飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

街に隠された滑走路と失われた「秋水」の格納庫

2015-01-22 21:52:34 | 日記(diary)
先日、太平洋戦争中の歴史や資料を残す活動をされている屋口正一氏にお会いし、かつて日本海軍が開発した特攻

グライダー神竜
について、その詳細を教えていただくことが出来ました。

この神竜については、既に知る方もほとんどおられなくなり、このままではその記録も残せないまま神竜自体が忘れ去られるのではという危機

感もあったので、私にとって屋口氏にお会いできたことはとても幸運なことでした。

屋口氏は神竜についての話をされていく中で、その他にも太平洋戦争中の出来事についていろいろと話して頂けましたが、その中にはとても私

自身驚いたこともありました。

その一つが、かつて茨城県の石岡市には海軍の飛行場があったこと。

みなさん。下の地図は現在の石岡市のものですが、不自然な直線道路が3本ありませんか?

実はこれがかつての海軍の石岡航空基地のなごりなんだそうです。



もともと霞ケ浦周辺には海軍の施設が多く存在しており、当時は軍事的に重要な場所だったそうです。

土浦には予科練の訓練所、軍用機の修理工場。鹿島には海軍の重要な飛行場があり、ここから桜花などの特攻機が一式陸攻の腹に抱かれて出撃

していました。

アメリカ本土に爆弾を落とすための「風船爆弾」などもここから飛ばされています。

そして、友部には予科練の分校。

前回ご紹介した大日本飛行協会中央滑空訓練所も軍事的目的でした。

今回ご紹介する石岡航空基地は、これらの飛行場が叩かれた時の予備的な目的で作られたのだそうです。

大戦末期の物質のないときに作られたため、その設備も粗末だったそうですが、

零戦六二型 9機
零戦五二型 1機
零戦二二型 1機
九九艦爆二二型1機
九九艦爆一一型1機
白菊 1機

が置かれていたそうです。



そしてもう一つ、度肝を抜くような事実を屋口氏は教えてくれました。

それは、石岡航空基地の北2キロほどに位置する小高い山「龍神山」に、かつて秋水の格納庫と発射台があったそうです。

秋水とはB29を迎撃するために作られたロケット戦闘機です。



ロケットエンジンのためどんなに高いところでも飛べ、速度も圧倒的に早かったためB29の迎撃にはうってつけだったのです。

この秋水は大戦には間に合わず開発のみで終わりましたが、私が住んでいるすぐ近くにそのようなものがあったという事実に驚いてしまいまし

た。

確かに考えてみれば、土浦周辺は軍事的に重要な設備が多く存在し、B29の爆撃目的になったしまうため、それを迎え撃つ「秋水」が配備される

のもうなずけます。

この秋水の格納庫は、大戦末期で物資がなかったため重機も使わずに手で掘りぬいたそうですが、現在同場所は採石場となって崩されてし

まったため現存はしていません。




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