生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

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台風7号が華麗に関東地方から逸れた原因

2024-08-17 | 天気・気象
940hPaという前代未聞の勢力
関東地方に上陸すると恐れらた台風7号。

もし上陸していれば、2019年の房総半島台風を上回る
大惨事になっていた可能性もあります。
(房総半島台風は955hPa)



しかし台風7号は、奇跡的に、直前に進路を北東に変えたため、
千葉県の銚子や館山すら
暴風域に巻き込まれない
ありさまとなった。

【最大瞬間風速】
千葉県銚子市:26.7m
千葉県館山市:20.0m
東京都心:16.3m


【24時間雨量】
千葉県大多喜町:171.5mm
千葉県勝浦市:158.5mm
千葉県鴨川市:156.5mm
東京都心:90mm




台風が逸れた原因はいろいろ考えられるが、
一つとしては、予想されたほど発達しなかったこと。



一般に台風は、太平洋高気圧の縁を進む。

台風は低気圧のなかまなので、上昇気流が起こって雲を作る。
太平洋高気圧は、高気圧なので下降気流で雲を消す。

台風で上昇させられた空気は、最終的に
太平洋高気圧で下降していくので、
台風が発達すればするほど、
つまり上昇気流が強まれば強まるほど、太平洋高気圧も強化
される。

すると、太平洋高気圧を避けるように
台風の進路も西に寄っていくというわけである。

今回は940hPaまでなかなか発達しなかったため、
太平洋高気圧の勢力が予想より弱めになり、
進路が大きく東に逸れたと思われます。

台風と一般の温帯低気圧の違いは、
風雨が強い範囲の広さです。
台風では、温帯低気圧に比べてかなり暴風域が狭いので、
ほんの少し進路をはずれるだけで、だいぶマシになります。


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