昨日、私が相談役を仰せ付かっている国際労働財団の理事会とその後ささやかな懇談会があった。事業の半分を占める途上国労働組合若手リーダーの招聘事業が今回の震災、特に原発事故がかなり影響するのではないかと心配していた。今年度第一回の招聘チームが近隣の中国、韓国が対象であっただけに延期もやむ得ないかなとも思っていた。
当初は来日に躊躇していたが、幸い同財団の説明が功を奏し、今月末に予定通り来日し、約2週間東京、長野で研修を受けてもらうことになった。先方とやりとりする中で予想外の誤解があったようだ。その一つは今回の大震災のネーミングで「東日本大震災」だと東京も含め日本の半分がかなりのダメージを受けたのではないかという単純なものと、東京電力福島第一原発というネーミングだと、事故現場が東京の近くにあると誤解したようだ。確かに東京電力が230kmも離れた東北地方に発電所を持っているとは外国では考えにくい。例えばカナダではトロントの市内近郊に地域電力会社の原発がある。
しかし、懇談会でのドイツ人S博士との会話では、ドイツ人の放射線量に対する恐怖というか過敏性についてが話題になった。25周年を迎えた悪夢のチェルノブイリ事故が大きく影響してることは間違いない。当時は700kmまで放射性微粒子が拡がり、ドイツでは子供に屋内退避をさせたし、遙かスエーデンではトナカイの肉も食べられなくなった。それを考えると今回ドイツ大使館が大阪の領事館に退避したのは自然だと言っていた。
外国人観光客を呼び戻すのには、誤解を粘り強く解くことが先ず重要だが、何よりも福島第一原発から放射性微粒子を出さないように、原子炉建屋をテントで被うような目に見える対策が必要だ。そして主要都市の放射線量の測定結果を毎日報道し、世界の主要都市の自然放射量と比較することだ。
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