久しぶりに坂東玉三郎さんの出演する
歌舞伎が観たいと歌舞伎座へ向かいました。
玉三郎さんは、夜の部の三幕に出演されます。
夜の部の開演は、午後4時30分という微妙な時間。
「熊谷陣屋」という重厚な一幕には、
ふと気づけば、周囲は寝息こそ聞こえませんが
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熊谷直実という武将がメジャーではないからか、
寒さの厳しい日でも館内は暖かなので、
気持ち良さそうにしておられるようです。
可憐な美貌と清潔な色気で女方も二枚目も
魅力的に演じる尾上菊之助さんは、源義経役。
女方も良いけれど、凛々しい義経もピッタリです。
30分の休憩後は、晴れやかなる祝儀舞踊の二幕。
三幕目は、「名月八幡祭」
深川芸者の美代吉役で玉三郎さんが登場。
圧倒的な存在感、美しい、美しすぎる
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もう誰も居眠りなどせずに、釘付けになっています。
尾上松緑さん演じる越後の実直な行商人の新助が、
美代吉に惚れ込み、裏切られ、狂乱するさまも迫真の演技。
う~ん、あの声、あの語り、新助の人柄、
惚れ込みようが声だけでも伝わるようです。
ユネスコの無形文化遺産にも登録されている歌舞伎、
現代に生きる伝統芸能の素晴らしさを改めて感じた夜です。
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歌舞伎座
東京都中央区銀座4-12-15
2019.2.5