この1年、「ウェルビーイング」(WELL-BEING)という言葉が目に付くようになった。シンポジウムなどで取り上げているが調べてみると、「心身ともに良好な状態にあることを意味する概念」で「幸福」とも翻訳されるとNETでは紹介されてる。先進的な企業が取り上げているのにはやはり、生産性向上が裏にはあるのではないかと思う。各種調査から、「心身ともに健康である」従業員は、創造的で業務のパフォーマンスが高く、組織に良い影響をもたらすかとのこと。SDGsでは17のゴールと169のターゲットが定められ、この目標の一つには「GOOD HEALTH AND WELL-BEING」がある。
1970年代労働現場ではQWLを追求することが求められた。それはQuality of Working Life(クオリティ・オブ・ワーキングライフ)の略で、「職場における勤労生活の質およびその向上」を意味し、労働の機械化、標準化、画一化で単調労働が増え、ひいては人間性の喪失や健康・精神衛生への悪影響からの改革運動が欧州で起こり、日本に波及した。主に製造現場で仕事のやりがいや働きやすさなどを改善する作業方式、職務分析を行った。嫌忌職場が指摘され、ロボットの導入などで日本の現場は世界に先がけてかなり改善された。
その後、日本経済は第3次化が進み、ソフトウェア産業の勃興、製造業でもソフト化が進み、働く人全体のQWLが求められ、「働き方改革」が合い言葉になり、コロナ時代、ホームワークが日常となり、家庭を含めたWELL-BEINGが注目されて来た。
最近の例では、ヤフーは1月時点で、契約や嘱託を含む全社員8000人のうち約9割が在宅勤務している。社内アンケートで、9割が在宅勤務でも業務への影響が「なかった」「向上した」と回答したという。「通勤時間の削減で、学習など自己研さんの時間が増えた」との声もあり、通勤手段などの条件を変更する方針を決め、全ての社員が全国どこでも自由に居住できる新たな働き方を4月に導入すると発表した。在宅勤務の定着を踏まえて条件を緩和し、航空機での出社も認める。交通費の上限をなくし、月15万円までを支給する。との報道、ハイテク企業のWELL-BEINGの事例だろう。
逆に、WELL-BEINGでない企業には人は来ない時代になったとも言えよう。
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