新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「赤い傘のおとこ」

2017-09-13 18:02:05 | ウオーキング
先だっての上野公園での御朱印拝受の最後に面白いことを経験したのですが、それをお話しすることを忘れていました。題して「赤い傘のおとこ」です。

最後の上野東照宮をお詣りして、上野公園の正面出口と言いますか一番南の交番のある出口の方に歩いてきたと思ってください。あの広いメインの通路です。
公園通路の出口まで歩いてきますと、道の真ん中に男が地面に足を投げ出して座っているではありませんか。うなだれて眠っている様子です。
すぐ近くに赤い傘が広げて置いてあります。どうせ酔っぱらっているのではと思いましたが、見ると手に財布のようなものを持ってます。持っているというか掌に載せているだけのようです。財布なら不用心です。
身なりはまともとは言えませんが、決してみすぼらしいものではありませんでした。
声をかけて怒鳴られても困ります。そのまま上野駅に歩き出しましたが、大勢の人が彼の横を歩いているはずです。放っていいものか気になりました。だってすぐそこに交番があるのですから。交番に行きました。

交番には二人の警察官がいました。
私『すぐ上の通路の真ん中に男の人が寝ていますが。手に財布を持っているようです』
警官『近くに赤い傘がありませんでしたか?』
私『え。ありました。じゃ彼は有名なんですか?』
警官『ええ。通路の端に寄せるようにしているのですが』
かなり有名な酔っぱらいのようです。出口の通路の真ん中に寝込んでしまうので警官が端に寄せているようですが、すぐに真ん中に出て寝てしまうみたいです。

有名な酔っぱらいで警察が把握しているなら、それではと了解しましたと交番を立ち去ったのです。
でも帰り道、地下鉄の中でこんなことを考えました。
あの二人の警官が、今日もあの酔っ払いに引っ掛かったのはこれで5人目かと笑っているか、それとも他人を気にかけて交番に来てくれた3人目の人だと世の中捨てたものではないと思ってくれたか。後者だといいのになとつい思ってしまいました。
コメント
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