行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ルクセンブルク、世界一の豊かな国?

2014-04-24 06:47:35 | Weblog
ルクセンブルクは小国ながら21世紀以降、一人当たりのGDPにおいて世界首位の座を維持し続けている不思議な国だ。 ルクセンブルクはベルギー、オランダと 国民所得がトップ水準のベネルックス3国と呼ばれているが、規制の緩さで経済を活性化し、世界最高水準の富んだ国となった。
その秘密を探って見た。首都は大渓谷をまたいで緑の中の美しいリゾート地のようだが、断崖の上に巨大なガラスのビルが目にはいる。ミッタルに買収された世界一の鉄鋼会社アルセロールの本社で、製造業の牙城が先ずは豊かさの証明だと言ってるようだ。しかし、リーマンショックで世界的に鉄鋼業はさえなく脇役にならざるを得ない。

現在では銀行業や金融サービスを中心とした金融大国でスイスに匹敵する。金融関連機関が集中しており、ユーロ圏における金融センターとしての地位を不動のものとしている。金融セクターへの外国の投資が盛んなのは法人税がEUのなかでも最も安く、タックスヘブンと非難されてるくらいだ。 スカイプ社、Apple社など多くのインターネット関連企業もヨーロッパ本社機能を移転して副次的に情報通信産業の競争力がトップ水準となった。日本企業も帝人、ファナック、楽天などが欧州本社を置いている。

人口の少ない国でなぜうまく産業構造の転換が可能なのか?その回答は移民やコミューター通勤労働者の利用にありそうだ。労働者の6割が外国人と言われてるが、多くはベルギー、オランダからの通勤者や移住者だが正確な統計はない。また現地では、アフリカ系労働者が多く見られ、ほとんどは不法労働者だが取り締まることはしないようだ。

統計上は分母の国民数が小さいので一人当たりのGDPは大きくなる。世界一の豊かな国というのも住んでみないと判らないというのが結論だ。
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