「諏訪の浮城」高島城を登城した私は、その雅称の由来ともなっている諏訪湖のほうへと自転車を走らせました。
復興天守の面する高島公園ぞいの通りを道なりに進んで700メートル。
諏訪湖畔を周回する道路に出ました。
街路樹として植わっているのはリンゴでしょうか?・・・そうではないようです。
案内看板によると、この樹木はカリン。
諏訪の地は、江戸時代からカリンの特産地として有名だったそうです。
この時季は夏の強い日差しと落下防止のため、リンゴの場合と同様に果実に袋をかけておくのだそうです。
諏訪湖の周囲は16kmだそうです。
自転車だとゆっくり走って1時間半といったところでしょうか。
湖畔にある片倉館は、国の重要文化財に指定されています。
近代に建造された洋館建築なんだろうなぁ~と思いつつ、片倉館会館【国指定重要文化財】をカメラに収めます。
この煙突のある建物も片倉館かな・・・とりあえずカメラに収めました。
あとでわかったのですが、こちらは片倉館湯棟【国指定重要文化財】で、愛媛の道後温泉本館と同様に、重要文化財でありながら現役の温泉施設なのだそうです。
湖畔を1kmほど進んで、諏訪湖とはおさらばです。
レンタサイクルを返却し、JR上諏訪駅に戻ってきました。
乗車する電車は松本行き、わが本拠地・柏からはさらに遠ざかります。
手持ちの乗車券である青春18きっぷでは特急に乗車できないので、今度の電車は11時08分発 中央本線 普通電車 松本行きとなります。
上諏訪駅構内にて。
荻野屋の峠の釜めしが販売されています。
荻野屋さんは碓氷峠を越えた先にも進出しているようですね。
そうそう、上諏訪駅構内といえば・・・
足湯!!
かつての国鉄長野鉄道管理局では「一駅一名物」運動が展開され、上諏訪駅ではホームに露天風呂が造られたのでした。
その後リニューアルされ、露天風呂から足湯になったようです。
現在、駅構内に足湯のある駅は全国各地に点在していますが、上諏訪駅はそのパイオニアとも言えるのです。
それでは、発車時刻まで足湯に浸かるとしましょう。
おおぅ、熱い・・・
お湯の温度はなかなかのもの、だいたい45度弱でしょうか。
東京の銭湯のような、じいさんが平然とは入りつつも真っ赤になっているようなあっちい湯船・・・まではいかないですが、それでも1分も足を入れていられないくらい。
上諏訪温泉の湯質だからなのか、湯槽の底は少しスベスベしていて滑りやすくなっています。
足湯の予想外の熱さに、私は早々にホームへと出てしまいました。
11時08分・・・ではなく3分遅れの11時11分、3両編成の普通電車 松本行きが発車しました。
車窓からは諏訪湖のたたえる水は消えていき、
前には田畑、奥には中央アルプスの山々が目に入ってきます。
塩尻駅からは中央本線を離れ、篠ノ井線に入ります。
車窓を楽しみつつ、「城攻め」も怠りなくすすめます。
11時30分、塩尻駅で武居城(東筑摩郡朝日村)を攻略。
11時43分、南松本駅で小笠原長時を登用。
まつもと~ まつもと~ まつもと~
2011年12月以来、久しぶりに耳にするおばさまのまつもとコールです。
今度の電車は、12時12分発 篠ノ井線 普通電車 長野行きです。
出発時刻まで多少の時間があるので、駅を出て食事をしてきます。
駅の東口にあたるお城口から外へ。
お城口の「お城」といえば、いうまでもなくあのお城のことですが、この日はあいにくご挨拶に伺う時間がありません。
それはともかく、駅近場のお店を探すとしましょう。
信州といえば、やっぱりおそば!
生産量は北海道に次いで全国第2位ですが、そばといえば北海道!よりも長野県!!というイメージが強いですよね。
・・・・・・これこれそこの読者どの、「いつもの旅と変わらないじゃないか」とは言わない。
せいろそば! 山賊焼き! うまい!!
さすがは信州、立ち食いそばなのに蕎麦の風味がしっかりしています。それでいてせいろそば1枚500円!
山賊焼きは、端的に言うと唐揚げのでっかいもので200円、なかなかよろし。
店内にはなぜか
松本駅へ戻ります。
松本城天守群【国宝】の模型。
今回は本物にお目見えできないので、こちらで代わりとします。
そうそう、松本駅でも忘れずに「城攻め」。
松本城は攻略なりませんでしたが、井川城(松本市)を攻略。
松本城に関係する武将、小笠原信浄、石川数正、石川康長、馬場信春を登用できました。
中でも馬場信春は、「武田四名臣」のひとり。
長篠の戦いで戦死するまで70以上の戦場に赴き、かすり傷ひとつ負わなかったといい、彼の「美濃守」の名乗りと共に「不死身の鬼美濃」と称されたそうです。
また軍師・山本勘助から築城術を伝授されたといわれ、松本城の前身・深志城など多くの城普請を担当したといいます。
12時12分発の普通電車 長野行きは、定刻どおり出発しました。
乗客はなかなか多く編成は2両、私はまたもお立ちとなりました。
私の立ち位置は、いうまでもなく進行方向右側です。
松本駅を発ってから1分もしないうちに・・・
NO PHOTO
松本城さまがチラッと見えたのです!
一瞬のことだったのでカメラに収めることは叶わなかったのですが・・・
日本100名城第29番・松本城攻略!
その後も、山あいの風景を楽しみつつ、「城攻め」。
12時18分、田沢駅で稲倉城と中塔城(いずれも松本市)を攻略。
12時26分、明科駅で小岩嶽城(安曇野市)を攻略。
12時35分、西条駅で青柳城(東筑摩郡筑北村)を攻略、春日元忠を登用。
12時46分、聖高原駅で
13時13分、稲荷山駅付近で屋代勝永、屋代政国を登用。
電車は松本から7駅の
「まもなく姨捨、姨捨、お出口は左側です。
なお姨捨駅付近の車窓からは善光寺平を一望でき、『日本三大車窓』のひとつに挙げられております」
車掌氏の案内を聞くまでもなく進行方向右側を陣取っていた私は、その風景を堪能していたのでした。
電車は姨捨駅に入り、さらなる天の配剤が。
「姨捨駅では対向列車通過待ちのため、10分ほど停車いたします」
それならば電車を出るしかないでしょう!
姨捨駅の駅名標。
矢印がまっすぐではないのは、この駅がスイッチバック構造になっているからです。
電車先頭から。
レールはこの先で行き止まりとなっています。
電車はいったん戻って反対側のレールに入り、
下方のレールに進入して、急坂を下っていくのですね。
かつては、武田信玄と上杉謙信が激闘を繰り広げた決戦の地。
現在は建物も多く立ち並びつつも、緑も残っています。
そして今も昔も、千曲川が悠然と流れています。
捨てられちゃった?・・・わけではないですよね。
姨捨駅・・・その駅名から連想させる「うばすて山」伝説。
ですがこの地には、老人を山に捨てるという風習はなかったといいます。
電車はひとりのジジババを捨てることもなく、姨捨駅を発車。
定刻より遅れること約4分、13時20分に篠ノ井駅に到着。
私はここで下車し、この日2つめのお城に向かいます。
【今回の乗車記録】
JR東日本 上諏訪駅 2番線 11時11分発(遅れ3分)
■中央本線 普通 篠ノ井線直通 松本行き 3両
松本駅 5番線 11時47分着(遅れ3分)
松本駅 2番線 12時12分発
■篠ノ井線 普通 信越本線直通 長野行き 2両ワンマン
篠ノ井駅 3番線 13時20分着(遅れ4分)
*所要時間 2時間09分 (乗車時間 1時間44分 待機時間 25分)
*移動距離 86.9km
*運賃 18きっぷ使用(不使用の場合、1,490円)