11月に入って、コロナ感染が急減した。東京でさえ、毎日20人前後、昭島周辺市町村では殆どゼロ感染が続き、全国的にも(7日)東北は秋田1人以外はゼロ、九州も福岡2人以外はゼロと安心感が漂うが半信半疑だ。
基本的な感染対策としてマスクを着用し、密集を避け、十分換気することが定着しつつあること、緊急事態宣言解除後も会食を控えるなど対策をしっかりと協力していることが背景にあることは皆さん認めているがそれ以外の急減の原因これだというのは未だ判らない。
本日の日経に専門家の見解が以下のように掲載されていたので概略を紹介する。
テレビに良く登場する東邦大教授 舘田一博氏
「第5波」の感染者急減は一つの要因で説明できないような現象が起きた。いろいろ要因があるが、私はワクチンの効果と基本的な感染対策の徹底が非常に強く出たためと考えている。
ワクチンの効果が最も強い状態の数千万人の集団ができ、ちょうどデルタ型で感染が拡大した時期と重なった。多くの若い人が感染したが、無症状かほとんど症状のない「不顕性感染」が多く、実際には検査で感染が確認された人の3~4倍は感染者がいただろう。ワクチン接種が急速に進み、同時にタイミングよく不顕性感染を含めて免疫を持つ人が急増したことで国内で一時的な集団免疫効果が強く表れ、8月半ば以降に感染者が急減した可能性があるのではないか
新型コロナの独自分析をネットなどで発信してる 東大名誉教授 黒木登志夫氏は日本独自の型で変異かと推測
デルタ型ウイルスは新規感染者数の増え方も減り方も指数関数的だ。公表データから夏の「第5波」について計算すると、東京では8月下旬~11月1日にかけての下降期に新規感染者数が8.6日で半減のペースで急降下した。減少率は99.9%と、あり得ないような数字だ。このまま行けば12月上旬には1人になる。デルタ型は変異を繰り返し、より感染力が強いものに置き換わっていった。特に国内では日本独自のデルタAY・29型が第5波の主流で、これが収束に向かったのではないか。仮説だが、ある遺伝子領域に変異が追加され、感染性が失われるといったことが起きている可能性がある。
今後、新たな感染の波が起きるとしたら、デルタ型とは異なる新しい変異ウイルスが入ってきたときだろう。すぐ検出できるようにPCR検査とゲノム解析を増やすべきだ。ここ1、2カ月が大切だ。
日本ウイルス学会理事長の阪大特任教授 松浦善治氏は黒木説と同様、コロナウィルスが変異重ねた末に自滅もと唱える。
新型コロナウイルス感染症の新規患者数が日本で急減した理由は分からない。患者の急減はウイルス側に理由があるのかもしれない。様々なウイルスのうちで、遺伝情報をRNA(リボ核酸)に載せた「RNAウイルス」は変異を起こしやすい。新型コロナもその一種だ。変異を盛んに起こすことで様々なタイプができ、一部が人間の免疫の仕組みやワクチン、治療薬の攻撃をすり抜けて増える。強い感染力を持つ新型コロナのデルタ株はあまりに多くの変異を起こしすぎ、人間に感染した時に増えるのに必要な物質を作らせる遺伝情報が壊れるなどして、自滅しつつあるのかもしれない。以前に優勢だった株は、デルタ株の流行に押されて勢力を弱めた。
専門はマクロ経済学。計量モデルに基づくコロナの分析や見通しを定期的に公表する 東大准教授 仲田泰祐氏
8月後半からの感染者減は多くの人の想定を超える速さだった。人流は8月前半と比べて減っておらず、指標によっては増えていた。ワクチン接種の効果は7月から働いており、人流とワクチンだけで8月後半の急減は説明しにくい。
我々は3つの要因を分析した。1つ目はデルタ型の感染力が想定以上に小さかった可能性だ。2つ目は人々のリスク回避傾向だ。報道で医療逼迫を知り、感染しやすい行動を避ける傾向が強まった可能性がある。3つ目は周期性だ。過去の動向は120日周期の波で統計的には説明できる。問題はなぜ周期が生まれたかだ。新しい変異型が生まれることが理由であれば、今後の感染は増えにくいと言える。
以上が各分野の専門家の分析だ。コロナウィルスが暴れすぎて自滅したという下線の部分、まるでSFの世界だ。
120日の周期性が統計的に出てきたという仲田説は私が前回10月22日コロナ検証で分析した4か月周期説を裏付けてくれて我が意を得たり。
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