夭折の人というと、ナンシー関を思い出す

かがみ♪あきらさん同様、あっという間に世を去った人。

ナンシー関さん。
もう、没後12年だ。

消しゴム版画家にして、コラムニスト。
1962年に青森市の棟方志功記念館そばで生まれる。
「彫る宿命に生まれた（笑）」と自ら言わしめる出身地。

高校卒業後上京、大学在学中に消しゴムでハンコを彫りはじめる。
サブカルブームにも乗って、84年消しゴム版画家としてデビュー。



さらに「ホットドッグ・プレス」読者投稿ページで
コラム『ナンシー関の漢字一發!』を連載。

TV視聴の中であらゆる事を見抜き、執筆面でも恐るべき視点と
才能を発揮。圧倒的な存在感を放った。

彫った消しゴム版画は5,000点強にものぼる。
2002年6月11日深夜、友人と食事後の帰宅途中のタクシーの中で倒れ、
気付いた運転手が病院に運んだが、翌6月12日に虚血性心不全で死去。
享年39歳。

ナンシーさんも大柄な人で、ダイエットにも縁が無かったそうな。
煙草を愛し、医者嫌いな女性だった・・・と。
（普通にしてても心臓への負担が大きかったんだろうな）
結婚とは自ら距離を置き、生涯独身。

シャイな人だったというが、気を許した相手とは深酒を飲み
締めのカラオケで美声を聞かせていたとのこと。

知人である松尾貴史氏が「昭和歌謡から何から、とにかく上手かった」と
書いていた記憶がある。（聞きたかったなぁ・・・）

松尾さん自身、私が好きな文化人（？）なのだが、松尾さん周辺にいた人も
私が大好きだった人が多いのよね・・・。

談志師匠、中島らもさん、ナンシーさん・・・。
ロフトプラスワンの「中島らもメモリアルWEEK報告会」にも松尾さんは
司会として参加されてたが。
会がハケた後は出口近くで物販を紹介しながら、帰る客の見送りして
おいでだった。結構お酒が回った様子で・・・。
（盟友を悼みに来たファンへの感謝もあったんだろうな）



ホント、おもわず「松尾さん、身体を大事にして下さいね」と
声掛けしそうになりましたよ。

談志的視点、らも的視点、ナンシー的視点、そしてキッチュ的な
「朝まで舐めれる」視点・・・。

忘れないでいたいと思います。

『見えるものしか見ない。そして見破る。ましてや彫る』
関直美こと、ナンシー関さん。
いなくなられて12年。ますます、その存在の大きさを感じます。