バイアステープが縫製された後は、ファスナーを縫い付けていきますが、ハングハーネスにおけるファスナーの処理は大変難しく、いろいろと試行錯誤の連続の上で今の形が出来上がっています。
この後、数回に分けてファスナーの説明には入りますが、その前に、EXEハーネスの特徴のバックルの取り付け方の説明から…。
写真でもお分かりのように、EXEのハーネスには、下部に金属製のバックルが、上部にはプラスティック製のバックルが取り付けられています。
下部のバックルはファスナーが開くのを避けるためと、もしものときのセーフティーのためにあります。これの説明については、また回を改めて公表します。
そして、上部のバックル。
これはEXE独自のもので、他社ハーネスにはありません。
実はこのバックルには重要な意味があります。
ハーネスの首もとが、きっちり体に密着して体を支えていると、実は、とても居住性が上がります。
特に、背筋の負担が驚くほど少なくなり、長時間のフライトも苦にならなくなります。
しかし、ハーネスの首元と体が密着してしまうとファスナーに負担がかかってしまい、ファスナーが壊れてしまいます。
そのため、他社ハーネスはファスナーが壊れないように首元に余裕を持ってハーネスを裁断し、ファスナーに負担がかからないようにしています。
そのために、他社ハーネスの首元には少し隙間ができています。
しかし、EXEではこれについて妥協せずに、きっちり首元が密着していてもファスナーが壊れないように、新しくバックルを追加したのです。
これにより、長時間のフライトにおいて、EXEのハーネスは高い居住性を得ることに成功しました。
この工夫は、2時間ほどのフライトで、他社ハーネスとの違いを実感していただけると思います。
EXEハーネスは、この工夫の他にも分割フレームにすることによるフレームの大型化、更に、ハーネス内のセーフティーベルトの配置を、一人一人几帳面に管理することにより、腰の部分の局部的なアタリを避けたり等、いくつかの工夫により、世界トップレベルの居住性を実現しています。