裏磐梯 秋元湖にほど近い森の中から・・・

裏磐梯の森の中の家、薪ストーブ、庭、山、酒、音楽を愛する独居老人の日常生活の記録、綴り続ける備忘録。

 

The Godfather Part III

2009年12月13日 | 聴く・観る・オーディオ・映画・パソコン
2日前、寝る前に映画でも見ようとDVDの棚をあれやこれやと探る。ゴッドファーザーPARTⅢを見つける。Ⅰ、Ⅱは見たことがある。だがPartⅢが存在するとは。知らなかった。早速観る。時間のたつのも忘れ没頭、気が付けば時刻は深夜2時過ぎ、最近これほど時を忘れ、本気で観させられる映画は珍しい。
マフィアとバチカン、パウロ6世死去、コンクラーベ、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がる。新法王ヨハネ・パウロ1世誕生、そして新法王は次々に腐敗しきったバチカンの建て直しに着手、バチカン銀行の不透明な財政、汚職の改革、だがヨハネ・パウロ1世は在位33日で反改革派によって暗殺されてしまう。映画は克明にこれら史実(無論映画だ、推理、フィクションもあろう)を追う。マスカーニのシチリアを舞台のオペラ、カヴァレリア・ルスティカーナを織りなしながら、緊張したドラマは進行する。悲劇の終末、カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲、物悲しい調べが流れる。愛娘の死、マイケルのこの世の物と思えぬほどの絶叫、そして誰にも見取ずに年老い悲しく死に行くマイケル、極悪人の報い・・・
これほどの映画がアカデミー賞にノミネートすらされなかった事実を調べて知った。(Ⅰ、Ⅱはアカデミー作品賞受賞)
改めて今日、Ⅰ、Ⅱを続けて観た。そして思った。ⅠかⅢ、いや、やはりPARTⅢがベスト作品であると。真価を知るにはシチリア、オペラ、バチカン、当時のイタリア政界など、この作品のバックグラウンドを少しでも理解、知らなければならないのだろうと。PartⅢは興行的にもよくなかったらしい。映画作りに失敗し、3度の破産を経験したコッポラも、いまやコッポラワイナリーで成功、ワインビジネスで巨万の富を得た。PARTⅣの制作を目指し、脚本創りをしているという、が、出来上がることはないだろう。
5,6年ほど前、バチカンを訪れた時、前回と違う人の流れ、いつしかサン・ピエトロ大聖堂地下、歴代法王の棺が安置された廟に導かれた。(一階にある棺、レプリカ?とは違う)予備知識を持っていなかった、その日は廟を開放する特別の日だったのだ。ある棺の前、たくさんの花輪、祈りをささげる人人、涙する人人、それは亡くなったばかりのヨハネ・パウロⅡ世の棺だった・・・
ヨハネ・パウロⅠ世の棺もすぐそばにあったはずである。観光客として物見遊山の浮ついた気分を捨て、手を合わせ、心より礼を尽くせばよかった、と今さらながら思う・・・(サン・ピエトロ大聖堂地下廟 ヨハネ・パウロⅡ世棺前)
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