行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

福島第一原発事故の中間的総括その2

2011-04-22 00:11:20 | Weblog
同じ東北にある女川原発や茨城県の東海第2原発は3月11日の巨大地震に耐え、津波対策ができていたので巨大津波の影響も大きくなかった。東海原発では二台の冷却ポンプのうち一台が津波をかぶり作動しなかったが制御棒もきちんと入って、冷却機能も保たれた。

東北電力女川原発は巨大津波を想定し、14.8mの高度に建設、津波で被災した住民が避難所として利用したほど安全だった。震源地に近く津波の高さはほぼ14.8m程度だった。
原電東海原発は津波対策として防潮堤の強化、ジーゼル発電機の移設などの対策が幸いした。正確には三台のうち1台は上記冷却ポンプと伴に移せず津波にやられた。

想定外のゆれには福島第一原発も何とか耐えたようだが、津波の想定5.7mをはるかに超えた14mの巨大津波で外部電源が切れた場合の命綱、ジーゼル発電機が全滅、海水冷却ポンプもやられ、1~3号機は炉心溶融という事態になった。

問題は建設した当時の想定で、現在も通用するかということだ。与謝野大臣が「あの時点では最善のものだった」などと言っているが、津波の大きさについてもインドネシアの大津波はテレビでもはっきりと確認できた。その時点で安全第一を考えれば少なくとも、防潮堤の設置やタービン建屋にあるジーゼル発電機の高台への移設だけはできたはずだ。今回の福島第一原発の事故はこれだけでも人災といえる。東京電力だけでなく保安院を含む代々政府の責任は大きい。
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