俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

秋の夜

2019-10-26 | 俳句・秋・時候




秋の夜や遊女も寝たりの句碑ありて




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秋の夜は長く、あたりは静まり返っている。







家から洩れる灯火、月光、虫の音、雨の音などにもしみじみ

とした思いが深まる。







「秋の宵」にはまだ人の活動が感じられるが、「秋の夜」は

静かに物思いにふける時間帯である。







「夜半の秋」は秋の夜が一層更け渡った時刻をいう。







秋の夜、水門川沿いを歩いていると、《一家に遊女も寝たり

萩と月 芭蕉》の句碑に出合った。

遠く新潟の市振が思われた。






秋の夜の旅の手酌となりにけり




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残る虫

2019-10-25 | 俳句・冬・動物


芭蕉追悼の句碑・句塚(正覚寺)


木因の墓の辺りや残る虫




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秋が深まるとともに、しだいに細ってゆく虫の音をいう。




芭蕉塚



大垣の正覚寺には、芭蕉追悼の句碑・句塚が固まってある。

芭蕉の百カ日忌に芭蕉塚が築かれ、その後、木因の墓や

美濃派歴代宗匠の句碑などが建立された。







写真では明るいように見えるが、実際はすでに暗くなって

いて、肉眼ではよく見えなかった。







木の根元に小さな木因の墓があった。

その辺りから蟋蟀のか弱い声が聞こえ出した。




住吉燈台


灯りたる川燈台やすがれ虫




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桜紅葉

2019-10-24 | 俳句・秋・植物




川の上(へ)の桜紅葉や結びの地




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桜の紅葉は他の木に比べて早く、秋風とともに赤らみ、

また虫食いになったり黒い染みができたりして、早い葉は

落ちてしまう。







今年は残暑が厳しかったせいか、桜の紅葉が遅れ、

晩秋になっても青い葉が多かった。




松尾芭蕉



芭蕉は、『奥の細道』の結びの地である大垣の船町港から、

九月六日に谷木因らに見送られて、伊勢神宮の遷宮参拝の

ため、桑名へと舟で下った。




谷木因



谷木因は大垣の回船問屋の主人で、芭蕉とは北村季吟の

同門の友人。

『野ざらし紀行』で、芭蕉は木因を訪問している。

岐阜蕉門が早く隆盛をみたのも、木因の影響力があずか

って大きかったからという。




蛤塚〈蛤のふたみに別行秋ぞ 芭蕉〉



芭蕉の『奥の細道』結びの地には船町港跡がある。

その水門川には桜の枝が突き出していて、葉が紅葉して

いた。






舟に乗る翁も桜紅葉かな




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黐の実

2019-10-23 | 俳句・秋・植物




黐の実や水の都の空晴れて




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モチノキ科の常緑高木の実。







山野に自生し、庭木として植栽もされる。







十月頃、球形の液果が赤く熟す。







材は細工物用となり、樹皮からは鳥黐を取る。







水の都といわれる大垣を歩いた。

よく晴れて、黐の実が赤く鮮やかであった。






大垣城天守閣より黐の実を




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木犀

2019-10-22 | 俳句・秋・植物




木犀や天守閣より下りきたり




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モクセイ科の常緑小高木。

中国原産。







木犀は、金木犀、銀木犀、薄黄木犀などの総称。







十月頃、葉腋に香りの高い小花を多数つける。




大垣城



大垣を訪れ、大垣城の天守閣に上り、東西南北の窓から

山々などを眺めた。







天守閣から下りて外に出ると、金木犀が満開で芳香を

放っていた。






川湊跡木犀の零れをり




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