事実上の婚姻関係にありながらも、新作を撮る度に主演女優と浮名を流し世間を騒がせていた。
そんな白澤が挑む次回作は、大正浪漫を代表する画家・竹久夢二の人生を描いた物語。
幼い頃から運命の女を探し続けた夢二もまた、艶聞の絶えない男であった。勝ち気な美貌の年上妻・他万喜と縁を切れないまま、純真な女学生・彦乃への想いを募らせ──
撮影が進むにつれ、白澤は自分と夢二の境界が曖昧になるほどに彼の人生に飲み込まれていく。
夢二の人生を描いた先に、白澤が見つけた愛とは…?
甘く儚い抒情画の世界観に骨太な愛憎劇を織り交ぜ、詩情豊かな舞台をお届け致します。この作品は、演出家・栗田優香の宝塚バウホールデビュー作となります。」(劇団HPより)

 知っているようで知らなかった竹久夢二、ウィキペディアで読むと、三人の女性との関係性、ほぼ史実どおりに描かれたようです。絵を残していなかったら、どうしようもないといえばどうしようもないにしか思えません。クズといえばクズなところを、鳥をモチーフに、映画を撮っている昭和の現実と夢二が生きた大正とを交錯させて、大正を美しく昇華させたところが宝塚だから許される幻想的な世界観。

 4日間で中止となったあと、無観客でライブ配信のために収録された舞台。観客の拍手がないのはつらかったですが、出演者全員の、画面の向こうに届けようという熱量がよりいっそう凄まじいと感じました。不思議ですね、なにかそういうほとばしる息使いのようなものがちゃんと伝わってきました。配信映像だから、白澤と夢二を演じるそらくんが涙を浮かべているのがはっきりとわかりました。少年っぽやくが続いたり、アナスタシアでは女役だったそらくんが、いつの間にかこんなに色っぽい男役に成長していました。昭和で俳優の西条湊をちといやらしく、大正の夢二の世界では他万喜に思いを寄せる書生の東郷青児を瑞々しく演じ分けた亜音有星くんの成長ぶりも驚きでした。

 8月2日の『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』宝塚大劇場千穐楽、もう写真をいっぱいみてしまっているしネタバレもしまくりですがそれでも楽しみです。キキトワネットさまからどんなアドリブが飛び出すのか、そらクレープ伯爵はアドリブにこたえられるのか、真風さんホームズはずんちゃんのアドリブ力をきたえているみたいだし、芝居、ショー共に楽しみてんこ盛りみたいなのでライブ配信で見届けたい。無事に幕があきますように・・・。


 

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』season2

2021年07月29日 15時39分58秒 | ミュージカル・舞台・映画
https://spice.eplus.jp/articles/256067より

「本作はアジア初の没入型エンターテインメント施設・IHI ステージアラウンド東京で2019年11月から2020年5月まで7ヶ月にわたるロングラン公演を3シーズンに分け、異なる日本キャストで上演。さらにメインキャラクターであるトニー、マリア、アニータ、リフ、ベルナルドは各シーズンそれぞれダブルキャストで行われる。」

こちらも昨年中止を余儀なくされた公演。season2は公演中の2月28日から3月10日の千穐楽まで、season3は4月1日から5月31日までの全公演が中止となりました。キャストは東宝、梅田芸術劇場、ホリプロなどが主催する公演で活躍されている方ばかり。この後出演予定の舞台が何本も中止になってしまったキャストもわたしが認識できる範囲でも何人もいらっしゃいます。心血を注いで準備してきた公演を中止せざるを得ないのはいかばかりか。無事に幕があいて元気にお会いできることがどれほどかけがえのないことか、この一年余りで教えられました。残念ながらお財布と時間にかぎりがありますが、チケットを入手したら今まで以上に一生懸命観劇します。

IHIステージアラウンド東京、2021.07.01 紫外線殺菌装置導入のお知らせ
http://www.tbs.co.jp/stagearound/













1995年ミュージカル『回転木馬』-ミュージカル・ナンバー

2021年07月29日 09時25分13秒 | ミュージカル・舞台・映画
1995年ミュージカル『回転木馬』-STORY(第二幕)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/9f8068e8370ad72b6300b7dc2609d119

(1995年帝国劇場公演プログラムより)

「ACTⅠ

1.PROLOGUE カルーセル・ワルツ/THE CAROUSEL WALTZ

2.ミスター・スノウ/MISTER SNOW

3.もしも あなたを愛したら/IF I LOVED YOU

4. 六月みんな弾ける/JUNE IS BUSTIN, OUT ALL OVER

4.A ."JUNE"ダンス/JUNE DANCE アンコール/ENCORE

5.ミスター・スノウ リプライズ/MISTER SNOW(reprise)

6.子供たちが眠ったら/WHEN THE CHILDREN ARE ASLEEP

7.風よ吹け/BLOW HIGH BLOW LOW

8. ひとり言/SOLILOQUY

9.第一幕フィナーレ/FINALE ACT1

ACTⅡ
 
10.第二幕オープニング/OPENING ACTⅡ

11.素敵なピクニック/A REAL NICE CLAMBAKE

12.窓辺のゼラニウム/GERANIUMS IS THE WINDOW
  (石屋は石を切る)(stonecutters cut it on stone)

12A.考えてもはじまらない/WHAT,S THE USE OF WOND,RIN,

13A.天国の友の登場/INCIDENTAL

14.バレエ/BALLET

15.ポーチ・シーン/PORCH SCENE

16.卒業式/GRADUATION SCENE(Finale Ultimo)」



「リチャード・ロジャーズ&オスカー・ハマースタイン二世

 それぞれ別の人たちとコンビを組んで、すでに長い間にわたって、輝かしいキャリアを築いていた、リチャード・ロジャーズ(作曲家、1902~1979)とオスカー・ハマースタイン二世(台本作家/作詞家、1895~1960)は、1948年にコンビを組み、アメリカミュージカル演劇史上、もっとも実り多く、成功しづづけたパートナーシップを生み出す事となった。「オクラホマ!」は、最初のロジャーズ&オスカーハマースタインのミュージカルだが、ミュージカル演劇の新しいジャンルの第1作でもあった。ミュージカル・コメディにおけるロジャーズの洗練されたスタイル(それは作詞家、ローレンツ・ハートとの25年間のパートナーシップによって、完成の域にまで高められていた)と、ハマースタインのオペレッタの分野での革新(それは、ジグムンド・ロムバーグ、ヴィンセント・ユーマンズ、ルドルフ・フリムル、ジェローム・カーンのような作曲家との共同作業の中で生まれた)との融合がなされたのである。「オクラホマ!」に続いて、「回転木馬」(1945)、「アレグロ」(1947)、「南太平洋」(1949)、「王様と私」(1951)、「私とジュリエット」(1953)、「バイブ・ドリーム」(1955)、「フラワー・ドラム・ソング」(1958)、「サウンド・オブ・ミュージック」(1959)が生み出された。ロジャーズ&ハマースタインは、例外的に、大スクリーンとテレビのために、それぞれは1本のミュージカルを書いている。前者は「ステート・フェア」(1945)、後者は「シンデレラ」(1957)である。

 ロジャーズ&ハマースタインのミュージカルは、全部で、20個のトニー賞、14個のアカデミー賞、2個のピューリッツアー賞、2個のグラミー賞を獲得している。」






『文学探訪石川啄木記念館』より-啄木小伝-故郷渋民の視点から(4)

2021年07月28日 13時22分56秒 | 本あれこれ
『文学探訪石川啄木記念館』より-啄木小伝-故郷渋民の視点から(3)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/ab282b13b310179f3a9dcb6975d31644

「啄木小伝-故郷渋民の視点から-遊座昭吾(啄木研究家)

-望郷と終焉-

 5月4日、渋民を離れた啄木は、その翌日北海道函館に着く。以来、わずか一年足らずの時を北海道で過ごすのである。函館から札幌、そして小樽、釧路へと、果たしてなく流浪、漂白の旅が続いた。ほとんど新聞記者としての職に徹し、その力は十分人々に評価されるものであった。だが、北海道は啄木を長くとどめる場所ではなかった。彼は最後の文学的運命を試そうと、状況を決意するのである。

 明治41年4月に上京した啄木は、小説執筆に明け暮れるが、文壇からはよい評価を得られず、わずかに「鳥影」を東京毎日新聞に連載しただけに過ぎなかった。

 幸徳秋水らが天皇暗殺を計画したとして一斉に検挙された、いわゆる大逆事件が新聞に奉ぜられたのは43年6月初頭の事である。啄木はこの事件に大きなショックを受け、その分析に没頭、社会構造に秀徹した目を向け、時代を切開する思想家としての才をも開花させていった。

 こうして生活や思想と格闘する中で、啄木は歌集『一握の砂』を刊行する。

 その歌集には、渋民を歌う54首思郷歌が、重みをもって配置されている。「ふるさとの訛(なまり)なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく」「田も畑も売りて酒のみ/ほろびゆくふるさと人に/心寄せする日」-啄木の目には、驚くほど鮮明に正確に、ふるさと人の生活が、ドラマが映ってきた。それは代用教員時代に、同じ街道でじかに見聞した、ふるさと人の生活そのものであった。

 生活、思想、文学が、ともすれば崩れかかろうとするこの時代の啄木の心に、暖かい勇気を与えたのは、このふるさとを切なく思う情緒であった。「やはらかに柳あをめる/北上の岸辺目に見ゆ/泣けとごとくに」「ふるさとの山に向かひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな」-啄木の目が、北上川から山に移り、やがて岩手山に視点がとまった時、彼は誰にはばかることなく「ふるさとの山はありがたきかな」と詠み切ったのである。そして、「かくかくに渋民村は恋しかり/おもひでの山/おもひでの川」と歌い上げた時、渋民は啄木の心の中に永遠のふるさととして深く刻みこまれた。

********

 明治45年4月13日午前9時半、啄木は故郷からはるかに離れた東京の一隅で、その凝縮した人生に終止符を打った。法名「啄木居士」。詩人の死を看取ったのは父一禎、妻節子、娘京子そして友人若山牧水である。貧しさと病いに削りとられた啄木の身体は枯木のようであった、と啄木は証言している。」

カナダにつながっている空と海

2021年07月28日 00時42分09秒 | 日記
 一週間前の夕暮れの風景、カナダにいるような感覚になります。空と海に優しく抱かれているような心持ち。春のプリンス・エドワードのオーウェル・コーナー歴史村で草に寝転んで高い高い空を見上げたひとときを思い出します。この空と海は、この世にいる間もう訪れることはできないであろうカナダにつながっているのだと思うと、元気になることができます。生まれ育った近郊ではお目にかかることができない風景。































 今日また書類を郵便局から発送。出したら忘れたいので履歴を追うことはしません。勤務希望日数、週4日、週5日、週4日と週5日のどちらでも可の三択から、迷った末、どちらでも可につけていた〇を消して週5日のところに〇しました。一週間前相談員さんに体のことを考えたら週4日でしょ、どちらでも可に〇しておいて面接に呼ばれたらまた相談させてくださいとすればいい、週4日でも収入がないよりはましでしょと言われてしまったのがずっとひっかかっていました。週に21時間以上稼働すれば有無をいわさず社保天引き、涙も出ないほど手取りがなくなってしまいます。どう考えても少なすぎます。だったら21時間未満で稼働して天引きされないようにした方がいいってなります。天引きがあるうちは倒れようとも週5日フル稼働、やれるところまでやると考えるしかありません。一週間か二週間のリハビリに通い続けられのか、土曜日のお昼に行くのは体動かなくなるし、リハビリのあと足腰がすごく疲れるので金曜日の夕方に行きたい、そうすると30分早引きが必要になる、どうすればいいのかわかりませんが自分を食わせていくためには週5日働かねばなりません。

 気がつけば母がこの世を旅立った年まであと20年、自分がそこまで生き長らえたら、おとぎの国からごはん食べさせてくれる王子さまがやってきてくれない限り食べていくことができないのは明白、手術してまで生き長らえたいのかわからないなれど、観劇するためには食えなくなる時を先延ばしにしなければなりません。同世代の訃報をきくとまだ早いって思いますもんね。今思えば大会社の13年間、苦しくて苦しくて仕方ありませんでしたが、結果はつらかったですが、まだ体力もあり無理がきき、右足が少しずつ短くなっているって自覚しないでいられたし、地球に裏側へなんどか旅することができたのは、このつたない人生の華の時期だったのかもしれません。

 明日のことは誰にもわからない。自分が自分でいられる間に、少しずつ荷物を減らしながら許される範囲で日比谷に行きたい。ささやかな望みです。明日は一週間ぶりのリハビリ、開始から一か月、今後の見通しにはまだ早いのか、ペース落としたらどうなるのか見立てられるまでにはまだ早いのか・・・。

『文学探訪石川啄木記念館』より-啄木小伝-故郷渋民の視点から(3)

2021年07月27日 13時12分28秒 | 本あれこれ
『文学探訪石川啄木記念館』より-啄木小伝-故郷渋民の視点から(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b1be9dbaea66e34aa3a7ee55c43ba1fd

「啄木小伝-故郷渋民の視点から-遊座昭吾(啄木研究家)

-再び渋民へ-

 啄木が「渋民尋常高等小学校尋常科代用教員を命ず、但し月給八万円支給」という辞令を受けたのは、盛岡での生活が破綻し、どうしようもなくなって故郷渋民に戻った一か月後、明治39年4月のことであった。街道筋の一農家の母家を借り、そこからすぐ近くの小学校へと通った。

 かつて街道から離れた宝徳寺に身を置いて眺めたと、今こうして通りに住んでじかに接するとは、まったく違ったものに見えた。そこには暗くしめっぽい土のにおいがあり、知識から見放された子どもたちの澱んだ目があった。啄木はその子どもたちに、与えられた本務以外の英語の課外授業、作文指導、朝読み学習をなし、また自治精神の涵養(かんよう)や、性の悪風潮の一掃に努力し、子どもたちの目の変化を追ったのである。

  初めて英語を耳にする時、あるいは自ら異国後を発音する時、子どもたちは大きな未知の世界をのそくかのように目を輝かせた。代用教員石川啄木を、彼らはひと時も離さず、いろいろの話を求めた。啄木が教育の意義を知り、その改革の必要を決意したのは、まさにこの時であった。

 時は日露大戦に勝利した戦後であった。啄木は自分の故郷の後輩に、単に知識を伝授するだけではなく、後輩が新時代に生きる、呼吸できる人間になることを願って、ありったけの時間と努力をついやした。そして、教育改革なるものを、大胆に村当局に提出し、その審議と改革を望んだのである。

 だが、その教育改革案に対する村の回答は、完全な無視と沈黙であった。また、そのことに不満を持ち、高等科の生徒を従えて実施したストライキに対しては、免職という回答が返ってきた。生活安定のための悲願であった宝徳寺への再住も、啄木の奔走村しくすでに絶望的な状況となっている。自分と故郷渋民を結びつけるすべての絆は、ここについに切れてしまった。啄木は、やむなく、北海道に新天地を求めねばならなくなった。明治40年5月のことである。」

宝塚歌劇公演チラシ&舞台写真コレクション -2009年~2011年作品

2021年07月27日 00時35分04秒 | 宝塚
宝塚歌劇公演チラシ&舞台写真コレクション -2005年~2008年作品(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/d990e588505a79cfa0509bd89a34fb98

日比谷シャンテで開催中の東京宝塚劇場リニューアル20周年を記念した公演チラシ&舞台コレクションの3期、2009年〜2011年上演の30作品。ブレブレなので雰囲気だけ。

























蘭乃はなちゃん、可愛いのでアップ。真飛聖さんとのツーショットも素敵です。



2021年星組『ロミオとジュリエット』の舞台写真も。



フィナーレのシャンシャンは、『愛と青春の旅立ち』『虞美人』より。
毎公演小道具も細やかに美しく作られていて、こんな世界は他にないなあと気持ちが高鳴ります。





海外ミュージカル、日本物、映画・韓国ドラマを原作としたオリジナル、幅広い作品を上演していることにもあらためて気づきます。わたしがまだ戻って来る前の作品たち。オンデマンド配信で出会っていけたらと思います。