ひゃぁ~盆休み開け初めての2連休です。
相変わらず暑いですが夜は多少涼しくなってきました(それとも体が順応しているのでしょうか)。たまにはシャワーではなく湯船につかると日頃の疲れも全身に散って良い感じです(
青いバスクリンを入れてみました。サッパリぃーん)。ご機嫌で缶ビールを2本開けています。
前回"The Harp Handbook"を紹介させて頂きましたが寝る前に読んでいるので一向に進みません(笑)。楽しい事がまだあるなんて嬉しいですよね。
さて、前回一通り手元にある教則本の写真を撮ってみましたので不定期に「10Holesの指南書 勝手におすすめ」シリーズと称して不定期にご紹介する予定(?)です。
生まれて初めて買った教則本は
松田幸一さんが
kmpから出されている教則本だったので
ありました。。しかし学生時代にハープを始めてみたいという友人にあげてしまいました。。
#おかげで
Charlie McCoyさんは随分聴きました。本書の中で当時は手に入り難かったと記憶する Hohnerの"Old Standby"へのラブコールが書かれていたかと思います。
今でこそOld Standbyは日本でも気軽に購入できるのは松田さんのおかげなんだなと勝手に思っています(違っていたらすみません)。
木製。サイドホールはなくMarineBandに比べ薄いマウスピースのOld Standby。タングブロックがし易いというのでお気に入りな方々も沢山いらっしゃいます。私は素朴な音色が好きでメロディ中心に吹きたくなってしまいます。。
この写真では分かり難いですが木製釘止めハープのカスタマイズ第1号という思い出もあります。
さて話を元に(?)戻して勝手にお奨めする教則本ですが。
ダララララ。。。。パシーン。
#一応昔はパーカッションやっていたんですが。。。
田中光栄さんの"ブルースハープ 初歩の初歩入門"であります。
"初歩の初歩"と謙虚に謳われていますが、謙虚さに騙されてはいけません(笑)。確かに目次を見ると他の初めて10Holesを触る方向けの教則本と同じかなぁと思われるかもしれません。
しかし、ちょっとパラパラめくると「おやっ?」と思う事があります。
なんと、ページの半分以上が音の出し方について書かれているのです!
「はぁ~?音の出し方~?」と思われる方は厭味ではなくてかなりラッキーな方かと思います。
特に修行をせずとも人を惹き付け自分もある程度納得できるような音を出せるような人は確かにいます。
しかし、森のなかまはこれができませんでした。
その昔、近藤楽器で教室へ納入する複音ハーモニカを受け取りにきていたおばあちゃんと吹きっこしてみた事があります。
当時は多少OBも出来るようになっていてベンドもある程度スムーズに出来るようになっていたので天狗というか恐れを知らない(ていうか何も知らなかったんですね)。
その方の音は強く吹いていないのに太くて明瞭な音。ベースも各音も美しく響いています。タンギングすればザッザッと歯切れが良く、メロディだけでも曲全体のリズムが感じられます。
一方森のなかまはというと、ベンドをすれば苦しそうな音。ロングトーンは揺れてしまい、タンギングももたつく。音の粒も揃わずリズムもヘンテコリンに。。
頭の中では「あーして、こーして、ここでOB」なーんて思っていたりするのですが、そうはいかないというか、もっと基本的なところで駄目だったのであります。
かなり落ち込みました。。。かなり辛かったです。
当時仕事のトラブルもあり、ハープも上手く行かずとダブルパンチ。「ハープなんて止めてしまえ」と本気で思いました。
教室を開いているような人だから、複音と10Holesでは違うだから。。。なんて考えをして気を紛らわそうかなんて思った事もありますが、そんな風に考えても何も変わりはしないと分かっているんですが、そう逃げたくなるくらいショックでした。
でも止められなかったんですかね、近所の楽器屋で普段だったら手にしない入門書を何冊か見てみた訳です。。
で、出会ったのがこの本でした。
ベンドもそうですが、ストレート音。これをどうやって力まずに響かせるか、息苦しくなく楽々と思った(願った?)通りに音を出すのかについて半分以上のページが割かれています。
そしてその判断基準がさりげなく書かれています(これは見過ごしてしまいがちですが大事ですね)。
ベンドは音程さえ下げられればマスターしたと思いがちで気付かないと悪い癖がついてしまい、かつての森のなかまのようになってしまいます。
田中さん「初歩の初歩」は本当にこれからハープを始める初心者にとって、寄り道がが少なく、長い目で見なくても実りが大きい教則本だと思います。
ある程度ベンドが出来るようになった方でも早いフレーズでモゴモゴしてしまったり、今ひとつ音の粒が揃わない等の「音の出し方」で疑問をお持ちの方は一度手にとって、書かれている事を全て行ってチェックしてみると良いかと思います。
今でもこの本を見返す事がありますが「あれはコレだったんだなぁ」等気付く事もあります。
もうあんまり気付く事が出て来て欲しくない(苦笑)ですが、定期的に初心に戻るきっかけを与えてくれるので卒業できません(笑)。
で、ある程度音がでるようになったら曲を吹きましょう!
教則本ではなく「曲集」です。
おなじみの「キラキラ星」からバンプを含んだ曲もあれば、本格的なアドリブを含む「枯れ葉」まで、各曲に3つくらいの演奏ポイントが書かれています。
幾つかの曲は「初歩の初歩」にも譜面がついていますが、「初歩の初歩」は純粋にメロディのみでワンポイントやフィルインがありません。
また、CDもついていますが全ての曲がCDに入っている訳ではありません。。。「エーッ?なんでさー」と思うかもしれませんが。。。しかし、この模範演奏は凄いです。
よく教則本についてくるドンカマで始まって、吹けるようになったらそれでお終いのようなものではありません。
これはアルバムです!魂入っています!ハープをやらない人が聴いても「いいな」と思える作品に仕上がっています!
メロディを中心とした演奏が好みではないという方もいらっしゃるかと思いますが、10Holesにもこういった側面があるのを知るのも良いのではないでしょうか(バンプ曲は詳細な譜面があるのでこれを足がかりにするのも良いですね)。
特に最初に入っている「キラキラ星」は圧巻です。目立って難しい事はしていないのですが、これほど心を打つキラキラ星は少ないかと思います。
イントロから「ドードーソーソー」と始まると「やめてぇ~」と叫びたくなるくらい心をガンガン揺さぶります。普段濁った水に住む魚を清らかな水に移すと相当なショックがあるらしいのですが、それに近いです(笑)。
「ふるさと」は自分が何かの気の迷いで犯罪に手を染めてしまい、捕まって自供を迫られた時にこのバージョンが流れたら一発でゲロしてしまいそうです。いや本当に。。
難易度は相当高いですがC-Harp一本で吹く「G線上のアリア」
わざわざ最後にもってきている"Over the Rainbow"等はアドリブはありませんがメロディを演奏するだけで、10Holesでこれほど音楽として成立するのかあっけにとられます。
さぁ大変です(笑)。
耳コピだったら「音拾えないから」と言い訳できますが、譜面もあります(細かいビブラートやフェイクの指示はありませんけどね)。ちょっとしたヒントもあります。
これはコピーというか曲を仕上げないわけにはいきません。
ロングトーンやハノンでは気にならなかった音色、音の揺れや歯切れの悪さも、メロディ中ではごまかしがききません。
模範演奏を聴いて、吹いてみて、「ここはこんな感じで吹きたいのに何故吹けぬ」と落ち込んで、「初歩の初歩」に立ち返って練習していくうちにかなりの力がつくというエコシステムがこの2冊で完成する訳です(ちょっと大袈裟かな?)。
とても難しい曲もありますが、きちんと吹きこなせれば、どれもが人に聴かせて喜ばれるものばかりかと思います。
何より人に聴かせられるような持ち曲が増えますし、人前で曲が吹くということは聴衆ができるということで、これはメカニカルなエクササイズでは得られないものがあります。
ガンガン人に聴かせ、もし相手がいなければ
録音して自分で聴く等して曲を詰める事をしたほうが良いでしょう(最近していないな。。)。
というわけで、誠に勝手ではありますがこの2冊は是非ともお奨めしたい本であります。