ヴェトナムの通貨ドンがドルに対して9.3%切り下げた。以前ブログでお得感のあるヴェトナム旅行を勧めたが、リーマンショック以来毎年消費者物価は10%近く上がっているのでお得感も薄れていた。この切り下げは日本人旅行者にとっては幸いかもしれない。しかし、ヴェトナムにとっては輸入価格上昇でインフレを加速させかねないので冒険だ。
ホーチーミンではフランスパンが美味しい。フランス植民地時代からの伝統で朝早くから焼き上げるパンの味は忘れられない。カンボジア国境近く、田舎町で商人宿みたいなところに泊まったが、ここでも朝のフランスパンと目玉焼きは美味しかった。しかし、この国では小麦は輸入品で、日本からも小麦粉を輸入している。ヴェトナム人の主食はもちろん米だが、パンは値段が高くなり庶民の口には入らない時代となるかもしれない。
ヴェトナムの輸出品は世界一の量を誇る養殖エビや豊富な種類の米だが、有望なのは石油や天然ガスで、増産が軌道に乗り、主要な輸出品となれば外貨保有も大きくなり、通貨ドンも安定するだろう。ヴェトナムからフランスパンが消えることのないことを願うのは私だけではない。
ヴェトナムに行って誰もが驚くのが、ドルが現地の通貨ドンより幅を効かせていることだ。戦争で米国を追い出したがドルに支配されているのが実態で、今回の切り下げはドルからの自立を目指したものだろう。ハノイより北の地域は最近では中国の影響が強く、元が通用しているとのこと、ヴェトナムの自立はまだ山あり谷ありだ。
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