飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

私が乗ったハンググライダーの名機 2

2013-02-01 20:54:21 | ハング(hangglider)

今回は、ちょっとマニアックな機体をご紹介いたします。

Gtrrace_id541


モイスGTR race ワールドビータ‥。

知っている人はほとんどいないでしょうね!

かなり古い機体で、かれこれ20年は前だと思います。

もともとオーストラリア、モイス社でGTRという機体が作られていましたが、それを世界戦用に改良した結果、リックダンカンが本当に世界選手権を獲ったという名機です。

しかし、この機体。性能が良いのかというと、実は前回ご紹介した「エクセル」よりは正直飛ばなかったように思えます‥。

それではなぜ、今回「名機」として紹介したのかというと‥。

ハンドリング!とにかくハンドリングなのです!!!

この当時は、機体の性能を上げるため、スパーを何重にも入れて固くして性能を出していました。

今のように、まだ「ステップダウンリーディングエッジ」の発想がなかったからです。

その結果、高性能機はどうしてもスパーが重いものとなっていました。

前回ご紹介した「エクセル」もこの例外ではありません。

スパーが重くなると、当然ハンドリングは鈍重となります。

しかし、しかしながら、モイスのワールドビータはこの鈍重さと機体のつくりがマッチして、とても良かったのです!!

今の世代の方はピンと来ないかもしれませんが、ハンドリングが鈍重ということは、それだけ安定性も良く、雑なパイロットの操作も許してくれる「扱いやすさ」を持っていたのです。

だから、確かにコントロールの効きは悪かったのですが、一度曲がり始めたら、とても扱いやすい特性を持っていたのです。

正直、初めてこの機体に乗ったときはカルチャーショックでした!!

「これ、重いだけじゃん‥」。

しかし、しばらくこの機体に乗ったら、私の印象はがらりと変わりました。

疲れない‥。一度バンクに入ったらずっと楽に飛べるよこれ‥。

実はこの機体、日本では西富士エリアのフライヤーに大人気だったのです。

理由はやはり、荒れた風の中でも楽に飛べる「安定性」を持っていたからです。

残念ながら、このワールドビータはすべて不幸な火災にあってしまい、今は一機も日本に残っていないはずです‥。

軽いハンドリングがもてはやされる現在。こんな面白いグライダーもかつてはあったということも、みなさんに知っていただきたいと思います。

コメント (2)
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