森のなかまと楽しい10Holes

手のひらにすっぽり隠れてしまう小さい楽器10Holesについてボチボチと

ようこそ

まとめ:ハーモニカのお手入れについて
まとめ:ハーモニカの調整について

申し訳ありませんが現在ハーモニカ調整に関する技術的な質問にはお答えしておりません。質問して頂いても無視することもありますので予めご了承ください。

Emboss エンボス そして近藤楽器

2010-05-30 18:22:54 | ハーモニカのカスタマイズ
全国300万人のハーモニカファンの皆さん感動も醒めやらぬ間もなくエンボスです(笑)!

エンボスとは何をするかというと。。
スロットの幅を狭くして、リードとの隙間を狭くすることで息漏れを減らし、効率よくリードに空気を割当てレスポンスを良くする事です。Sizing, Narrowing等とも言います。

その効果は凄まじく、これが同じハープなのか?とにわかに信じがたいくらいです。
空気漏れが少なくなるので当然ベンドもスムーズになります。音色もリッチになります。
OverBlow/Drawをスムーズに行うには私は必須だと考えています(SuzukiのManjiは最初から相当狭くなっていますので不要でしょう)。

適切に調整されることでメタクソ難しい#10の1Step BlowBend(C-HarpではCがBですね)が小音量でも可能になります。

もちろん、吹き方がきちんとしていないと鳴ってくれませんが、それでも今まで出来なかった事、やり難かった事ができるようになり、より高いレベルの演奏にチャレンジできるようになります(音楽性の話ではないからね)。

どうやるかというと。。
リードの上からアールの付いた金属を押しあてスロットを潰していきます。

TinusさんのページとImproving on a Good Thingは見ておいて下さい。有用な写真が沢山あります。


どきどき


一気にやらず、何回もやるので力は入れすぎないでね


おぉ、神よ。。


真っ直ぐやっているつもりでも、結構片効きしているので向きを逆にします。


赤いマークはスロットの角が潰れ綺麗な地金がでてキラリンと光っています。全部のリードに行います。

凹んだリードが痛々しいです。こんな事になるんだったらやらなきゃよかったという時間です(笑)。

リベットに近い所は当然リードも押し下げられるのでGap、アーチも崩壊してしまいます。またこの付近はエンボスの効果を付け難いところです。

しかし、エンボスは。。。私の経験上のはなしですが。。先端よりも根元の方を念入りに付けると、良いようです。
Squealingとよばれる(高いキーのハープで#3のベンド、#10のベンド、OverBlowでリードを停止させたと時に聞こえる)「キーーーーーン」という音が、出にくいのです。

Squealingを止めるには、
・良いベンド、OverBlowテクニックを磨く
・BeeWax, NailVanish等でリベット根元に細工する。
PLANET HAPR Do it yourself
・Gapを下げる(経験的にはリードの根元を僅かにスロットに沈ませる)
HohnerのClassicシリーズ、Heringは比較的おき難く日本勢はかなり発生します(ただしSuzukiのFireBreath以降はおき難くなっています)。
また話がながくなりそうなので、Squealingは切り上げます

写真はとれなかったのですが、エンボスは自分で回数を決めて(5回とか)こすったら、光にかざしてリードが触れていないかを確認します(Tinusさん、Kinyaさんの写真をご覧下さい)。もちろんPlinkingで音もたしかめます。
力を入れ易い先端部ほど触れて欲しくありませんので気をつけましょう。
もし、Plinkingしてリードとプレートが当たってしまったら、0.004mmのThicknessGauageを差し込んで潰れた箇所をならしてあげればOKです。



リカバリはあまりやりたくない作業なので細かくチェックしながらやりましょう。

念入りにやった分だけ効果がでますのでギリギリまでねばりましょう(リード調整の後にエンボスするのは結構むずかしいので今のうちに)。

ここから、私のオリジナル(既にやられている方いたらゴメンなさい)ですが、スロット裏面にもエンボスを付けます。
特に表では出来なかったリードの根元の方はリード振動中もぶつかりませんので結構やっちゃってください(先端部は程々に)。裏面をエンボスするだけでも結構な効果を私は感じました。
#「はぁん?何それ?」と思われる方は別にやらなくて結構です。

さて、エンボスが終了したらGap,アーチをつけるのですが、スロットにめり込んだリードを見ると結構腰が引けます。。

余計な力や作業をしないためにも、しつこくPlinkingでリードを現在の姿に戻してあげて下さい。そこからスタートです。

エンボス後のリードは根元の方が沈んでいますので、アーチよりも先にこれを戻す事から始めて下さい。やりかた自体はGap, アーチ付けと基本的に同じです。
ただより忍耐が必要になっただけです。
Plinkingとベインの神の祝福があらことを。。

とりあえずお終い。


もう既に終わってしまっていますが横浜球場のチューリップ祭りの一枚です。大人のチューリップのなかに子供チューリップがウロチョロしているようで可愛いらしいです。

以下地元ネタで申し訳ない。。

大桟橋通りを横浜球場まで歩き、右に折れるとヨーロッパの甲冑鎧が表に出ている「コーヒーの大学院」という凄い名前の喫茶店があります。
サイフォンでコーヒーを入れてくれるのですが、これが美味い。ランチのカレー、ミートソース、ハンバーグに極めつけは海老フライ。
そんでもって奥にはVIPルームがあるのですが、ネットを調べれば写真がありますのでドーゾ。
大抵のカップルは色々な意味で驚いています。物珍しげに写真を撮っています。うふふ。
日曜日は定休日です。HPもあります。左横のブックマークからどうぞ。。。

かつて伊勢佐木町には「近藤楽器」というハーモニカ専門店がありました。
色々な意味で驚嘆と人情味あるお店でした。
もう既に閉店されてしまったのですが、当時通っていた人は大学院にいかれると良いでしょう。
オッチャン(失礼オニイサンと言わないとね)がいらっしゃいます。
今週は寒かったので来週CrossOverのBb取りにいくからね(寒い時に寒い事聞かされると辛いよね。。って私もか。。)。
#ブログ書いているばあいじゃないね。。
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Gap, Reed Profile調整

2010-05-30 16:34:02 | ハーモニカのカスタマイズ
まず初めに。今お気に入りのハープでは試さないで下さい。
使い古し、もしくは失敗してもなんとか気を取り戻せるような値段のハープで試して下さい。
お気に入りのハープを調整するまでは暫く修行してみて下さい。

■アーチング
リベットの根元から先端までできるだけ真っ直ぐにします。
リードの底がスロットにギリギリ沈まない位を維持し、先端1/3から1/4程度の所から僅かに頭を出し始めるようにします。
1/3位から急に曲げるのではなく、リード全長に渡って円弧をつけるのが私の好みです。
一発でアーチさせてはいけません。
やさしく、根気づよく様子をみながらマッサージしてあげます。
ヘラを差し込むときやマッサージする時はリードを捻らないように気をつけましょう(ヘラを傾けて入れて作業するとなりがちです、多少ならリカバリできます)。

また、リードはバネの性質があります。アーチを付けても振幅させると元の形に戻ろうとしますので、
 ・アーチを優しく付ける
 ・plinkingをする。
  リード先端をReedLifterやヘラで持ち上げ離すと「べいーん」と音がします。これでリードは今あるべき姿にリセットされます。

これを繰り返す事で少しずつ、リードの形が落ち着いてきます。
Plinkingをしないと吹いている最中にリードが今あるべき姿に戻ろうとしてしまいますので、作業中に自分の姿を認識させておくわけです。

ちなみにPlinnkingの時の「べいーん」という音から、リードを調整することを「べいんべいん」と言うのは有名で東横線車内では「昨日べいんべいんしたんだけどさぁ」という会話がよく聞かれます。。はい。嘘です。

●アーチのつけ方

見ての通りです。
リード先端からヘラを入れ、リード根元を親指で押さえながら全長方向に優しくマッサージします。
同じ所をずーっとマッサージしたり、力を入れ過ぎたり、ヘラを立て過ぎたりすると、リードに折り目が付いてしまいますので、適当に動かしながら行います。
リードによって固さも違いますし「何回」やれば良いということは明確に言えません。
言えるのは「優しく、何回もかけて」行う事です。

ヘラを入れて

爪でマッサージ。ヘラとリード間に出来ている隙間の所は強く押すと簡単に折り目がついてしまいますからね


これは道具を使って行う場合です。道具を使う場合はピンポイントで攻められますが、慣れないとこれまた折り目をつけてしまいます。最初は指で始める事をお奨めします。

また、アーチを付け過ぎた時も慌てて修正を始めないように。
Plinkingすることで現在の姿を確認してからで遅くはありません。

アーチによって出来るGapは音程が低い方が高く、音程が高い方に向かって徐々に低くなるようにしましょう(あくまでも基本です。目的によっては基本から外れる事も必要でしょう)。

ちなみに、全部のリード(つまり20本)に対して行います。1-2時間はみとくとよいでしょう。
「えーっ」という方(私もそうでした)は#1-6の穴、それも「えーっ」という方は#2-3(4)から始めて見て下さい。

大切なのは「吹吸い両方のリードを調整する」です!

●アーチの取り方

これも、一カ所をネチッこく攻めないように全体に渡って行って下さい。
SuzukiのReedLifterはこういう作業の時に都合がよいのでおすすめです(LeeOscarのは尖っているので向きません)。
無い場合は、ネイルアート用の木製ウッドスティックであれば尖っていてもリードを痛める事はありません(Kinyaさんのページで知りました)。
TinusさんのYouTube(over.comのページで見られます)にこの作業が出ています。慣れていらっしゃる方なのでサクサク進められていますが、これから始められる方はもう少しビクビクしながら進められると良いでしょう。

これもマッサージする度にPlinkingしましょう。
普通にPlinkingしても良いのですが、私は爪でリード先端をスロット内に入れて、スロット裏面からヘラを入れて逆アーチ状態にしてベイーンとやる事が多いです(アーチを取るる、Gapを微妙に減らしたい時など)。

このテクニック(という程ではないですが)はテンションの掛け方によってはGapを少しずつ減らしたりという事もできますので頭の片隅にでも入れておいて下さい。

これも折り目を付けずに、山にしてしまわないように気をつけましょう。

■Gap調整
適切にアーチを付けたらGapは既に調整されていますが、なかなか上手くいかない事もあります。

実際にハープを仮組して実際に音を出してみましょう。
仮組にあたってはクリップバイス等(洗濯バサミの強いやつ)で固定してもよいですが、ネジを全部ではなくてよいですから数本軽く締めましょう。カバーは手で押し付けながらもてば良いです(うんちくは後述)。

・ストレート音は詰まる事無くでますか?
 詰まるようならヘラをリードの根元から全長20%程度まで入れてGapをあげます(そしてPulinking)。アーチは崩さないように行います(場合によっては付け直すことも)。

ヘラを差し込んでGapを高くします。

 逆にスーカスーカしている場合アーチが適正ならばGapを下げます。リードの根元を少し押して下さい(そしてPlinking)これで先端が沈む事は無いはず(リードが山になっていた場合は除いて)ですが、必要ならアーチを見直しましょう。

リードをアーチさせているようで、あまりよくない写真ですがリードの根元を親指でプッシュしています。一気にやらないでね。

・ベンド音のつながりはどうですか?
 滑らかに音が繋がらない、空気がシューシューもれる場合はアーチ量が多い事が多いです。また、同じ穴の別のGap,アーチを見直しましょう。それでも漏れる場合リードとスリットの隙間が大きいようでしたらエンボスが必要になるかもしれませんが出来る限りの事はやってみましょう。

・音の粒はそろっていますか?
 和音で音量やレスポンスを確かめます。がこれが中々難しい、吹き方が出来ていないと正しく判断できませんので、単音レベルでゆっくりグリッサンドして確かめてみて下さい。滑らかに音が出ない場合、隣あうリードとのGap,アーチ量が滑らかに変化していないか、同じ穴のもう一方のリードに原因があります。

■最終調整
仮組でそこそこGap調整を行ったら、今度はきちんとネジを締めて組み立てます(カバーは相変わらず手で押し付けるのでOKです)。

さて、どうですか?
ネジを締めすぎるとプレートが歪みリードの開き具合も結構変わってしまいます。
元から反っているリードプレートは更に厄介です(Heringがこのタイプ)。

仮組のときと変わらないようであれば良いのですが、違うようなら微調整をします。
ReedLifterを使いながらハープの前前後からリードのあげみを調整していきます。目で見えない作業ですし、間違えて隣のリードを調整してしまう事もありますので注意しましょう。

吹きリードは大変。マイナスドライバがリード根元を押さえてLifterでリードの裏からアーチを付けています(後からアーチと命名。。どうでもよいか)。

吹きリードのGap、アーチをあげたときはPlinkingが表面から行えないので、根気が続けば一旦バラしてPlinkingのみをしてあげると良いでしょう(もしくは僅かにGapを高くしてくみ上げ後に微調整しやすいようにするというのも手ですね)

チェックは極力カバーを付けた状態で行いましょう。カバーのあり/なしは結構影響あるのです。

さて、以上がGap,ReadProfileの調整でした。

いかがでしたか?
最初から上手くできるものではありませんので、慣れが必要です。また演奏技術の向上に伴いベストなセッティングも徐々に変わってきます。

「ほぇ~こんなにメンドクサイのぉ~?」はい。正直面倒です。首にファイテン巻いて、クリームでも付けていないと首痛くなります(ファイテンって良く効きますねぇ)。

でも、自分にしっくりくるハープを一度でも体験してしまうと、この面倒を乗り越えてでもセッティングしたくなるのです。
「普通こんなことするの?」とかみさんが聞きます。
「うん。女子高生は普通にしてるジャン」と開きなおっています(数少ないハープ人口のうち本当に数%でしょうね)。

JasonRicciさんの素晴らしい演奏も卓越したテクニックと夢のように調整されたハープから生み出されています(あとはとんでもない量の練習と努力ですね)。
#海外ではカスタムハープは日本よりは一般的なようです。

書ききれていない事や、誤解を招くような表現があるかと思いますが、あればご指摘願います(追記や修正があればタイムスタンプを変えて更新しますね)。質問等もあればお気軽にどうぞ。英語圏では活発におこなわれていますね(適切にお答えできるかは定かではござんせんが)。

何度も言いますが、時間もかかり、繊細な作業なので邪魔の入らないときに(かみさんが寝ていたり外出中とか)ゆっくり焦らず、根気よくやる事が大切です(遊ぶときは遊ぶとっ!)。

もしハープの調整によって、新たな演奏の自由を手に入れられるたら、これに勝よろこびはありません。書いた甲斐があるってもんです。
ガンガンチャレンジして素敵な楽器と音楽をつくり出していって下さい!

それではレッツトラーイ!
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Reed Profile

2010-05-30 13:28:26 | ハーモニカのカスタマイズ
ベンド音のつながりについて少し修正しました(13:28)

前々回に高さについて書きましたがリード・プロフィール(横ツラ)については説明していませんでした(図を書くのが面倒だったので)。
これも説明しておかないと話がヘンテコリンになってしまいますので書きます。


ReedProfile(手頃なドローツールが無くてExcelで書いたさ。。未だにお家ではmac v.X)
#かみさんが図をみて「こうやって寝ると背中痛くなるよね。出来るだけまっすぐ寝ようね」と言われました。。

Aが基準となるプロフィールです。絶対ではありません。
リベット根元からスロットに沈まずないように出来るだけ真っ直ぐに伸びてゆき、終端で付近で僅かにアーチを描いてGapが出来ているのが理想的だと思います。
前々回紹介したHeringMasterBluseはリベット根元からスロットを離れ始めて横から見ると鋭い三角形がありました。これでは空気が漏れて効率よく音が出せません。

ここでいう空気漏れとは、リードが発音する時は勿論のこと、同じ穴にあるもう一つのリードが鳴るとき、つまり発音しない時にも隙間ってしまうのです。
レスポンスの悪いハープは意図せず空気が漏れる音がします(シューッ)。
なので、どのリードも出来るだけ理想的なプロフィールにするようにすれば、レスポンスの良いハープに仕上がるのです。

Bの絵では極端ですが、リードの厚みの半分にスロットに沈むと急に音がでなくなりますので注意が必要です。
先端を幾ら弓反り(アーチング)させてもスロットに沈んだ箇所があると、ちょっとした事でリードが止まってしまいます。
ただし、私は根元付近で僅かに沈ませたりします。それはまた後日。。

Cはあまりないかと思いますが、見ての通り空気が漏れまくりになります。他に理由もないですが、わざわざ試す理由は特に無いとおもいます。

またクドイ話になりますが、同じ穴で別なリードが鳴っている時は、出来るだけ隙間を作らない事が重要です。
一番良いのはアーチを描かずに完全にフラットで、先端もスロットに埋没していれば良いのです(ゼロGap)。
実際HohnerのXB-40はそういうリードが入っています(これを考えた人は頭よいというか凄い情熱の持ち主ですよね)。
XB-40がどうしていたるところでベンドできるのかは遠い未来にでも。。

しかし、真っ平らでGapの無いリードは普通に吹吸いしても発音しません。風見鶏のように風にたなびくだけでしょう。
これに僅かにアーチを付ける事によりリードは振動し出すきっかけを得られるという理解です(ここは確固たる根拠なし)。
なので空気漏れを少なくしたいため私はなるべくアーチ量を少なくしています。

もうひとつクドい話を。。
C-Harpの#3を例にしてみましょう。
ストレート(B)ではシューッという空気漏れ音がしないのにBbになりかけてからAまでシューッと空気がもれだし、Abまでさがると空気漏れが収まるというような現象があります。一般的にどう呼ばれているかわかりませんが、私は「ベンドのつながり」がよろしくないと勝手に命名しています。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、10Holesのベンドは吹吸いのリードが一緒に振動して行われているのです(深くつっこまないでね)。
B: BlowReed:停止 DrawReed:最大
Bb: BlowReed:最小 DrawReed:やや小さく
A: BlowReed:ちょっと大きく DrawReed:さらに小さく
Ab: BlowReed:もっと大きく DrawReed:最小

こんな感じで二つのリードが反比例で振動してあの独特の音がでるわけです。

例にあるBbからAで空気が漏れるのは、吹きリードが鳴り始めると吸いリードは鳴ると同時に、もう一方のリードのために空気を効率よく遮断する任務が発生します。
アーチが付き過ぎていると漏れる空気が多くなり(しかも両方のリードがそうだとするとかなり大量に)ロスが多くなるのかと思われます。

少ない経験ですが、必要以上にアーチ、または必要以上に高いGapをつけるとベンドのつながりは悪くなる傾向があるかと思います。
また低すぎてもベンド音が遷移する区間が短くなりすぎ、なめらかに遷移させるのが難しくなります。
テクニックでカバーという話もありますが辛く感じるのであれば楽器の特性を合わせた方が幸せかと思います。

この事については良い資料がありますので紹介しておきます。
Seydel Tip 37 >>Practice: Better bending control

・互いのリードのGapが大きすぎないか?
・吹きリードのアーチが少なすぎないか?
・やたら弓反りしていないか?
・リードが山状になっていないか?
・一旦リードが沈んで激しいアーチが重なり適正なGapのように見えていないか?

一概にこうすれば良いです。というチャートは示せませんが、何らかの原因があるはずですので、月並みな言い方ですが、よく目で見て、耳で聞き、吹いて感触を確かめながら根気よく行うことが必要です。

最後に。。
Profileを作るうえで「折り目」は付けないように注意しましょう(つけても何とかなりますが、つけないに越した事はありません)。
なだらかに、ゆるやかにが信条です。

今回写真すくないなぁ。。
えいっ!

ツーンとおすましの港が見える丘公園のニャンです。後ろの子供が水をあげたがっていましがママに止められていました。もう2年も前のことなんだなぁ。

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楽しきかなハープ調整の道具達

2010-05-29 22:21:29 | 道具
文字ばかり書いていたら疲れました。。
調整の前に、楽しい道具を紹介します。


お気に入りの道具を玄人っぽくロールケースに入れています。カックいいでしょ?気分が盛り上がるだけでもモチベーションがあがります(購入までに半年以上迷いました)。slip-on(snaponじゃないよ)の製品です茶色に見えますがナチュラル。最初はアイボリーみたいな色が2ヶ月もせずにここまで色気付きました(ぽっ)。先々楽しみです。

広げるとこんな感じです。

前に紹介したPBの精密ドライバPozi#1,プラス#1,マイナス#1等が入ってます(うふふ)。


これらが私がGap調整に使っている道具達です。

1.ThicknessGauage
 隙間を計るための道具ですね。ホームセンタで400円位でした。私の買ったもので一番薄いのは0.04mmでした。色々なサイズのものが入っています。もう少し高いのであれば、ネジを外してバラで使えるようなものがあります(STAHLWILLEとか使ってみたいねぇい)。
 薄い物はエンボスし過ぎた時にスリットとリードの間に差し込んでゴシゴシすると、リードに触れてしまった箇所をならしたりに使います(もう少し先の話だなぁ)

0.04mmはこんな風に使っています(overblow.comのTinusさんのビデオを見て成る程と思いました)ちなみにエンボス中なのでリードがあり得ないほどにスロットにめり込んでいますね。マイガー!。

 厚い物は下にあるヘラの代用に使えます(LeeOscarのキットには0.203mm(0.008inch)が入っていました)。

2.スパナ
 【MS2-032】 KTC コンビネーションレンチ 3.2mm
 【S2-05507】 KTC 両口スパナ 5.5x7mm
 3.2mmはHohnerのリードレンチとしても使えますが、主にリードをマッサージする時に使用しています。
以前紹介したKinya PollardさんのThe Tao of Harmonica Customizingで紹介されていた「Brass flat strip .064 x ½" x 6"」の棒の代わりです。両口のものは異なるアールが得られるのでリードを反らせる時に使い分けています。また、エンボス時にも音叉と使い分けています。

 「KTC」車好きにきくと「ブランド品だねぇ」と一言。確かにちょっとお高めなので別にKTCでなくても良いのですがメッキが綺麗なのでリードを相手にこするには良いです。

リンク先には私の長ったらしいレビューがありますが、気に入らなければ見なければ見ない方が良いです。また単にこのお店が好きなだけなんでアフェリエイトとかは関係ないです(別に個人でやっているんだからアフェリエイトとかでも良いんですがね。なんとなく)。

3.ヘラ(スクレイパー、ケレン)
 近所のホームセンタで400円ぐらいで購入。塗装を剥がすスクレイパー等の所にありました。
 厚さがテーパーになっていて計ってみたところ先端部が0.02Xmmでブレード自体は0.25mmでした(Kinyaさんのところでは0.002inch=0.05mmとかかれていたのでまぁ似たようなもんでしょう)。
 私がGap調整を行う際は、必ずこのヘラがリードとスリットの間に入るようにしています。#10の穴ではもう少し薄くても良いかなと思います(先端部を研げばよいんですが面倒なのでやっていません)。
なおKinyaさんはGapを0.05mmまでにしろとは言っていません。あくまでもGapやチューニング時にリードを保持するために使用するとしか書いていませんので念のために。。

 先に説明したThicknessGaugeでも代用できますが、柄が付いているので作業がし易いのでこちらを使用しています。

4.ReedLifter
 写真はSuzukiのものです。ツールキット単体ではなく豪華なSUZUKI 10HC-12(10Holesケース)を買ったら付いていました(というかこのReedLifterが欲しかったので買ったという話も)。
 LeeOscarのReadLifterは先が尖っているのですが、Suzukiのはそのままリードをナデナデできるようになっているのでかなりお気に入りです。

Suzukiばっかり贔屓でだしてLeeOscarの写真もだせよっ!すみません写真撮り忘れました。。

LeeOscarのは先が尖っているだけにクロマチックの調整をする時にバルブをかき分けてスロット内に入れるのが楽だったりするのでどちらも手放せません。
どちらもカギ状では無い方はヘラになっています。plinking(リードを「べいーん」と弾いてリードを落ち着かせる作業)などでも使えます。LeeOscarのものは楔状になっているので効率よくGapを上げるのにも良いですね。

作ろうと思えば作れるしろものですが、なかなか良く出来ているものなのでハーモニカメーカに少しでも潤ってもらうためにも余裕があれば両方購入できるとよいですね(消耗品ではありませんがバラ売りしてくれれば数本欲しいところです)。
ちなみにSUZUKI 10HC-12は定価9,450円(高価ですね)。一方Suzuki ハーモニカ修理工具セットは3,675円で差額が5775円。まぁ、ケース付属のツールはLifter、ヤスリ1本、プラスドライバだけですが。。

とは言えバラ売りされていないので購入にはキツイ時もあるでしょう。その時はゼムクリップやヘアピンをL字に曲げて代用すれば良いでしょう。ヘアピンは先端が丸くてリードに傷をつけ難いのでよく使っていました(スリットとリードの間に挟んでしまう厄介ですが)。

5.音叉(Folk)
 Gap調整では使いませんが(スパナが無い時はこれで代用していました)エンボスの時に使用します。チューニング用には殆ど使いません。もっぱら電子チューナ(今は安くて良い物がいっぱいありますね)です。

さて道具の紹介でしたが、いずれも代用品や、より良いものがあるかと思います。私も常に何かないか探しています。
こんなものがあるよと教えて頂けたら幸いです。

最後に。。最近赤丸急上昇で大人気(私的に)のグッズです。

いでよっ!でんでんくーん!

呼ばれて出ましたじゃじゃじゃ~ん(古)

マイティブライト/譜面台ライト Xtraflex Duet 2
マイティブライト/譜面台ライト Xtraflex用オプション Light Cradle (ライトクレードル)

YamahaTradingが取り扱う譜面台ライトです。最新式のLED4灯モデルです。
譜面に挟めるようにクリップがついていますが、専用のクレドール(別売)に合体することで、卓上用に早変わり(無くても卓上使用できますが安定が悪いのです)。

ハープの調整作業は結構細かいのです。また私は台所のテーブルで作業するので思ったような配光にならず結構つらいので手頃な灯をさがしていたのでした。
そんなの、読書灯でよいんでないの?と思われるでしょう。
実際使ってみると電源コードを取り回したりしないといけませんし、何よりもブラスが光を反射して眩しいし、狭いテーブルの上で結構じゃまなのです。

一時期LED懐中電灯を適当なフレキシブルホルダ(「せぼね君」というものとか)につけて使っていたのですが、懐中電灯の配光は拡散光のモデルでも真ん中が遠くを照らすようにホットスポットというものがあるようで使い勝手が今ひとつでした(また最近はルーメン(明るさ)競争ばかりで気が変になりそうなくらい明るい。手元作業用として5-10ルーメンのラインナップも充実して欲しいよな)。

ところが、この「でんでん」くん(なんとなくでんでん虫ににていることからかみさん命名)、非常にフラットな配光でムラがありません。
触覚は自由に動くフレキシブルですので、あっちにホイっ、こっちにホイっと思うままです。

二つの触覚の頭にClickスイッチがあり、それぞれ1Clickで2灯、もう一回Clickで1光、もう一回で消灯となります(ちょっと面倒)。

肝心の明るさですが眩しすぎず丁度良いです(減光できるますしね)。
単4電池4本で20時間以上なのでEneloopを使えば気にせずガンガン使用できます(アダプタ用の穴はありますがアダプタは国内では取り扱っていないようです。私的にはコードレスで使いたいので全く問題ないですしEneloopという強い味方がいますんで)。

僅かに青い白いCoolWhiteですが、できればもう少し色温度が低いと良いのですが一頃のLEDのように「いやぁー真っ青でんな」ということはありません。

取り回し、お値段、ライフタイムを考えると結構バランスの取れたものかと思われます。

ちなみにクレドールは本体購入後、楽天の「あなたへのおすすめ商品」で知りました(こんなサービスがある事自体しらんかったです)。小額品なので宅配便はなんだよなぁとお店に問い合わせたら「メール便できますよぉ~」という返事。
嬉しくなっちゃいますね。

これを使うようになってから多少目の疲れが減ったようです。

しかし、お気に入りや、好きなモノについて書くのは楽しいですね。
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あげみ(Gap)にまつわる話

2010-05-29 01:39:47 | ハーモニカのカスタマイズ
リードの先端(リベットで固定されていない方)とリードプレートが離れていますが、これを「あげみ」、"Gap"と呼びます。
#「あげみ」の漢字が「上げみ」なのか「上げ身」か良くわかりませんし、海外のリンクを引用している手前"Gap"と書かせてもらいます。

ではお写真でも。。


何も手を入れていないReedPlate(Blow) 。Hering MasterBlues-G


同じ写真にスロット(溝)を水色、リードの辺を黄色の線を引っ張ってみました。このGapは私にとっては大きすぎます。。

一般にGapの大きさは次のような側面があります。

■Gapが大きいと
 ○ 強く(勢いよく)吹き込んでも詰まらない
 × 少ない息では反応がよろしくない(小さい音で演奏しずらい)。
 極端な例としてGapがリードの厚みの5倍くらいもあったら空気がスーカ、スーカと流れるだけで音はなりません。

■Gapが小さいと
 ○ 少ない息でも反応が良い。
 × 強く(勢いよく)吹く(吸う)とリードが動けず音が詰まる事もある。
   ここ一番というとか、ガツン!とアタック付けたい時に音が詰まるのはとても欲求不満というか哀しいです。
 極端な例としてGAPが全くない場合、またはリード先端がスロット内に埋没していると音は全くでなくなります(普通は)。

物事ほどほどの中庸がよろしいという事になるのですが、なかなか一筋縄ではいきません。
なぜなら「強い」「弱い」というのは個人によって変わってきます。
 ・体格によるもの(気道の大きさや骨格とか)
 ・演奏技術(一番はブレスコントロールかと)
 ・演奏環境(ストリートで生音が信条とか住宅事情、練習と人前で演る時の違いとか)
 ・やりたい音楽(人それぞれで求める物は違うかと)

リストアップしてみると色々書いてみたくなりますが、このなかで時間と共に良くなっていくのが期待できるのは「演奏技術」でしょうか。

私もそうでしたが(今でも怪しい)ベンドが出来てそこそこ吹けるようになってもブレスコントロールはなかなか難しいです。

私はアパートに住んでいるので部屋で練習するときは小さい音で練習するしかないのです。
小さい音量でしっかりと吹くのはとても良い練習ですが、ブレスコントロールがきちんとしていないと唐突に「ぷヒィー」と大きな音が出てしまったりします(吸い過ぎて我慢出来ずに息がドヘェーっともれちゃうんでしょうね)。

また、高低差のある音移動をすると違う穴なのに同じように息を出し入れしてしまい、詰まって音が出なかったり、音量の粒が揃わない事がしばしばでした(穴によって適切な息の量、送り方は違います)。

穴毎のというのは置いておいて、一番大切なのは「ゆっくりと確りした腹式呼吸」に尽きると思います。
ブレスコントロールが出来ていないのですからロングトーンやジャンプを伴うアルペジオなんかやっていると当然のように酸欠で朦朧としてきますが、きちんと耳で何が起きているのか聞き分けましょう。
・音量は揃っているか?
・揺れたり途切れたりしていないか(当然揺れたり途切れていますが前より良くなっているか)?
・音の出方は期待通りか(pppから始めてff、pppに戻るとき音量がジャンプしていないか)?
などなど。

きちんと耳で聞いてチェックしてイケていないところを治していけば必ずブレスコントロール、音色はよくなります。何事もそうですが2週間くらいやると少しずつ効果が出てきます(もっと書きたいけど長くなるのでこの辺りで)。

で、こんな事をコツコツやっていると「この穴立ち上がり悪くない?」なんて生意気な事を言い始めるのです。

さぁ、ここから事例です。

#4-#7をグリッサンド(吹きっぱなし横スライド)した時に、#4,5,7はきちんと出るけど、#6だけが音量が小さい、というか発音するまでに他より息が必要だったりする事があったとします。

「#6の吹きリードの反応が悪いのはGapが高すぎるんで息がもれて反応が悪いから、Gapを下げて少ない息でも発音するようにすれば良いんだな」。。。多分あってると思います。。でもね。。

もしかしたら#6吹きリードのGapは適正かもしれませんよ。「じゃぁ?」というと同じ部屋の#6吸いリードのGapが大きくて息が漏れている事があるのです!

極端な例で考えるのが好きなので、例えば吸いプレートが外れていて、吹きプレートだけで音がでるでしょうか?出ないですよね。空気ダダ漏れですから。
じゃぁ、吸いプレートを付けた状態で#4-7吸い(吹きじゃないよ)リードを指で覆って空気を遮断したらどうでしょうか?
この状態でグリッサンドして#6だけが出にくい事が無ければ多分#6吹きリードのGapが高くて息がもれているのかもしれません。

[補足]このように本来発音しない側のプレートの空気を遮断した場合、音量も大きくなるのですが、発音する側のリードはより大きなGapを必要とします。クロマチックハーモニカが良い例です。クロマチックは気密性を高めるためにバルブと呼ばれるパーツで反対側のリードから空気が漏れない工夫がされています。

というわけで、またもや疲れてきました。。
そろそろ、まとめます。

■Gapについての基本的なルール
・Gapの高さはリードの厚さと同じ位がよいとされる。
・低い方から高い方へ一様(コンスタント)にGapが低くするのがよいとされる。
・低い音程のリード程大きなGapが必要。
・同じ穴内ではDrawよりもBlowリードのほうがGapが大きいほうが良いケースが多い。
・バルブを持つハーモニカではより大きいGapが必要になります。
・OverBlowをするのであれば、行う穴の吹き(Blow)リードの上げみは更に低くしたほうが良いとされる。
・OverDrawをするのであれば、行う穴の吸い(Draw)リードの上げみは更に低くしたほうが良いとされる。
・バルブを持たない10Holesでは同じ穴にあるリードのGapが密接に関連しているので、片方だけで調整しきれない事がある。

あくまでも基本的なルールなので絶対ではありません。
が、最初は基本ルールでやってみて必要であればオリジナリティをもりこんでいけば良いでしょう。

次回は実際にGapを調整してみましょう。
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