デジタルの時代になり、情報をコンパクトに扱うことが可能になった。
書物何万冊に相当する情報が、
数cmの空間に保存できるようになったのである。
しかもその情報は、世界中のどこからでもアクセス可能にできるという……。
これをきっかけに「保存社会」になって欲しい。
文化財や国宝、世界遺産だけでなく、
保存できない特殊な事情がない限り、
なるべく多くのものを保存して、後世に伝えていって欲しい。
それが結晶化して人類の叡智となるのだ。
特にSNSやブログサービスなどは、
本人の希望がない限り、アカウント所持者死後も
情報をネット上に残していって欲しいと願う。
「遺伝学の父」であるメンデルも、生前はまったく評価されず、
「いつか私の時代が来る」と言いながら亡くなった。
宮沢賢治もゴッホも、生前は無名だった。
だが、彼らの著作物が残っていたからこそ、
後世にその凄さに気づくことができたのだ。
今では「便所の落書き」「どこの馬の骨か分からん輩の戯言」
とされていたものが、未来の重大な発見・名言になるかもしれない。
すべての人が、残したいと願いさえすれば、
著作物を後世へと残せるようになって欲しい。