森のなかま夫婦が勝手に「デスにゃー」と呼んでいる猫はまるで狩られた狸のようです。何も知らない人がこの姿をみると非常に深刻な状況で気味悪く思えて何処かへ行ってしまうでしょう(笑)。2009.3撮影。
話が遡りますが、今年の七夕も雨降りでした。
ニュースやネットをみてもやりきれない報道等が続きます。
「いじめ」というと多くの方は自分とは関係ない話しかと思われますが、森のなかま夫婦は他人事には思えません。
森のなかま夫婦もご多分に漏れずちょっと変わったところがあり、周囲と相意入れない部分があります。
こうしたところを目敏く見つけては排斥したがる人間は昔からいます。
何をどうやったのかは分かりませんが、決してマジョリティではありませんがこうして社会の一部に組み込まれて生きております。
「自分から変わらなくちゃ変わらないよ」
と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、周囲の力が必要な時だってあります。勇気を振り絞って頼ってみたら、その大人が地方独特の閉塞的な繋がりから身内と自分達の保身という了見から何もしてくれなかったらと思うと何を支えにすればよいのか分からなくなってしまいます。
一過性のお祭りさわぎのように魔女狩りだけで終わってしまうのではなく、周囲の大人が目を光らせ、子供達のイタズラが「行き過ぎた」ものになる前に止めるのが社会の役割であり、大人の勤めなのだと思います。
こんな事を夫婦で話していたら、雨の日ですが外に出たくなりました。
慶応大学日吉キャンパスにツガイの鴨が駐車違反をしていました。
雨の日なのに何故か向かったのは「
港が見える丘公園」でした。
バラ園の水瓶にもポツポツと雨が降り注ぎます。
雨の日に立ち寄ってみたかった「イギリス館」ではクラシックギターのコンサートが行われていました。心地よい音色を聴きながら厨房脇の開いた窓をパチリ。
今「
擬宝珠 (ぎぼうし)」が沢山咲いています。雨に濡れて涼しげです。
個人的に「似ているなぁ」と思う「
アガパンサス」も見頃であります。
「エーン、濡れちゃったよぉ」という感じの「
ペンタス」くんも可愛らしいのです。
雨降りというと何故か猫達を思い出します。理由なんかありません。
そいういシナプス結合なので仕方ありません。
暫く昔の話になります。。。
思えばこれが初めての「デスにゃー」との出会い(2008.10)。
「なんだか凄く賢そうな猫だよね。賢者みたい」
「うん。。『地球は太陽の周りを回るのデス』とか言いそうだよね」
「違うよ。。『マワルのデスにゃー』っていうんだよぉ」
「そうだね。。」
こんな会話から「デスにゃー」と名前が決まりました。
小雨が降るなか「クロちゃん」はワイフを椅子に座らせ膝の上に乗り始めました(2008.10)。
「デスにゃー」ではありませんが夫婦が勝手に「クロちゃん」と呼んでいる「クロちゃん」との出会いでした。
「クロちゃん」は「デスにゃー」と縄張りが近い事があり、その後セットで遊んでもらう事が多かったのです。
森のなかまは二人が濡れないように傘をさしていました。
初めて「デスにゃー」との対峙です(2009.3)。なんでこんなにモコモコしてるんだろう。。。
なかなか凄みのある顔です。
でもですね。。これが無茶苦茶超甘えん坊さん。。
大きな体をゴツンゴツンとぶつけてきます。
ワイフの魔の手もあってか、ちょっと手を出すと。。
ぐるりん。。。
うーん。「ブサかわ」であります。
当時は
Y150で横浜はお祭り状態でした。この日は
飛鳥IIも停泊していていました(2009.8)。
日本大通りも夏らしい日差しで楽しげでした。
中華街を廻ってから夕方遅くに「デスにゃー」に会いにきました。
この写真が収まっていたフォルダ名は「090815 デスにゃーの受難」でした。
日付に一言書いておくと写真の管理が簡単です。。。と模範的な事を書いてみますが、実は良くわからない名称もでてきます。
「080301 厄歳判明」 うーん。確かに遅過ぎだ(笑)
「071123 ぴょんぴょん」 何が「ぴょんぴょん」だったんだろう?
「080705 墨つぼ」 横浜で同僚とあって大工の話をしていたんだと思います。
「081018 ふるちん」 これは分かります(笑)。ふるちんで男の子が走っていました。
「081223 逃げる」
クリスマスメニューの値段を聞いてテーブルから逃げました。
意外に覚えているもんです(笑)。。まぁ、分からないものは一生わかりません。。宜しければ実践してみて下さい。
うんうん。そう言えばこの日はワイフと「デスにゃー」共にハイテンション。お遊びがかなりエスカレートしていました。
相当暗くなっていましたので激しく動き回る二人を写真に撮るのは諦め、しばらく夜景を眺めて戻ってくると。。。
「『デスにゃー』吐いちゃったの。。」
「?」
時々親戚同士が集まっていつもとは違うメンツで遊び出すと興奮し過ぎてリバースしてしまう子供のようです(笑)。。
懲りたのか二人とも暫く落ち着いていました(笑)。
Y150の一環で象の鼻地区には左のようなユニークな灯台の展示もありました。右はシーバス乗り場ですね。
いつもちょっと人の手が届かないところに居ます(2009.9)。
子供や大雑把な挙動の人には警戒しています。
敵意が無いことを示し「一緒に遊ぼうよ」と誘います。「デスにゃー」の気分が乗れば交渉成立です。
ぐりん、ぐりん♪
時々こうやってご自慢の牙を見せてくれます。
「デスにゃー」はよくワイフを甘噛みします。でも本気じゃないんですよね。ワイフ曰く。。
おなじくらいの兄弟が沢山いて沢山あそんだから遊び方をしってるんだよ。
時々空を見る「デスにゃー」(2009.09 前の写真とは別の日です)
この日は一度交渉成立したのですがワイフがズッコケをして大きな音を立ててしまい隠れてしまいました。今日は駄目かなぁと思ったのですが諦めないワイフ。。
長い時間をかけてようやく遊んでくれた時には日が暮れていました。夏も終わり日が暮れるのが徐々に早くなってきました。
「クロちゃん」と対峙する猫(2009.10)
この日はネットで噂を聞きつけたという男性が先に猫達と戯れていました。
物静かな男性はまるで
仏陀のように静かで温和なオーラを放ち猫達を纏っていました。
声をかけてご一緒させて頂くことになりました。
帰り際に「あまりお腹が一杯にならない」ようにお礼の「おやつ」を猫達にあげていました。
体の大きい「デスにゃー」ですが周りの猫達に押され気味でなかなか食べ物をもらえず不安げに男性を見つめます。でも大丈夫。仏陀様はちゃんと見ています。
森のなかま夫婦の荷物が気になる「デスにゃー」(2009.10 これも前の写真とは別の日です)
この頃からでしょうか。「デスにゃー」が周囲を気にするようになりました。
遊んでいても、子供の足音や大きな声がすると、過敏に身を隠すようになりました。生きて行く上で必要な事なのですがかなり過敏になっていました。
一度、どうしても触りたそうなカップルが居たので「デスにゃー」の元から離れました。しばらく見ていたのですが随分手荒な扱いです。
「どうして助けてくれないの?」
と目で訴えているような気がしたのでカップルに分からないように「おいで、おいで」をしました。
ごめんよ。
その後カップルは立ち去りました。お詫びといってはなんですが、いつもより多めに、でも興奮しすぎないように遊びました。って遊んでもらっているんですけどね。
その後「デスにゃー」に食事をあげている老夫婦の方とお話をする機会がありました。
捨てられていた当時の話や、臆病なんだけど甘えん坊な性格の話を伺いました。
「デスにゃー」がこちらを向いている最後の写真です(2009.11)。見事なまでにこちらを向いています。今みてもとても哀しい写真です。
「デスにゃー」はお別れする時「なんで楽しい事には終わりがあるの?」といった切ない目でこちらを見つめます。
そして、暫くするとゴロンと仰向けになってお腹の当りを舐め回し始めると、もうこちらを見る事はありません。
あれから「デスにゃー」が好きそうな場所や時間を選んで探しましたが会う事はありませんでした。
年が明けて、1年ぐらい経った頃でしょうか夫婦は思うのでした。
「きっとマイアミで楽しくバカンスを過ごしているんだと思う。で、楽しくて幸せなので戻ってこない」
いつかはそういう日が来ます。消えてしまう事もあれば、いつまでも心に貯まり続けるものもあります。
再び七夕の日に戻ります。雨もやんで来たようです。
雨の日も気持ちの持ち用で楽しく過ごせるものです。そろそろ丘を降りようかと思います。
「こっちから行く?」
「うーん。あっち?」
「そうだね。じゃぁ、あっち」
色んな選択肢があるかと思うのですが、せっかくの雨降りならば通ってみたい小道がありそちらを選択しました。
「うん?」
「え?」
夫婦に電撃が走ります。
あの毛むくじゃらの「デスにゃー」みたいな固まりは。。。。
信じられませんが、兄弟や子孫でもなく、あの「デスにゃー」のようです。
もの凄いミャーミャー鳴いていますが、暫くワイフの魔の手と戯れるといつもの「デスにゃー」になります。
子供の足音や、大きな声が聞こえても自分に向かって来ていないと分かるのか昔程臆病ではありません。すごいぞ!
太っといシッポを何かに乗せるクセ。。
ゴツンゴツンと体をぶつけてはお気に入りのポジションを見つけたようです。
ワイフが撫でるとこの手がキューッと閉じたり開いたりを繰り返します。
雨はもう止んでいましたので森のなかまが二人に傘をさす必要はありません。
どんだけ長い時間遊んだでしょうか。。
ワイフが立ち上がると、こんな風ににじり寄ってきます。帰れないよぉーっ。。
でも、この目をするとゴロンと横になってお腹のあたりを舐め始めます。
もうこちらを振り返りません。でもね。
「また来るデスにゃ。遊んであげてもいいデスにゃ」
と聞こえるんですね。
小道を下って行くと時間はもう「
待宵草 (まつよいぐさ)」が咲き出す時間になっていました。
七夕の日に再会させてくれるだなんて「神様ありがとー」と感謝する夫婦だったのであります。
なかなか会えないかもしれないけれど、また遊ぼうね。
それでは!
P.S.
ワイフが仕事から帰ってきました。
暫くして窓を見ると黄金色に染まっていました。
連休最後の日の夕焼けです。