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三カ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。それともモモちゃんのように「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と諦観できるだろうか。今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマに直木賞作家が描く衝撃の本格小説集。
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ラブレス・・・かぐや姫
ロケットの思い出・・・花咲か爺
ディスタンス・・・天女の羽衣
入江は緑・・・浦島太郎
たどりつくまで・・・鉢かづき
花・・・猿婿入り
懐かしき川べりの町の物語せよ・・・桃太郎
最後の解説を読んで、あーそういうこと・・・
「読者は最初、昔話に材を採った連作集として本書を読み始めるはずだ。しかし読み進めていくにつれて、各短編が微妙なリンク構造によって連係していることに気づくことになる。」 まったくもって、そうでした。
解説を読んだらもう一度読んでみたくなって、さら~っとさらった。なるほど・・・
昔話の 鉢かづき と 猿婿入り は知らなかった。
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