俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

2015-11-05 | 俳句・秋・植物




橘の照るや八角堂の朝



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ミカン科の常緑小高木。

日本特産種。

暖地の海よりの地域に自生する。







果実は扁球形で直径約三センチ、黄色に熟す。

果肉は酸味が強く食用にならない。







興福寺の南円堂は朱塗りの八角形の堂で、813年創建、1789

年再建のものである。

朝訪れると、右近の橘が実を沢山つけて日に照っていた。






采女かも橘の実の下行くは



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秋の暮

2015-11-04 | 俳句・秋・時候




古都よりの山の稜線秋の暮



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秋の夕暮れ時をいう。

清少納言の『枕草子』には、「秋は夕ぐれ」とあり、また、西行や

藤原定家の歌にも「秋の夕暮」の歌がある。







芭蕉にも《此道や行人なしに秋の暮》などがあり、古来多くの詩

歌に詠われてきた。

「秋の暮」は秋のさみしさやあわれさを本意とする。







古都奈良から秋の暮方に遠方を眺めると、低い山並みの稜線が

くっきりと見えるのであった。。






群のあと一羽の鴉秋の暮



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2015-11-03 | 俳句・秋・動物




鵙鳴かぬときあり夕日受けをれば



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モズ科の鳥。

雄は背が灰色で頭と腹が茶褐色。

黒い過眼線がある。

雌は褐色で、過眼線は目立たない。

秋、高い木の天辺に止まって尾を上下に振りながら、キーッ、キ

ーッと鋭い声で鳴く。

猛禽類で、昆虫、蛙、小鳥までも捕食する。

春から秋にこれらのえさを木の枝に突き刺しておき、冬に食べる

習性があり、「鵙の早贄」といわれている。







単線の駅に着いてベンチで電車を待っていると、目の前の電線

に鵙が止まってしばらくじっとしていた。

鵙は夕日を受けて、一声も上げなかった。






夕鵙や中学生と電車待ち



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2015-11-02 | 俳句・秋・植物




纏向の夕風揺らす芒かな



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イネ科の多年草。

日当たりのよい山野に自生する。

秋の七草の一つ。

古来屋根を葺くのに使用したため茅とも呼ばれる。

花の集まりの長い穂はけものの尾に似ているので、「尾花」とも呼

ばれる。







纏向の地を歩いていると夕風がやさしく芒を揺らした。

歴史ある地の芒は美しかった。






単線に沿うて芒の長けにけり



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刈田

2015-11-01 | 俳句・秋・地理




何鳥も降りてをらざる刈田かな



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稲を刈り終わったあとの田をいう。

一面、広々とした空間となる。







歩いていると刈田があったが、そこには落穂がないためか、鴉も

椋鳥も雀もいなかった。






下校する中学生や刈田道



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