兵庫県たつの市神岡町奥村&北横内の愛宕山(168m)の南麓に奥村廃寺がかってあった。
2023年4月19日に揖保乃糸資料館を訪問する際に愛宕山南麓の荒神社の入口に奥村廃寺跡の
説明版が掲示されおり初めて奥村廃寺の存在を知った。
本ブログでは奥村廃寺の発掘調査等をレビューして纏めてみた。
現地説明板の説明文(平成14年(2002)3月、龍野市教育委員会が作製)
奥村廃寺跡
この地にはおよそ1,300年前、7世紀後半から8世紀にかけて存続した古代寺院がありました。
寺は奥村廃寺と名付けられ、発掘調査によって中央に金堂と東西両塔、その北に
講堂と推定される伽藍配置が確認されました。こうした建物の配置は、全国で三例しか
知られていない珍しいものです。
寺域は一辺が約150mの方形と推定され、寺の前面には古代美作道が通っています。
発掘によって出土した瓦は、軒丸瓦13種、軒平瓦16種、鬼瓦3種におよび、
渡来系の文様を持っていました。とりわけ、手書き唐草文は珍しいものです。
「播磨風土記」に記された「上(神)岡里」で活躍した渡来人の足跡がこうした
寺院の存在からも偲ばれます。
上の写真は現地説明板の「寺域と伽藍配置」
金堂の両脇に塔を2基持つ双塔伽藍が極めて珍しく奥村廃寺の他には次の類例のみです。
1)新治(にいはり)廃寺(常陸)
2)三ツ塚廃寺(丹波)
詳細は下記のPDFファイル
3)来美(くるみ)廃寺(出雲)
塔を支える心柱を受ける礎石(塔心礎 )は 龍野歴史文化資料館で保管、展示 されています。
写真及び解説は下記サイトで見ることができます。
上の写真は奥村廃寺跡のイメージ図 出典:たつの市2007
上が北側。西塔の西側には僧坊?と思われる建物跡も発掘調査で確認されています。
金堂:東西17m×南北14m
東塔:金堂の中心から20m東に塔心礎 基壇は瓦積基壇(渡来系寺院の特徴)
西塔:金堂の中心から21m西に塔心礎 基壇は瓦積基壇(渡来系寺院の特徴)
講堂:金堂の背後の愛宕山山麓に一段高くなった平坦面があり、現在は荒神社の参道がある。
3個の礎石が確認されています。
上の写真は現地説明板 出土軒丸瓦・軒平瓦 復元拓本
上の写真はGoogle地図の上に奥村廃寺の寺域を赤サークルで示した。
上の写真は兵庫県文化財調査報告第347冊「姫路新宮線緊急地方道路整備事業に伴う発掘調査報告書」
の広域遺跡地図に書かれた41「奥村廃寺跡」を示したものです
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