2 0 1 6 年 9 月 1 4 日 ( 水 )
午 前 4 時 4 3 分
さ い た ま 市 大 宮 区
J R 大 宮 駅 東 口
紆余曲折を経て、「北日本完全制覇!」の旅は
大宮駅より始まります。
早朝の大宮駅。
こんな時刻に、船橋市内の拙宅からやってくることはできません。
旅の計画段階で、あらかじめたか先生のご協力をあおいでいました。
まったく有難き幸せであります。
・・・しかしこのことが、この旅の行く末に大きな影響を与えようとは・・・
巨大ターミナルである大宮駅も、早朝ではさすがに静まり返っています。
大宮駅西口に移動しました。
おや・・・なんとなく
私が大学時代に頻繁に利用した駅に似てますなぁ。
この日最初の電車は、5時36分発
宇都宮線 普通電車 宇都宮行きです。
今回の旅の心強き相棒はこの方。
「北海道&東日本パス」(10,850円)です。
18きっぷとのちがいは・・・
(1)乗り放題が
連続7日間であること。(18きっぷは
利用可能期間内の任意の5日分)
乗り放題のできる日が18きっぷよりも2日分長いです。
しかし18きっぷが、飛び飛びで5日分とか、5人で1日分とか、フレキシブルな使い方ができるのに対し、
「北海道&東日本パス」(以下「北・東パス」といいます)は、1人で7日間連続で使うこととなります。
といっても、普通列車で旅することとなると、どうしても連続で5日以上はかかってしまいます。(それくらい北は列車の本数がシビアです)
(2)利用可能範囲が
JR北海道とJR東日本の管区に限定されること。(18きっぷは
全国のJRで利用可能)
これは名称からいっても、販売の目的からも当然の帰結といえるでしょう。
(3)
購入時に利用期間を指定しなければならないこと。(18きっぷは
指定不要)
というわけで、旅行の計画をしっかり組んで行う必要があります。
まぁ、私は3か月前にホテルを手配してますし、なんら問題はありませんな。
利用期間の指定を誤らないように注意しましょう。
(4)
利用できる期間も微妙に違いがあります。
2016年夏季の「北・東パス」の利用期間は、7月1日から9月30日まで。
いっぽう18きっぷは7月20日から9月10日まで。
私が旅に出たのは、18きっぷは使えない期間だったのでした。
このことは編集して初めて気が付きました・・・以後注意して旅の計画を立てていくとしましょう(^_^;)
そして「北・東パス」がより強力だといわしめるのが、以下2点。
(5)
いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線も乗り降り自由、ついでに
北越急行ほくほく線も自由。
18きっぷでは、
盛岡~八戸は利用不可(別料金)で、八戸~野辺地~青森は通り抜けるだけだったりその3駅で下車するなら別料金は発生しませんが、3駅以外の青い森鉄道の駅で途中下車する場合は乗車区間の運賃を支払わなければなりません。
盛岡~八戸は
3,040円と、18きっぷの1日分を軽く凌駕しています。
同じ区間を新幹線に乗っても
3,500円。鈍行のうま味がまったくありません。
盛岡から6駅目の
好摩駅から
花輪線に逃げる手もありますが、その先の花輪線は本数がかなり少なく、また運賃
650円を免れることはできません。
18きっぷユーザーにとってはまさに壁として立ちはだかるいわて銀河鉄道をフリーで通過できる点はかなり大きいです。
(6)
新青森~新函館北斗の区間内で発着する場合は、特急券(特定特急券)を買えば新幹線に乗れること。
18きっぷでは
2,300円の「新幹線オプション券」を購入して、奥津軽いまべつ~木古内のみ新幹線に乗れます。
またその先の
道南いさりび鉄道線 木古内~五稜郭を通過できます。
木古内駅と五稜郭駅以外の駅で途中下車する場合は、道南いさりび鉄道線の運賃を別途支払う必要があります。
青函トンネルの通過も、ユーザーにとって大きな問題。
この点でも「北・東パス」が優位であるといえます。
それでは「北・東パス」を酷使する旅のスタート。
そうそう、このきっぷは
自動改札機で入出場できることも付け加えておきましょう。
大宮駅9番線。
たか先生に旅の鼻向けにもらったアーモンドチョコを朝食代わりにして、最初の電車に乗車します。
朝4時起きの私にとって、通勤型のロングシート車両は格好の睡眠場所。
とくに車窓を眺めることもなく、ちょくちょく居眠りして、宇都宮駅に到着・・・
「踏切にて安全確認を行っております」
宇都宮駅到着間近で、電車の遅延が発生してしまいます。
到着予定時刻は6時51分、次の電車は6時56分発。
おそらく発車時刻は調整してもらえるとは思いますが、このままでは旅の記録で列車や駅名標、発車標を撮る「儀式」の時間がなくなってしまいます。
3分後、安全確認は終わり電車は宇都宮駅に入線しました。
午 前 6 時 5 4 分
J R 宇 都 宮 駅 7 番 ・ 8 番 線 ホ ー ム
3分遅れで宇都宮駅7番線に到着。
次の電車は隣りの8番線から発車する6時56分発
宇都宮線 普通電車 黒磯行きです。
ホームに下り立つや発車メロディが流れ出し、「儀式」を中途で終えて電車に乗り込みます。
発車標の画像がブレブレなのが、慌ただしさを表していますなぁ。
さて今度の電車は、車両が15両からぐっと減って4両編成、そして通勤通学の時間帯に。
車内は
JKとDKで混雑してきました。
車窓を撮る余裕はありません。
入れ替わり立ち替わり乗ってくる
JKとDKとともに、7時49分 黒磯駅1番線ホームに到着しました。
午 前 7 時 5 1 分
栃 木 県 那 須 塩 原 市
J R 黒 磯 駅 4 番 ・ 5 番 線 ホ ー ム
到着した1番線ホームから、コンコースを移動して4番線・5番線ホームへ。
今回も乗換時間があまりないため、「儀式」も簡略させていただきました・・・。
今度の電車は、7時54分発
東北本線 普通電車 郡山行きです。
この電車は大学時代に家庭教師のバイトの帰りでよく乗ったやつだ・・・たしか通勤型のロングシートだったはず・・・あまり車窓を楽しむことはできないかな・・・。
しかし編成は半減の2両、「儀式」のために後れて乗車した私に席はありませんでした。
まぁ、いいや、じっくり車窓の景色でも眺めるとしよう。
相変わらずの通学時間帯、車内は
JKとDKでにぎわっていました・・・が、彼らは途中の
黒田原駅(栃木県那須町)で下りていきました。
すると、待ってました!とばかりに車掌が登場。
席が空いてこれから寝に入ろうかという私に、きっぷを見せろと話しかけてきました。
まさに
「白河の関」です。
私は不機嫌な顔をしながら「北・東パス」を呈示したのでした。
電車は関東を脱し、福島県に入りました。
米どころ・東北へ。
車窓からは、黄色く実りつつある稲穂を見ることができます。
そういえば白河まではもう少し。
白河といえば、100名城のひとつ
白河小峰城【国指定史跡】がありました。
8時20分、新白河駅を通過してほどなく・・・
白河小峰城の
御三階櫓【復元】が見えてきました。
白河小峰城は
白河駅からは目と鼻の先。
駅ホームからも、車窓でも眺めることができます。
白河小峰城との4年ぶりの再会を果たして、私は満ち足りた心地で居眠りに入りました。
午 前 9 時 0 1 分
福 島 県 郡 山 市
J R 郡 山 駅 2 番 ・ 4 番 線 ホ ー ム
電車は定刻通りに郡山駅に到着しました。
この日4本目となる今度の電車は、9時24分発
東北本線 普通電車 福島行きです。
おお、この電車も大学時代、家庭教師先に行くのに乗ったやつだ・・・こいつは2人掛けの座席が並列しているパターンの旅客型の車両・・・これは座席をキープせねば。
編成は倍増の4両編成。
進行方向の左側の座席をゲットし、発車時刻を待ちます。
ここで立ち食いそばでも食べようかとは思ったのですが、たか先生からもらったチョコレートが思いのほか効いていて空腹感もなかったので、何も口にせずそのまま郡山駅を発ちました。
発車してしばらくは郡山の市街地を走っていきますが、じょじょに建物はなくなっていき、
稲穂かがやく風景に変わっていきました。
森と田んぼが入れ替わり立ち替わりめぐる車窓に、
「酒は大七」
森の中から突如浮き出るこの表示、福島県内ではよく見られます。
広告主である
大七酒造の酒蔵は、郡山と福島のあいだ、二本松市にあります。
二本松といえば、100名城のひとつ
二本松城【国指定史跡】がありました。
午前9時42分、
杉田駅に到着。
何の変哲もない無人駅。その次は二本松城の最寄駅・二本松駅です。
午前9時46分、
二本松駅に到着。
二本松城は・・・残念ながら見えません、見えるはずがありません。
駅と城のあいだを丘が隔てていて、城に行くにはその丘を上って下りないといけないのです。
しばらく進むと、山際は遠くに下がっていきました。
代わって田んぼがひろがる光景。
福島盆地に入ったようです。
田んぼの向こうに市街地が見えてきたら、終点の福島駅まではあと少し。
午 前 1 0 時 1 0 分
J R 福 島 駅 1 番 線 ホ ー ム
福島駅に到着。
(駅名標は5番線ホームのものです)
福島駅の駅名標。
なにやら
「福が満開、福のしま。」なんて表示があります。
・・・何も言いません。
今度の電車は、10時40分発
東北本線 快速電車「仙台シティラビット3号」 仙台行きです。
出発時刻まで30分あるので、いったん駅の外に出ました。
JR福島駅の駅舎。
あまりいい角度の画がありませんでした・・・。
30分といえば、立ち食いそばあたりのちょっとした食事をなすにはよい時間。
駅ビル「エスパル」の入口付近で駅そば屋を見つけました。
入ろうとしましたが、メニューを見ると、もりそばが500円と(駅そばなのに)いい値段。
私はこの店を早々に立ち去りました。
駅前広場にある銅像。
作曲家の
古関裕爾氏の銅像です。
氏は福島市の出身で、
「高原列車は行く」などの歌謡曲や、
「阪神タイガースの歌」(通称「六甲
颪」)、
「巨人軍の歌」(三代目)(通称
「闘魂こめて」)などの応援歌、
「栄冠は君に輝く」などのマーチなど、多くの作品を遺しています。
ふたたび福島駅。
ひさびさの駅スタンプです。
絵柄は東北新幹線と、当駅で分岐する山形新幹線。
今度の電車「仙台シティラビット」はすでに4番線に入線していました。
編成は先ほどと同じく4両編成、そして車両も同型なので、車窓が楽しめそうです。
福島駅での食事に早々に見切りをつけ、進行方向左側の座席をおさえます。
4番線とは反対側、5番線の発車標。
まだ午前10時30分なのに、表示は
12時51分 米沢行き、そして
16時04分 米沢行き。
ずいぶん先の時刻の案内をしています。
近くにあった
山形線(奥羽本線)の時刻表を見てみると、
えらくスッカスカな時刻表です。
8時33分発の庭坂行きの電車を最後に、16時台までは上記の2本だけ。
そして奥羽山脈を越えて米沢まで行く電車は、1日6本しかありません。ほかは福島から2駅目の庭坂止まりです。
山形へ行くならさっさと新幹線に乗れ、ということでしょう。
こんな具合に時間をつぶし、10時40分、仙台行きの電車が発車しました。
この旅では初の快速電車です。
とはいっても福島から
東福島、伊達、桑折、藤田までは各駅停車です。
そこそこ広い川です。たぶん
阿武隈川かな~。
(実際は阿武隈川ではなく、支流の
摺上川でした)
向こうに見えるのは新幹線の高架です。藤田駅まではほぼ一緒に北上します。
藤田駅を過ぎると、新幹線の高架は遠くに離れ、「仙台シティラビット」も快速運転を始めます。
藤田の次は、
貝田をとばし、県境を越えて
越河を通過し、白石に停まります。
ふたたび現れた新幹線。
この後頭上を越え、
白石蔵王駅へと続きます。
東北本線は白石蔵王ではなく、
白石駅へ。
白石駅といえば
白石城の最寄駅。
でも、よく見えませんねぇ・・・。
過去に白石城を登城したことはあったのですが、まったくの消化不良に終わってしまいました。
今回の旅でリベンジをしようとも考えたのですが、白石城に立ち寄ると今後の日程にまで影響を及ぼしてしまうので、今回は通過とさせていただきました。
白石駅の次は、
北白川、東白石をとばして
大河原駅に停車します。
進行方向の左側には
白石川が見えてきます。
東北本線はしばし白石川とともに進んでいきます。
大河原駅を過ぎて、ふたたび白石川。
川の堤には桜並木が植えられていて、桜の名所となっているそうです。
大河原駅からは、
船岡駅、槻木駅、岩沼駅まで各駅停車。
岩沼駅あたりから、沿線に建物が増えてきます。
館腰駅をとばして、次は
名取駅。
そしてついに仙台市内へ。
その後は
南仙台、長町と停車。(その間の
太子堂は通過)
午前11時56分。大宮駅を出発して6時間20分経過して・・・
ついに東北最大のターミナル駅・
仙台駅に到着しました。
【今回の乗車記録】
JR東日本 [JU07]OMY 大宮駅 9番線 5時36分発
■宇都宮線(東北本線) 普通 宇都宮行き 15両
宇都宮駅 7番線 6時54分着(遅れ3分)
宇都宮駅 8番線 6時59分発(遅れ3分)
■宇都宮線(東北本線) 普通 黒磯行き 4両
黒磯駅 1番線 7時49分着(遅れ2分)
黒磯駅 4番線 7時54分発
■東北本線 普通 郡山行き 2両
郡山駅 2番線 9時01分着
郡山駅 5番線 9時24分発
■東北本線 普通 福島行き 4両
福島駅 1番線 10時10分着
福島駅 4番線 10時40分発
■東北本線 快速 仙台シティラビット3号 仙台行き 4両
仙台駅 6番線 11時56分着
*移動時間 6時間20分 (乗車時間 5時間17分 待ち時間 1時間03分)
*移動距離 321.5km *運賃 北海道&東日本パス使用(不使用の場合は5,620円)