戸倉峠周辺の渓谷
以前からフチドリツエタケの綺麗な奴に出会いたいと思っていた。これまでにフチドリツエタケに出会ったのは一回きり。しかも、老菌で傘に虫の喰った穴が空いていた・・・。友人が「もう、フチドリツエタケが出ていたよ。食べると変な匂いがして、美味しくはないな・・・」などと、ふざけた事を言っていた。この罰当たりめ!
ムカついたが、連れて行ってくれと頼んだのだった。
日曜の朝、明石から車で迎えに来てくれた・・・・。そして、2時間程走っただろうか・・・・。戸倉峠の手前の渓谷に着き車を停めた。
先週は長野に遠征に行き、山ほどのきのこに出会い、そして、昨日は地元の山でも、沢山のきのこに出会った。旨いきのこ、珍しいきのこ、十分満足していたし、いい加減、体もガタガタ。今日はゆっくり、色気出さずにのんびり歩こう・・・・、そんなことを話しながら川沿いの山道を二人で歩いていた。
道の左側が川で右側にはブナ、ミズナラ林が広がる斜面になっている。道に倒れ掛かったブナの倒木に・・・・
ムキタケ
今年、初めてのムキタケとの出会い。
他は、似ているけれど・・・・、全部、ツキヨタケ。
ツキヨタケ
今夜の儀式のために、襞の綺麗な、若過ぎず、成熟したプリプリの・・・・、何のことだっけ・・・・・。 良く光りそうな月夜茸を探す。ここの月夜茸は若過ぎだな・・・
ナラタケ
キツブナラタケだろうか・・・・、倒木にはナラタケが沢山出ている・・・
そのとき、道の左の斜面の上の方から熊除けの鈴の音が聞こえた。友人の顔色が変る。「急ごう、この上の方なんだ」・・・・、今日はのんびりじゃなかったのかよ・・・・。斜面を走るようにして進む。
かなり上まで登ったところに大きなブナの倒木が横たわっていた・・・・、そして・・・
フチドリツエタケ
人生、二度目の出会い・・・大袈裟・・・。友人は約束通り、フチドリツエタケを見せることができ、安堵の様子。でも、もっと沢山出ていたのにな・・・と、不満な様子だ。いいんだよ、一本だけでも・・・・
周りの倒木には・・・・
ナラタケ
種類は分からない・・・・。ここに来る手前の道の駅では1パック300円で売っていたな。これなら、幾らでも採れる。でも、自宅のきのこ専用冷蔵庫はもう、一杯だ。
キララタケ
今年、何度か出会っている光景・・・・、ブナ林は美しい。これから紅葉だな・・・
友人が顔色を変えた理由は・・・・
ナメコ
先週、友人が採り尽くした後に小さな幼菌が沢山育っていた・・・・
ブナハリタケ
そして、再度・・・・
フチドリツエタケ
フチドリツエタケは兵庫県のきのこレッドデータブックに記載の稀菌だ。これも食べてやろうか・・・
斜面を駆け登ったせいか、喉が渇いた。少々早いが飯にしよう・・・
いつものように・・・・糖質0%じゃないよ。
食べながら友人が叫んで走り出した・・・・。何だ?
ヒラフスベ
なんだ・・・・
斜面には木が少なく、陽が差し込んで綺麗だ。ビールを飲みながらしばらく景色をのんびり眺めていた。
つづく。