2 0 1 6 年 9 月 1 6 日 ( 金 )
午 後 4 時 1 9 分
函 館 市 元 町
バルコニーでコスプレしている♂♀。
こやつらをなるべく写らないようにして・・・
あらためまして、
旧函館区公会堂の
本館【国指定重要文化財】です。
旧函館区公会堂は、明治42年(1909年)5月に起工し、翌43年9月に竣工した建物です。
明治40年8月の大火で町会所が焼失したため、費用約5万8千円で建築されました。
この費用のうち大部分の5万円は、函館の豪商・相馬哲平の寄付によるものでした。
明治44年8月、ときの皇太子殿下(大正天皇)の行啓の宿舎として、また大正11年(1922年)7月にはときの摂政宮殿下(昭和天皇)の行啓のおりに御休息の場として用いられました。
昭和32年(1957年)からは函館市公会堂として使用されてきました。
本館は昭和49年(1974年)5月に、附属棟は昭和55年(1980年)に国の重要文化財に指定されました。
昭和55年から3年間の保存修復工事を経て、現在もコンサートホールとして利用されているそうです。
入館料は大人300円です。
私はこのあとにもうひとつ洋館に入るつもりでいたので、2館共通券を500円で購入しました。
それでは中へ。
観光客も多く、
漢一匹が入るにはふさわしくない場所ですが・・・
そんなことは意に介さず普通に入ります。こっちははるばる千葉から来てるわけだし。
まずは1階、
大食堂。
シャンデリアは蘭?をモチーフにした、派手さは控えながらもかわいらしいもの。
どの部屋か忘れてしまいましたが、調度品は往時のものを使用しているのでしょうか。
階段を上って2階へ。
当時のトイレでしょうか。もちろん現在は使用できません。
階段の近くにある部屋、
御寝室(貴賓室寝室)です。
大正天皇が皇太子であったおりに、この部屋が御寝所として使用されたそうです。
昭和天皇が摂政宮であったときに御休息をとられた部屋もこちらで、調度品は往時のものが配置してあるそうです。
その隣りは
御座所(貴賓室)。
こちらの部屋で、大正天皇も昭和天皇もおくつろぎになったそうです。
この2室だけは、シャンデリアのかたちが異なっているそうですが・・・私は気づきませんでした(^_^;)
また壁や天井には、植物文様(アールヌーボー)の外国製壁紙が貼られています。
現在も使用されるという
大広間です。
こちらは白漆喰塗の質素な感じですが、かえって広々としているように感じます。
大広間からはバルコニーが続いています。
コスプレ♀に交じってバルコニーに出てみました。
眼下には
元町公園、そして
函館港が見えるなかなかの景色です。
別階段で1階に下りると・・・コスプレ準備中の♂♀が数人。
衣装レンタルは20分で1,000円、ヘアメイクも1,000円、しめて2,000円で明治の貴婦人になることができます。
私? できるわけないでしょう~
漢一匹の旅だし。
・・・・・・ふたりだったら、絶対やってただろうな(^_^;)
午 後 4 時 3 4 分
元 町 公 園 へ
漢一匹ではいささかつらい旧函館区公会堂を出て、隣接する
元町公園に足を踏み入れました。
函館の港がよりいっそう近くに見えます。
湾の対岸には、よく見ると
五稜郭タワーも。
公園から見上げた
旧函館区公会堂。画になります。
公会堂を見上げた地点の脇には、4体の銅像が立っています。
号して
函館四天王像。
函館の発展に尽くした漢たちで、右から
今井市右衛門、
平田文右衛門、
渡邉熊四郎、
平塚時蔵です。
彼ら4人は元町公園から、函館の港町を見下ろしているんですね。
四天王像のすぐ近くには、同じような色彩の洋館が建っています。
旧北海道庁函館支庁庁舎【北海道指定有形文化財】で、明治42年(1909年)に建てられたものです。
ちなみに元町公園のある地には、19世紀初めから
箱館奉行が置かれていました。
しかし開国後、海に近いこの地は防衛上不利ということで、箱館奉行は
五稜郭に移転することになります。
旧函館支庁舎の前に立つ台座。
この台座を使って庁舎の写真を撮ると、いい画になるそうですが・・・
うむ、なるほど。
隣りにある赤煉瓦の建物は、
旧開拓使函館支庁書籍庫【北海道指定有形文化財】。
明治40年の
函館大火の際も類焼を免れ、行政文書を守り抜きました。
北海道は、はじめ
開拓使(北海道開拓使)が置かれ、明治政府主導のもとで北海道の開拓が行われました。
明治15年(1882年)に開拓使は廃止され、
札幌県・函館県・根室県の3県が置かれました。
しかし3県の統治はうまく機能せず、
北海道庁を置くことで内務省の管轄下となり、3県はそれぞれ支庁となりました。
元町公園を出ました。
公園わきの
基坂を挟んで向かいにあるのが、
函館市旧イギリス領事館【函館市指定文化財】に入ります。
芸人N氏の顔のような旧式の電話がお出迎え。
領事の家族が居住していた
家族居室。
領事執務室からは、
リチャード=コックス領事が函館の港を観察しています。
2階から領事館のお庭を拝見。
お庭からの領事館。
画になる建物を拝見して、あっさりですが後にします。
・・・・・・ああ、やっぱり二人で歩きたかったな。
午 後 4 時 5 6 分
領 事 館 を 出 る
時刻は夕刻、午後5時前。
日没までの時間は約1時間、
函館山の夜景を望むべく、ロープウェー乗り場へ向かいます。
旧相馬邸【伝統的建造物】は素通り。
相馬邸は、函館区公会堂の建設に多額の寄付をした豪商・
相馬哲平の私邸です。
イギリス領事館のお隣さんで、坂の上に建てられております。
市民の私邸から外国の公邸を見下ろすことができるのは、この相馬邸だけだそうです。
狭いながらも雰囲気のある石畳の坂を通過。
東本願寺函館別院を右に見つつ、元町を後にしました。