青森県の100名城・根城【国指定史跡】の登城を終了。
前日とは打って変わり、この日は正午前になってようやく移動を開始します。
次の目的地は、青森県の西側・津軽地方の100名城・弘前城【国指定史跡】です。
弘前城は、日本に現存する12の天守で最北に位置します。
5月には天守や城郭を桜が彩る「桜の名所」として全国的にも有名です。
八戸からのアクセスは、まず青い森鉄道線で青森へ出て、そこから今度は奥羽本線で南下するルートをとります。
八戸からいったん北の青森へ、そして西南の弘前へ。あたかも八甲田山を中心とする半円の弧をたどるようなコースで、青森県内を横断していきます。
まずは根城から八戸駅へ出なければなりません。
見えてきたのは、11時24分発 南部バス 八戸駅行きの赤い車体。
バスといえば、5分、10分の遅れは当たり前、20分ほどの遅れを計算に入れておくのが私の計画策定での注意事項ですが・・・
南部バスさんは定時運行を遵守していて、とても素晴らしい!
きっちり11時24分に乗車することができました。
乗車しようとすると、黄色いコスのおねいさん。
どうやらアテンダントさん(乗務員)のようです。
乗車した私は、ドアそばの席に座ろうとしましたが、どうやらこの席はおねいさんが使っているような雰囲気・・・。
そこで私はそのひとつ前の席に座り、バスは発車しました。
案の定、おねいさんは私の後ろに着席。
せっかくなので話しかけてみました。
私『すみません、根城・博物館前から八戸駅までの運賃はいくらですか?』
ね「え~と・・・」
おお、私としたことが、不本意にもおねいさんを困らせてしまうとは・・・
おねいさんは手持ちの運賃表を読み解くのにてこずっています。
私『ちょっと貸してください・・・』
(運賃表を受け取る)
私『えぇと・・・はいはい、200円ですね』
私は運賃表を見て10秒で断定・・・おねいさん、なんか・・・ごめんね。
【今回のバス乗車記録】
根城・博物館前バス停 11時24分発
南部バス (T60)田面木・日赤病院経由 八戸駅行き
11時40分着
*乗車時間 16分 *運賃 200円
特段の混雑もなく、バスは定刻どおりに八戸駅に到着しました。
駅前の噴水には人魚像。
日本有数の漁港を有する海洋都市・八戸を象徴しているようです。
私は見ませんでしたが、八戸市博物館には人魚のミイラなるものがあるのだとか・・・?
さて今度の列車は・・・
12時13分発 青い森鉄道線 快速列車「しもきた」 大湊行きです。
出発時刻までまだ時間があるので、改札口横で駅スタンプを回収。
青い森鉄道・八戸駅と、その傘下であろう北隣の陸奥市川駅と南隣の北高岩駅のスタンプもありました。
八戸駅のスタンプの絵柄は、「南部一ノ宮」と称される
北高岩駅の絵柄は、
陸奥市川駅は・・・ネタ切れだったんでしょうねぇ。
そして、朝食を摂らずに城攻めをしたので、ここで食事をしておきたいところ。
前日見た感じで駅構内に立ち食いそば屋さんはなさそうだったので、
八戸駅のロータリーに面している「食処 味まる」というラーメン屋さんに入店しました。
駅のロータリーに面している店は、同好会員おなじみの某食堂という炎上必至の店がありますが(内輪ネタ失礼)・・・ここはどうでしょうか?
入店してみると、狭いながらも昼休み(出張中か?)のサラリーマンでにぎわっています。
老人のたまり場となっているどこぞ(内輪ネタ失礼)とは違いますね。
時間があまりない中でササっと食せるものを注文しようとも思いましたが、来ているリーマンたちがこぞってオーダーしている「日替わり定食」(850円)なるものを私もオーダーしました。
味まるの日替わり! うまい!
魚介ダシのスープで食する中華そばにミニ叉焼丼、なぜか冷奴と、私の苦手なたくあん。
店頭に「いわし」「さば」の文字もあり、スープはガチガチの魚介系かとも想像しましたが、ダシは控えめのさっぱりした醤油スープで、スルスルと食べ進むことができました。
叉焼丼の油ものと、冷奴の水ものという対照的な組み合わせも面白く、私は空腹が程よく充たされていきました。
スマホさんで列車の発車時刻を確認し、急遽みどりの窓口に立ち寄ったうえで、いよいよ八戸を発つときは来ました。
地方に来た~!という感覚を味わわせてくれるこの車両は、キハ100形というそうです。
列車は2両編成で、座席は進行方向左側が二人掛けのボックスシート、右側が一人掛けのボックスシート的な配置です。
快速列車だけあって乗客は多く、私はお立ちでこの日の乗り鉄をスタートすることになりました。
農業、漁業、工業が共存する街・八戸ともお別れです。
この日も、実り始めた稲穂をかき分け、列車は進んでいきます。
12時22分。八戸発車から9分で最初の停車駅へ。
スタンプのネタに窮した陸奥市川駅を飛ばして、下田駅に停車します。
伊豆半島の先っちょではないですよ~、あちらは「伊豆急下田」ですよ~。
青い森鉄道はその名にふさわしく、
青い森の中をひたすらに進んでいきます。
12時30分。
向山駅を通過し、2番目の停車駅は三沢駅。
私の近くに立ち、目の保養を17分間務めてくれたナイスバディのおねえちゃんは、外人の男とともにこの駅で下りていきました。
さすがは空港と基地の街・三沢です。くぅぅ・・・。
三沢の次は、小川原、上北町、
小川原・上北町間で、日本有数の汽水湖・小川原湖が見えてきます。
それもつかの間、上北町を通過すると、
森、ときどき田んぼといった光景になります。
森を抜けてきたところで、野辺地駅に到着します。
三沢駅から24分間ノンストップで、野辺地駅に着きました。
乗車してきた快速「しもきた」は、この後JR大湊線に進入してしまうので、ここで乗り換えとなります。
向かい側のホームでは、13時02分発 青い森鉄道線 快速列車「しもきた」 青森行きのキハ100形の気動車が待機しています。
この列車は先ほどの列車とは逆に、大湊線からやって来たものなので、もうすでにかなりの乗客を乗せています。
車両数も半減の1両、座席を確保するのは無理・・・ということで、わずかな時間で野辺地駅散策。
次の列車の発車時刻までは、約7分ほど。
野辺地町にある常夜燈【野辺地町指定文化財】の模型。
現存するものでは日本最古の常夜燈です。
陸奥湾(野辺地湾)に面する野辺地は盛岡藩領内にある日本海航路の拠点となる港町で、また弘前藩との境界に近いところにありました。
野辺地駅のスタンプ。
この常夜燈あたりが絵柄になっているかと思いきや、絵柄は駅舎でした。
野辺地駅駅舎外観。
看板は「青い森鉄道 のへじ駅」となっていますが・・・
1番線ホームの駅名標だけはJR東日本様式になっています。
時間がない中トイレを早々に済ませ、列車は13時02分、定刻どおりに発車しました。
野辺地駅からしばらくは、野辺地湾近辺を進んでいきます。
車窓からは向こうに野辺地湾、そのさらに向こうに下北半島が見えます。
ですが次第に海から離れ、
「青い森鉄道」らしく森が迫ってきます。
森の合間に、美しい色の田。
乗換後最初の停車駅、小湊駅は、夏泊半島への拠点駅のようです。
青森県の2大半島(津軽&下北)に囲まれる陸奥湾、その陸奥湾にちょこんと突き出している半島が夏泊半島で、夏泊半島と下北半島に囲まれる海域が野辺地湾です。
列車は小湊駅を後にしました。
そういえば最後尾にいたから、後ろの車窓も撮れるなぁ~と思って撮ってみた1枚。
小湊駅を出て1分後に渡った川。森の向こうが夏泊半島です。
えらくまっすぐなレール。
森&田の光景から、
再び海の光景へ。
水辺にたたずむ亀のような形をしているから亀島・・・ではなく、
鴎島とは別の島、まるっこい湯ノ島が見えたところで、列車は2番目の停車駅・浅虫温泉駅へ。
列車はしばらく陸奥湾ぞいを進みます。
小湊駅付近までは北西に進んでいた路線は、浅虫温泉から南西に方向を変えて青森を目指していきます。
そのため陸奥湾の向こうには津軽半島が見えてきます。
そのうち海とはお別れ。列車は青森市街に入っていき、
3番目の停車駅・東青森駅。
車窓から目に入る建物は、その数と大きさを増していき、
13時43分、かつての東北本線の終点・青森駅に到着しました。
これによって、新旧含めて東北本線は完全に制覇した!と言ってもいいでしょう。
何? 東京・大宮間はどうしたと?
その区間は何度も乗っているからいいんです!
ほらね!! ⇒ 100名城登城の旅・第10弾「おくのほそ道」最終話より
しかし今回の目的地は、青森ではなく弘前。
さらに移動を続けます・・・が、この青森駅でちょっとしたサプライズが私を待っていたのです。
【今回の乗車記録】
青い森鉄道 八戸駅 2番線 12時13分発
■青い森鉄道線 快速 しもきた JR大湊線直通 大湊行き 2両ワンマン
野辺地駅 2番線 12時54分着
野辺地駅 1番線 13時02分発
■青い森鉄道線 快速 しもきた 青森行き 1両ワンマン
青森駅 1番線 13時43分着
*所要時間 1時間30分 (乗車時間 1時間22分 待ち時間 8分)
*移動距離 96.0km *運賃 北海道&東日本パス使用(不使用の場合は2,280円)