3月24日(木)夜は、沖縄平和ネットワークの学習会で、今回の国と県との「和解」と今後の課題について説明した。3月4日の「和解」後、もう6回目の講演となる。今日は、参加者は40人ほどと少なかったが、質疑応答を含めて2時間近く、たっぷりと話をさせてもらった。
今回の「和解」については、特に和解条項の第9項「その後も同趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを相互に確約する。」をめぐって議論が沸騰している。政府は、この条項により、もし今後の「是正の指示」の取消訴訟で県が敗訴した場合、県はその後の埋立阻止の対抗手段を全て封じられると主張している。一部の識者らからも同様の批判の声が出ている。
これに対して、知事や県の弁護団は、「この条項は、是正の指示の取消訴訟判決に限られ、その他の裁判、権限には効力は及ばない。」と説明している。
この問題について、私は、まず、もし県が裁判に負けて工事が再開された場合、知事が持っている権限、すなわち「承認の撤回」や今後想定される「設計概要変更申請」等の内容を具体的に説明していく。防衛局が埋立事業の中で違法行為を行えば、「撤回」につながることは当然だ。また、知事は「設計概要変更申請」に対して、それぞれ、環境への影響等、法令の規定に基づいて要件審査をする。それが今回の「和解」により、違法適法の判断もなく、知事が全て無条件にOKとすることなど有り得ない。美謝川の切替や土砂運搬方法の変更等、具体的な話をすると分かってもらえることが多い。
ともかく、今回の和解条項の第9項は、決して政府の言うように、裁判に負けた場合、知事は埋立事業に協力するということにはならないことは明らかだ。
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夜が遅くなったので、翌25日(金)は少し遅れて辺野古に行った。辺野古の浜が騒々しいので出ていくと、米兵たちがボートや水上バイクで走り回っている。私服の若い女性たちを乗せていることからも、訓練ではなく、遊びだろう。それにしても凄まじい轟音だ。
ゲート前の座りこみ現場に行く。昨日、今日と参加者が多い。「和解」で工事は中止となったが、ゲート前には相変わらず多くの人が集まっている。マイクを渡されたので、今日は、特にフロートの撤去問題に関連して、まず臨時制限区域の指定を解除させようと訴えた。一昨年6月、日米合同委員会が開かれ、辺野古新基地建設事業の工事施工区域を日米地位協定第2条4項(a)に基づく日米共同使用地として一方的に立入りを制限した。今回の和解により、埋立承認の取消が復活したので、もう、この臨時制限区域指定の根拠はなくなった。県は、フロートの撤去を求めることは当然だが、その前に、臨時制限区域の指定を解除するよう政府に要請しなければならない。
この問題については、詳しくは3月15日のブログを参照してほしい。
(ゲート前で今回の「和解」について説明する徳田琉球大学教授(3月24日))