偉大なる世界的な作家と彼の創作を支えてきた完璧な妻、
おしどり夫婦に見えた二人の関係が、
ノーベル文学賞を受賞したことをきっかけに
揺らめき、静かに壊れ始めて・・・。
その妻を演じるのが第79回ゴールデン・グローブ賞で
主演女優賞を受賞したグレン・クローズ。
アカデミー賞の主演女優賞にもノミネートされ、
ついにオスカー女優になるのか注目されるところでしたが、
またまた残念ながら逃してしまう結果に。
グレン・クローズの存在感が全てを物語るような映画で、
「耐える妻」を描きながら、その爆発のプロセスを丁寧に描き、
複雑な感情・心の機微を繊細な表情で奥深く魅せてくれています。
グレン・グローズといえば、コワイ女性の役柄の印象が強く、
引き結んだ唇、何気ない立ち振る舞い、
その表情の端々までじっと見入ってしまいます。
サスペンスドラマを見逃さないように。
ノーベル賞の舞台裏を覗くような展開も興味深く、
老練な2大俳優が演じる老夫婦のケンカも流石の演技。
お互い貯まり続けたものが弾けるのです。
レセプションで皇室の方の妻への質問が、
奥様のご職業は?「私はキングメーカーです」
う~ん、凄い!!そう、きますかと感心しました。
ラストは余韻を残して終わりますが、
賢い女性のその後を想像するのも楽しいかも
監督:ビョルン・ルンゲ
出演:グレン・クローズ/ジョナサン・プライス
クリスチャン・スレーター
2017年/スウェーデン・アメリカ・イギリス/101分
YEBISU GARDEN CINEMA
2019.2.12