飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

さようなら。ラルフ‥

2013-02-15 21:07:47 | 人生論(life)

昨日、私のところに悲しいメールが入った‥。

ハーネスの金具類を出荷していただいていた、ドイツはミュンヘンのフィンシュテルバルダー社の、国外向け輸出の担当だったラルフが、今月いっぱいで退社するとの連絡が入った。

このブログの中でも、少し前にラルフにはずいぶんとお世話になっていることをご紹介したが、その彼がフィンシュテル社からいなくなる‥。

先々、私自身不安だし、何よりも彼とやり取りできなることがとてもさみしい‥。

私はたまらず、彼に励ましのメールを送った。

以下、彼から入った最後のメールである。

And thanks a lot for your kind words.
I really enjoyed working with you, you've always been very kind and never
impatient.
I wish I've had more friendly and uncomplicated business relationships as with
you in the past.

いつもの流調な英語で返してくれた‥。

2年前、3.11の震災の時、「大丈夫か!フライヤー仲間はどうなった!!」。

そんなメールを真っ先に送ってくれたラルフ‥。

彼とのかかわりがなくなることがとてもさみしい‥。

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ダンケシェーン!ラルフ!!

2012-04-19 19:56:58 | 人生論(life)

久々にハーネスに使う金具類のオーダーをかけました。

ウチで使う金具類は、いつもドイツのフィンシュテルバルダーというメーカーに依頼しています。

このメーカーは知る人ぞ知るメーカーで、ハンググライダーに使う金具類(コーナーブラケットやノーズキャッチャー、バテンの先等数えあげるときりがない)を作っているメーカーで、すべてのハングメーカーは何かしらここの会社の部品を使っています。

もちろんハーネスのバックルやアジャスターも例外ではありません。

このメーカーに注文するとき、いつもきまって対応してくれるのが、ラルフという方。

海外への輸出を担当している方です。

で、この方なんですが、とにかくフレンドリーで親切丁寧。

今回も、私の発注ミスを見つけて「大丈夫か?」と、確認してくれたり、「カラビナの値段が変わったけど、そのまま発送してよいか?」と聞いてくれたり、とどめは「今回の部品は少々重量オーバーで、荷物を2便にしたてないといけない。急いでないのならば、重い荷物の量を調整して、一便でいけるようにした方が良いぞ!」などと、真面目な話、商売抜きでこちらのことを考えてくれて対応してくれました。

また、前回の発注の時は「お前地震大丈夫だったか?津波は?仲間のフライヤーは大丈夫だったか?」など、とにかくいろいろと心配してくれていました。

もちろんビジネスパートナーということもあるでしょうが、しかし、それ以上に「同じフライヤー仲間」という見方で接してくれているように思えます。

そして、今回もラルフのお世話になりました。

感謝!!

ダンケシェーン!ラルフ!!

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本当に偉い人というのは‥。

2012-01-29 20:57:31 | 人生論(life)

先日、ネットを何気なく見ていたら、昔、お世話になった方の情報を目にした。

笠井鯉太郎(かさいりたろう)氏。現、三菱電機取締役、電子システム事情本部 副事業本部長。

私が以前、三菱電機で衛星の開発のお手伝いをさせていただいていた時に、この方には親しくしていただいた。

とても気さくな方で、人懐こく、そして、なんでも話せるような方だった。

当時、私と同期で入社した、同じ学校出身で、親しい友人でもあったK島氏が、同じ三菱電機の宇宙部に配属となり、彼が担当したのは、NASAの宇宙ステーションの日本のモジュール、通称「希望」の電力解析の業務であった。

これは、日本の「希望」を運用するに当たり、どのくらいの電力が必要かを解析し、NASAに対してその電力の割り当てを願い出るという仕事であったが、しかし、もともと日本は宇宙に人間を打ち上げた経験がなかったため、宇宙空間で人間を生かすためには、どのような装置が必要で、そして、どのくらいの電力が必要かなんて、正直、日本人は誰もわからなかったのである。

そのため、K島氏はずいぶん悩みながら仕事を進め、私もたまに一緒になって考えてあげてみたりしていた。

この時、このK島氏の直接の上司が笠井氏だったのである。

そんな縁で、私は笠井氏と話す機会が多く持てたのだが、とにかくこの方、とても親しみやすく話しやすい方だったことを覚えている。

そして数年後、私は貴重な体験をすることになる‥。

三菱グループにて打ち上げた「スーパーバード」(型名SCS。一号機と二号機があったが、二号機は打ち上げ失敗)で使われる一部の回線を、海上自衛隊に貸し出すことになり、急遽、海上自衛隊の基地に常駐で、その回線のメンテナンスをする人材が必要となり、その人材として私が選ばれたのである。

その時はあまりにも急な話で、引っ越しの準備も整えられないほどであったが、この時、笠井氏は私を部長室に呼び出したのである。

私は正直何が起こるか不安であったが、笠井氏は私に対し「本当に急で申し訳ない!っと、その場で私に土下座したのである‥。

あわてた‥。かなりあわてた‥。

このような方がこんなことをするなんて‥。

正直不満は感じていたが、私は会社がどうしようもない状況であることを、その笠井氏の行為で悟り、荷物をまとめる時間もないまま、早々に海上自衛隊の基地に移動することに腹を決めた‥。

そんな出来事から二十数年‥。

久々に笠井氏の名前を見つけることができうれしくなった。

「すべての水を支配する海は低きところにある」‥。

笠井氏はまさにそんな生き方をする方だった。

私もそんな人間になりたい。

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想定外…

2011-04-10 20:30:24 | 人生論(life)

先の東日本大震災で、石巻市の大川小学校児童108人中、七割の子供が津波で流され死亡、あるいは行方不明というニュースを昨夜聞いた。

言葉にもならない…。これほど悲しいニュースを今まで私は聞いたことがない。

普段なら大変な出来事であるが、今回の震災があまりにも大きかったため、これほど悲しいニュースもあまり表沙汰になっていないようにも思える。

想定外…。

震災後、何度この言葉を聞いただろうか?

しかし、想定外と言う言葉はそう何度もでてくる言葉ではないはずであり、今回の震災のように何度も「想定外」という言葉がでてくるということは、実はそのような出来事は決して想定外ではなく、自然の中、長い歴史の中では、珍しい出来事ではないのではないか?

私にはそう思えるのである。

過去の日本の歴史の中でも、日本各地で数百年前のレベルで、やはり、大きな津波があったことが記されているのである。

しかし、それらはあまりにもスケールが大きく、正直、それらの震災はにわかには信じがたかった。

しかし、今回の東日本大震災を実際に体験してみると、それらは決して眉唾ではなかったことが痛いほどよく分かった。

信じられないほどの災害は、定期的にやってくるのである。

私は、このような「信じられないほどの災害」の記録は、後世にしっかり残していかなければいけないと思う。

私が生まれ育った和歌山の地も、災害が多い場所である。

私の曽祖父のお姉さんに当たる方は、約100年前の明治時代中期にあった集中豪雨で亡くなっている。

このときの雨も信じられないほどのもので、皆さんにも分かりやすく、大雑把にいうと、板敷、足尾エリアのある八郷盆地が20m以上水没するほどの雨量だったらしい。

しかし、この水害のとき、あちこちに点在していたお寺が、それぞれのお寺の階段の何段目まで水が来たか、正確に記録を残していたのである。

この記録は今になって重要な資料となり、コンピュータ解析技術の発達のおかげで、100年前の水害の正確なデーターを再現することに成功したそうだ。

そして、そのデーターは今後の治水工事等の貴重な資料になったらしい。

このように、「記録」を残すことは大変重要なことだと思う。

そして、人は年月が重なると、そのような大変な災害の記憶も薄らいでいき、やがては忘れられてしまうようになる。しかし、そうなってはいけないのである。

どんなに月日がたとうとも、災害は定期的に「必ずくる」ものであるので、決してその記憶を風化させてはいけないのである。

私の実家の檀家寺には、先に紹介した水害の時の記録を残した石碑が建っている。

昨年、この石碑を父親と見ていたとき、石碑の一部が割れて読めなくなっていたが、それをみながら父親は、「この石の割れは、先の南海大地震の時に石碑が倒れてついたもの」と教えてくれた。

それを聞いた時、あらためて私は「災害は定期的に必ずやってくるもの」と感じた。

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