2021年7月19日、厚労省はコロナ治療薬として中外製薬が申請した「抗体カクテル療法」
で使う新薬「ロナプリーブ」について、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に
基づいて正式に薬事承認した。国内4例目で、軽症者対象の治療薬
としては初の承認となる。
すでにアメリカで2020年11月21日に緊急使用許可を取得し、同様の許可はドイツや
フランスでも取得しているが、これらはいずれも正式承認前の緊急避難的措置。
いわば「仮免許承認」とも言える。正式承認されたのは日本が世界初。
入院または死亡リスクが約7割減ったとされる。 政府はこの新薬を20万回分調達
する予定で、すでに7万回分を確保。医療機関に無料で配布を始めたという。
それまでに承認された新型コロナウイルス感染症(COVID19)の治療薬は下記の3例で
いずれも別疾患の治療薬を転用したものです。
1)抗ウイルス薬「レムデシビル」
2)抗炎症薬「デキサメタゾン」(ステロイド薬)
3)リウマチ薬「バリシチニブ」(ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬)
抗体カクテル療法「ロナプリーブ」についてもう少し詳しく見てみたいと思います。
抗体カクテル療法では、2種類の抗体「カシリビマブ」「イムデビマブ」を組み合わせた
点滴薬を投与する。国内では、重症化リスクを持ち、酸素投与を必要としない軽症者の
入院患者を対象に使用する。逆に酸素療法を必要とする患者には効果なし。
海外の臨床試験(治験)では、入院や死亡のリスクを約7割減らす効果が確認された。
感染したトランプ前米大統領への治療に使われたことでも知られる。米リジェネロン・
ファーマシューティカルズが開発し、中外製薬が国内での販売を担う。米国では
昨年11月に緊急使用許可が出ており、日本では今年6月に承認申請されていた。
小児への投与は不可。
〈抗体カクテル療法〉 細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入してきた際に体を守る抗体を人工的に作り出して、薬として利用するのが抗体医薬。これを複数組み合わせて利用するのが抗体カクテル療法。抗体医薬はがんやリウマチの治療薬として各国で広く承認されているほか、米国で承認されたアルツハイマー病新薬にも使われている。
さらに詳細は下記の中外製薬のサイトに記載されています。
中外製薬ではコロナ治療薬として次のような取り組みをしているようです。
1)関節リウマチ薬「アクテムラ」年内の承認を目指している
2)ロシュから取得した経口薬「AT-527] 国内での治験を検討
3)抗体医薬品 シンガポールの政府機関と共同研究中
上の2枚の写真は8月3日 夕方の4ch(MBS)のテレビ番組で紹介されたロナプリーブ
報道例:
NHK:抗体カクテル療法 自宅療養者への使用優先を国に要望 千葉県 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
MBS:重症化防ぐ「抗体カクテル療法」取り入れた病院では“発症から日が浅い患者”に効果か | MBS 関西のニュース
ミクスOnline:新型コロナへの「抗体カクテル療法」 入院患者受け入れ医療機関に配分 ホテル療養は現時点では対象外 | ニュース | ミクスOnline (mixonline.jp)
日経ビジネス:第4のコロナ薬「抗体カクテル療法」、疫病との闘いが変わるか:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
関連サイト
神戸市 「抗体カクテル療法」開始 今後1日10人ほどに投与できるよう体制整備へ(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
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