アキギリ
近場でのきのこ観察を諦め、ブナ林を歩くことにした。知人からの情報では、日本海側は例年通りのカレンダーとのこと、ならば、一昨年、丁度この時期に舞茸に出会った峠の尾根を歩こうと思った。
6時半出発の予定だったが、予定通り、少々遅れて7時の出発になった。途中、コンビニに寄ったり、ガソリンを入れたりで、峠のポイントに着いたのは10時だった。峠の日陰の溝脇でアキギリが咲いていた。
車を停め、尾根を歩く。ブナ、ミズナラ、楓など、落葉高木の尾根。2年前の記憶を辿りながら歩く。前に来たときよりも尾根が明るいな・・・と思いながら進み、記憶に残る急カーブの先の開けた尾根に出る。若杉原生林と較べると、意外なほど山が乾燥している。嫌な予感がするが、歩き続けるしかないな。
この辺りだ・・・・、舞茸に出会ったのは。
さらに、慎重に歩いてゆく・・・・・。ここだ!!
ミズナラ・・・
この太いミズナラの根元に3株の舞茸が出ていた・・・・、が、見上げるとこのミズナラは既に枯れて、葉を落としていた。そして、根元の洞にはマムシが日向ぼっこをしていたが、カメラを向けたとたんに奥に潜り込んでしまった・・・・・
最悪・・・。
尾根筋のミズナラはほとんどが枯死していて、葉を付けていながら、根元におびただしい木粉を落としているものも多かった・・・・
そして、その周囲には・・・・
カエンタケ
以前は、滅多に出会えなかったカエンタケ、ここではそこら中で見ることができた。とは言っても毒が消えるわけでもなく・・・・、気を付けなければ・・・・。よく、毒キノコでも触ったくらいではなにも起こらないと書いてある本を見かけるが、このカエンタケだけは別で、触っただけでも、かぶれるなどの報告があるらしい。むやみに採って触ってはダメ。
他にきのこというと・・・・
ツエタケ
イグチでは・・・・
幼菌だが、傘径2cmほどのイグチ。なんだろう・・・・。引き抜いてみて、思い当たるのはニガイグチ族、ヌメリニガイグチ。
ヌメリニガイグチ
これは、傘径10cm以上、でも特徴は同じ。さらに・・・・
ヌメリニガイグチ
発生する場所によって、形態をかなり変えるイグチのようだ。
他には、やはり、木から出るきのこ・・・・
ミドリスギタケ
不明 ミドリスギタケ?、ヒメスギタケ? どちらも違いそう・・・
今日、一番目に付いた菌 ミイノモミウラモドキ
これを見たときは、???と思った。純白のチャワンタケ?
しかし、良く見ると・・・・・、チャワンの中にヒダが見えていないか?
スギヒラタケ幼菌
これが出始めということは、ブナ林の主役の登場はもう少し、待たねばならないようだ・・・・。
尾根を結局、2時間ほど歩き、山ほどの枯れたミズナラを見て、また、谷に下ろうとして尾根から転げ落ちたりしながら、車に戻った。生傷が絶えないなぁ・・・、転げ落ちたときに、掴まりそこなった木の根で指先を切った・・・。
気になること・・・・
尾根筋のなんとか枯死を免れているミズナラに、きのこを採取した痕跡を見つけた。舞茸のような・・・・、違うような。
この峠の舞茸は当分、期待できないと思った。峠から灰野へ下ろうかと思ったが、下ってから、また登って車に戻るには6時間はかかりそう・・・・。車で芦生の演習林入り口まで戻り、残りの時間を散策にあてることにした。
つづく。