jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

異様なカヴァだが ・・・・・ SPEAK NO EVIL / WAYNE SHORTER

2024-01-13 | ジャズ・ts

 

偶々、ジャズ・カフェ「青猫」の近くを通ったので、寄ってみた。一番、静かな時間帯(3.30~)なのだろう、リスニング・コーナーの定位置が空いていた。一年ぶり?かな。早いものですね。ピアノ・トリオが掛っていたけれど、誰か分からない、メルドー? でもちょっと甘いかな? 次はK・ホイーラー、K・ジャレットの”GNU HIGH”、好みのアルバムではないけれど、自宅と違ってECMぽい空間で聴くとそうでもない。だけど、ホイーラーの取り澄ましたflhは好きになれないなぁ。ま、反アメリカ・ジャズを標榜するアイヒャーの好みなんでしょう。次もECMか、と思ったらBLUE NOTEだった(笑)。

本作は64年の12月24日に録音されているが、実は前の月の2日、イングルウッドのゲルダーのスタジオには、エルビンではなくビリー・ヒギンスがdsに入った同じメンバーが集まっていた。しかし、ライオンは3曲(本作収録曲)を録音しただけで中止し、その3曲をRejected(廃棄)している。
これは、あくまでも個人的推測だが、ハバード、ショーター、ハンコック、そしてカーターからなるこの強力な布陣を支えるのに、ヒギンスのdsではやや物足りなかったのか、それとも、もっと上を狙ったのではないか? とは言うものの、トニー・ウイリアムスを持ってくるわけにはいかず、そうなればエルビンしかいない。そしてライオンのこの予定変更はものの見事に的中している。

怪しげな写真と意味ありげなタイトルに、この印象的な「キス・マーク」のアルバム・カヴァーだけでもただ物ではない雰囲気が漂っている。全曲、ショーター作ですが、改めて聴き直すとさほどオカルト・ムードを感じない。最良のメンバーに囲まれ、いつになく自然体で吹き鳴らすショーターが居る。

本作は上述の如く、わざわざイブの日に仕切り直ししただけあって、用意周到なソロ構成と30テイク(オルタネイト・テイク、1曲含む)に及ぶ慎重な録音作業から成り立っており、一曲一曲の完成度が高く、隙のない傑出した出来映えとなっている。ショーターの他のリーダー作とは、今ひとつ波長が合わないけれど、発掘盤”ETCETERA”と本作は例外で聴く頻度が高い作品です。

ライオンが“SPEAK NO EVIL”(4194)、“MAIDEN VOYAGE”(4195)、BLUE SPIRITS”(4196)を連番としたのは、 単なる偶然だったのだろうか? いやぁ~、ライオンの性格から推測すると、偶然ではなく、意図的であることに相違ない。  キー・マンは当時、マイルスに続くポジションに躍り出たハバードだろう。

”bluespiritis” 20050330



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