生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

拙著10冊目出版、ぜひ読んでね!おかげ様で19年続いている老舗ブログです。

頭がくらくらする量子論

2021-09-18 | 自然科学

退屈な日常から、ちょいと旅をしてみたいと思いませんか?
そんなときにお勧めの一冊を見つけました。



量子力学は学べば学ぶほど、
頭がくらくらしてきます。

そしてこれまで築いた「常識」という概念が
音を立てて崩れていくと思います。

「俺は常識なんかに囚われないぜ」という人こそ、
量子論を学んで欲しいと思います。
いかに自分が常識に縛られていたかを
思い知らされることになるでしょう……。


1.壁を通り抜けられる確率はゼロではない
2.もし光速で走っても、光は静止時と同じ「光速」に見える
3.質量はエネルギーに変換できる
4.電子は粒子と波動の両方の性質を持つ
5.電子が波として振舞うと粒子性が消える
6.この世界は重ね合わせでできている
7.観測した瞬間、粒子の性質が決まる
8.粒子Aを観測した瞬間、粒子Bの性質が決まる(量子テレポーテーション)


箇条書きにしてもわかりにくいかもしれないが、
たとえば3の理屈で、目の前の角砂糖という物質を
「エネルギー」に変換することができるのだ。

それはそれは凄まじいエネルギーで、角砂糖1個で
東京くらいの都市なら、何十個も吹っ飛ばせるほど。

E=mc^2 という有名な式で表される。


また6、7からは、パラレルワールドの存在が示唆される。
たとえば箱の中にネコが入っているとする。
ネコが生きている世界と、死んでいる世界が重なり合っているが、
箱を開けて観測した瞬間、ネコの生死が確定するという考え方。

大学などの授業で受講しても、難解な数式が羅列されるだけで
量子論の面白さがわからないことがあるかもしれないが、
この本ではほとんど数式を使っていない。

数式を使わずに量子論を学べるのが凄いと思った一冊である。

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すべての人間のAIを作ったら?

2021-08-24 | 自然科学

この前の24時間テレビで加山雄三さんのAIが登場した。

これを見てふと思ったのだが、
この世に生まれた人間すべてのAIを作って、
保存すれば、凄まじい「✨才能バンク✨」になるのではないか。

現在の社会では、発揮しようがない才能を持ってしまった
「眠れる獅子」たちを保存しておくこともできる。

100年後、1000年後に喉から手が出るほど、
その才能が欲しくなるかもしれないではないか。


過去の偉人も復活させれば
今でもモーツアルトが作曲を続け、
紫式部が執筆を続け、
アインシュタインが研究を続ける世界……
が実現する。


ただ、もしこれが実現すれば
死生観というものが大きく変わってしまうことは否めない。

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銅が溶けるところってみたことがないな~

2020-10-22 | 自然科学

「そういえば、銅が溶けるところってみたことがないな……」

鉄や亜鉛などは、薄い塩酸や硫酸にも溶ける。
だが、銅を入れてもどうにもならない。

銅はH+よりイオン化傾向が小さいので、
強酸というだけでなく、
強力な酸化力を持つものでないと溶けないのだ。

その身近なものが、硝酸や熱濃硫酸というわけである。

硝酸や熱濃硫酸などという超物騒なものを
たくさんの生徒がいる前に持っていきたくない。

そこで、化学室で予備実験し、動画に取りました。

思った以上に過激に反応……
生徒の前でやらなくてよかった~

★銅を硝酸で溶かす(1分20秒くらいから激しい反応が起こります)
https://www.youtube.com/watch?v=7Al4dQf8vLY

コメント (3)
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濃硫酸の怖さを実感する動画

2020-09-19 | 自然科学

中学生のとき、理科の先生から
もうもうと塩化水素の煙が立ち上る濃塩酸を見せられ、
これを浴びたらお岩さんみたいになっちゃうぞ、
と脅された思い出がある。

でも「濃硫酸」のが実はもっと怖い。

まず、塩酸=塩化水素を水に溶かしたもの、であるから、
Maxでも35%くらいのものまでしか存在しない。

しかし硫酸は、そもそも「硫酸」という物質が存在するのであるから、
100%のものもありうる。

加えて濃硫酸には「脱水作用」というものがあり、
有機物質をことごとく「炭」に変えてしまうのだ。


以下スクロース(砂糖)に濃硫酸を加えた動画です。
こんななってしまいました。
「脱水作用」により、CとHとOからなるスクロース分子から
HとOを奪い取り、Cのみ残ったためです。
https://www.youtube.com/watch?v=p4xAynX03dU 

人体のタンパク質もCとHとOからなるため、
人体に濃硫酸が触れたときにも、同じような反応が起きます。

濃硫酸を扱うときは、十分にご注意を。

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人間中心主義がダメな根拠

2018-02-21 | 自然科学

なんとなくいやだなあ~とは思っても、
論理的にその根拠を述べるのが難しいことは往々にしてある。

しかし自然科学の世界では、
客観的な説得力が重要であったりするから厄介だあせあせ(飛び散る汗)

人間中心主義はなぜダメか、について。

これまでは、ヒトはハイレベルな社会と技術を持ち、
影響力が大きすぎるから、という根拠を挙げていた。
しかも地球上で70億と、高次消費者としてはあり得ないほど個体数が多い。
すべてのヒトが恩恵に預かれる人間中心主義を貫こうとすれば、
間違いなく地球が崩壊する爆弾

まずは人口を数百分の一以下にしない限りは、
人間中心主義の徹底はありえないと言う考えである。
(日本で数十万人、世界で数千万人といったところだろう)
このことは繰り返し、「人口減らせ論」で述べてきたとおり。

★人口を減らせ論
http://blog.goo.ne.jp/cameleotino/c/920852491d01fb08a9f5af2701a9db51


が、
花里孝幸氏「自然はそんなにヤワじゃない―誤解だらけの生態系」(新潮社)
を読んで、もう一つ、新たな根拠を提示できるようになったぴかぴか(新しい)

まず生物学的な前提として、
「生殖可能な子」を残せるもの同士を『同種』としている。

ロバとウマで
ラバというハイブリッドを産むことは可能だが、
ラバには生殖能力がない。
このため、ロバとウマは別種となるのだ。

かつて地球上に存在した「ネアンデルタール人」も
現存のヒト(ホモ・サピエンス)とは
交配が不可能なことがわかったので、別種ということになる。


現在も、アマゾンなどの奥地で、
文明から完全に隔離された民族が確認されている。

彼らのDNA、あるいは我々のDNAが長年のうちに変化し、
彼らと我々の間で、交配が不可能になる可能性は十分考えられる。
そうなると、その民族はホモ・サピエンスとは「別種」となる。

人間中心主義では、ホモ・サピエンス以外の生物を上から目線で見下ろし、
保護したり駆除したり……やりたい放題行ってきた。

だから「別種」であるその民族も、
イヌやカエル、あるいは虫と同様の扱いを受けることになってしまうのだ。
なにしろ、ホモ・サピエンスではないのだから・・・・・・。
そんなことが人道的に許されないことは明らかではかなかろうか。

脱・人間中心主義は21世紀の大きな課題だクローバー

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メタンでできた積乱雲から雨が降る!

2018-01-13 | 自然科学

さきほど書店で、科学雑誌ニュートンを立ち読みサーチ(調べる)
木星の衛星「タイタン」には、海、そして雲が存在するという波曇り

タイタンは地球よりはるかに太陽に遠く、
よって温度もずっと低い。
水はとうてい液体では存在できないバッド(下向き矢印)

タイタンの海を作っているのは「液体メタン」だ。
地球上で、メタンは無色無臭の気体だが、
温度が低いタイタンでは液体となるのである。

そして、海からメタンが蒸発して雲を作り、
メタンの雨が降る。
タイタンでは、メタンでできた積乱雲(雷雲)も観測されているという雷

地球の生命を支えているのは液体の水だが、
仮にタイタンに生命が存在するとすれば、
液体メタンがその役割を担っているのかもしれない。

そう考えると、地球の常識では、
とてもじゃないが生命が存在しえないと思われがちな
低温下でも生命の可能性があると言えるではないか。


反対に、超高温の星では、
鉄が液体で存在して、海や雲を作る、なんてこともあるかもしれぬいい気分(温泉)

鉄の積乱雲から降る、液体鉄の雨、
体液が液体鉄ででき、高温に適応した生物……。


夢が膨らむ話であるぴかぴか(新しい)

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「発狂しそうな数字」の使い道

2016-10-26 | 自然科学

「大きな数」といえば、
小学校で「兆」まで習い、それ以降は学習しない。

参考資料としてそれ以降の数が
「無量大数(10の68乗)」まで載っていることが多い。

尤も、日本の国家予算がいずれ1京円に達しそうなので、
「京」までは学習する必要が出てくるかもしれない。

さらに無量大数より大きな数も、実は延々と存在はする。
(厳密には連続した単位ではないのだが)


以下、表を載せるが、これを見ると「無量大数」が可愛く見えてくる。
人間がまともに考えることができる数字の、いかにちっぽけなことか。
そんなことを実感させられよう。



ところで……こんな数、何に使うんじゃ!

宇宙の原子数でさえ、無量大数より桁数がちょっと多いくらい。
それ以上の数なんていらねんじゃね?という気がする。

たしかに「ものの数を数える」という場面では、
これ以上の数は使いようがない。

じゃ、こんなバケモノみたいな数をいったいどこで使うか?

「場合の数」である。

たとえば、
世界の70億人が一列に並ぶとすると、何通りの並び方があるか?

70億×(70億-1)×(70億-2)×……×1

という計算式になる。

とても計算したくないけど、こういう場面くらいでしか
無量大数以上の数なんて、とても使い道がない。

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「宇宙の果て」とは?

2016-10-12 | 自然科学



宇宙はどこまで続くのか?
「宇宙の果て」はどこか?

「宇宙の果て」があるとすれば、
その外側はどうなっているのか?

昔から、子どもの疑問の定番だわーい(嬉しい顔)
私自身も学生のとき、考えこんで眠れなくなったことがある台風

現代の子どもも同じようである。
この前も、担当してるクラスの女子高生が犇々と考え込んでいたし……。



結論を言ってしまうと、
宇宙の広さは有限だが、「果て」はない。
宇宙の大きさは約465億光年とされている。

※一光年:光速(1秒で地球を7周半する速度)で
一年かかる距離。約9.5兆キロメートル。


どういうことかというと、「宇宙は四次元に丸い」のである。

二次元に丸いのが円、三次元が球……。

仮に、二次元までしか認識できない生物がいたとする。
その生物を球面上に連れてくると、どう感じるか。

面積が有限なのに「果て」がない、
ずっと歩いてると、元いた場所に戻ってくる、
そんな球を摩訶不思議なものだと思うだろう。

その、もう一個上の次元が、四次元に丸い宇宙の姿だ。
フツーの人間の感覚だと、
体積が有限なのに「果て」がない、なんじゃこりゃー!であるウッシッシ

人間は三次元までしか認識できない生物だから、
四次元である宇宙の状態を、なかなかイメージできないのだ。

すさまじく性能が良くて、
何百億光年も先が見える望遠鏡を作れば、
望遠鏡をのぞいてる自分の姿が見えることだろう。

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宇宙人はいる!(きっぱり)

2016-09-11 | 自然科学



宇宙人は存在する!指でOK
そう断言していいと私は思っている。

なにしろ、この銀河系には太陽のような星が2000億個もある。
そして、そんな銀河が宇宙には1000億個以上もあるのだ。

太陽型の恒星が、一つしか
ハビタブル・ゾーン(生命居住可能領域)の惑星を持たないとしても、
『2000億×1000億』個も候補があるんですぜ!?


ではなぜ、なかなか宇宙人に出会えないのか?

人類の歴史はわずか2000年くらい。
宇宙138億年の歴史からみれば2000年なんて一瞬未満だ。

はるか遠くの天体からやってくるには、恐ろしい時間がかかる時計

仮に光速(1秒で地球を7周半する速度)でやって来ても、
一万光年離れていたら10000年、
十万光年離れていたら100000年……。

※光速を超えようとすると、質量が無限大になるので
理論上、光速を超えることはできない。


そして、そもそもだが、宇宙人は地球人と「物理的に」出会えるのか?

地球はすべて「物質」でできているが、
宇宙には、「物質」以外のものが存在する。

たとえば決して見ることができない「暗黒物質」。
もし宇宙人の体が暗黒物質でできていたら、
地球に来てもわからない。

もっと恐ろしいのが「反物質」。
反物質は、物質と出会うと凄まじいエネルギーを放出して、共に消えてしまう。

どれくらいのエネルギーを出すかというと、
アインシュタインが発見した、かの有名な「E=mc2」の式で表わされる。
つまり、人間一人で水爆以上のエネルギーを放出することになる。

地球に反物質が存在しないのは、
すでに物質と反応して消えてしまったからだと言われている。
反物質よりも物質のほうが多く存在したから、物質だけが残ったのだ。

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世界一信仰されてる宗教は意外にも……。

2016-09-05 | 自然科学


今、世界で一番信仰されてる宗教は何であろうか王冠
キリスト教でも仏教でもあるまい……。


以前、ホームページの雑記にも書いたけれど、
宗教と科学の違いは、「絶対的なものを認めるかどうか」である。

宗教では絶対的な「神」が存在するが、
科学には絶対的なものが存在しない。
すべてを疑ってかかり、証明しなければならない。

……というのは建前。
科学でも絶対的に信仰しているものがある。
それが「エネルギー衝撃だ。

エネルギーというものが存在することは示せないが、
エネルギーというものが存在すると仮定すると、
この世の現象すべてに、うまく説明がついてしまう。

※古典物理学でも量子力学でも、しれっとエネルギーというものが使われてる。

「エネルギー」を中心に世界を描写する世界が科学。
つまりは科学も宗教の一種といえるのだ。
(これ、高校の物理の授業で一番感動した話ですぴかぴか(新しい)

そう、世界で一番信仰されているのはまぎれもなく「科学」である。


科学にのめり込み過ぎると、
他の宗教の過激派と同じ過ちを犯すこともある。

たとえば「それは科学的じゃない!」という批判をよく耳にするが、
これこそ、「自分たちの宗教(科学的であること)が正義」、
「異教徒は許さん」という姿勢そのものといえるがく~(落胆した顔)

科学者が、往々にしてスピリチュアルなどをムキになって否定するのも、
その一環かもしれない。

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