毎日のように旅行会社から北海道新幹線利用の案内が送られてくる。北海道内はほとんど走らないで青函トンネルを出ただけなのに何故北海道新幹線になるのか?新聞も見出しに「北海道に新しい玄関」などと苦労している。今日きた旅行会社のパンフレットは「北海道新幹線デビュー青函旅情」などと謳い青森と函館を遊覧するコースを考えだした。別に新幹線がトンネルを越えなくても在来線は走っていたわけだから、褒められたものではない。
最大の受益者は当面函館であり、函館観光に焦点があたってしかるべきなのだが、従来からの観光資源では不足と言うことなのだろうか?駒ヶ岳を望む大沼国定公園や湯の川温泉に海の幸、山の幸が豊富だし、気候は北海道の中では温暖で地元の努力次第では第一級の観光地に化けると思うのだが、
かつて、函館と言うより湯の川温泉で苦い経験をした。電機産業を束ねる電機労連時代、4年に1回だったか函館で大会を開催するのが習わしだった。宿泊は湯の川温泉で、1988年、青函トンネルが開通して最初の大会の設営責任者となり、温泉組合と折衝をした。電機労連はどこの温泉でも同じ条件で宿泊賃を決めていた。3泊と食事代昼の弁当代を含めて1泊につき12500円だったか、ところがトンネル開通でお客が急増し、あるホテルからそんな安い料金で泊まるなら、風呂は修学旅行生が入ってからにしてくれとクレームがつき、泊めたくないという態度だった。大会には代議員、傍聴者で1500人以上も来るのでどこの温泉地でも歓迎されているし、永年ここを利用してきたとか、こちらは酒を飲むので学生より金を落とすとか何とか言って収めたが、おもてなしどころではなかった。
その後は当然大会の函館開催は取りやめ、洞爺湖温泉そして札幌市内へと大会会場は移って、1億近くの経済効果を失う結果となった。函館は通過駅だという運命にあり、青函トンネルができても、東京からの寝台特急は札幌へ向かった。今回も一時的には新幹線の終着駅となるが、やがて札幌まで開通する。その間、通過駅にさせない努力が必要で、地元の創意と工夫が期待される。かつて広島は新幹線の終着駅で、博多まで延伸することによって通過駅となった。広島では何とかしないとと言う熱意で原爆資料館の改築、山陰への高速道路開通、空港の移転を進めるとともに安芸の宮島の世界遺産化を実現した。宮島は今や「外国人に人気の日本の観光スポット」トップ20の第1位となっている。私は近くで地熱発電もやっており、大沼公園の方が雄大で素晴らしいと思うのだが
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