俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

紅葉散る

2020-11-25 | 俳句・冬・植物




苔の上に日の洩れてをり散紅葉




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野山を彩った紅葉は初冬には散ってしまう。







秋の「紅葉かつ散る」は紅葉しつつ散る様を指すが、

冬の「紅葉散る」は、盛りを過ぎた紅葉が風雨に晒

されて散る情景をいう。







風に散り舞う紅葉、渓流を流れて行く紅葉、庭園に

散り敷かれた紅葉など、それぞれの趣があって美し

い。







散紅葉には絵画になるような日本古来の美がある。







苔の上に森の日が洩れていた。

そこに紅葉が散っていた。






紅葉散る野火止塚を後にして




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南天の実

2020-11-24 | 俳句・冬・植物




承応の用水今も実南天




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メギ科の常緑低木。







晩秋から初冬にかけて茎の先に小球状の実が熟す。







緑色の葉に赤い実が、冬の景色を華やかに彩る。







白、黄、紫色などもあるが、紅色の実は艶やかで、

特に美しい。







平林寺の森の裏に野火止用水が流れている。

この用水は江戸初期の承応年間に造られたが、今も

澄んだ水が流れている。

その用水脇に南天の実が真っ赤に生っていた。






郵便のバイク来し音実南天




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2020-11-23 | 俳句・冬・動物




鴨三羽夕暮の川往き来せり




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鴨には、海に棲むものと淡水に棲むものとに

大別される。







秋、雁と同じころに飛来し、春に北方に帰る。







よく見かけるのは真鴨で、雄が「青頸」といわれる

ものである。




ヒドリガモ



早朝や夜間に草の実や水草を取りに行き、昼間は

群をなして水に浮いていることが多い。







真鴨が三羽、夕暮の川を行ったり来たり泳いでいた。






水草に睦む鴨二羽ゐたりけり




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冬紅葉(2)

2020-11-22 | 俳句・冬・植物




禅寺の作務僧若し冬紅葉




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近年では、秋の紅葉よりも冬紅葉こそ美しい。







埼玉県新座市の古刹、平林寺に冬紅葉を観に

訪れた。







山門を入ると、楓の紅葉が真っ赤に色づいていた。







晴れた昼の日差しが楓の葉を透し、木の下に入ると

冬紅葉が明るく輝いていた。







禅寺平林寺の若い作務僧が忙し気に歩いていた。

冬紅葉が美しかった。






冬紅葉放生池を数の鯉



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小春

2020-11-21 | 俳句・冬・時候




時かけし手紙出したる小春かな




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小春・小六月ともに陰暦十月の異称。







陽暦十一月半ば過ぎから十二月初めの期間に

当たる。







小春日・小春日和は、春のように暖かい晴れた日の

ことをいう。







「小春風」「小春凪」「小春空」などとも用いられる。




平林寺山門



時間をかけてようやく手紙を出した。

心が軽くなった小春日和であった。




平林寺業平塚


森をきて業平塚や小六月




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