小雨降る晩秋の庭の風景、最後の紅葉が冷たい雨に濡れ、とても美しい。
木枯らしが吹けば一晩で散ってしまう儚い美しさ・・・
窓越しにそんな風景を見ながら音楽を聴いている。
フリップ・ヘレヴェッへ、最近この指揮者を知った。
今は彼の音楽に夢中だ。50数曲のバッハ、カンタータ、そしてマタイ、ヨハネ、ロ短調・・・
コレギュウム・ボカーレ・ゲントの古楽器、コーラス、そしてカウンター・テナー、アンドレアス・ショル、ロビン・ブレイズ、ダミアン・ギヨンのゾクゾクするような魅惑的な歌声・・・
今や神の如き、聳え立つ巨大な高峰の如きRichterに比肩するか、超えてしまったか、いや、その裾野、アルプに咲き乱れるお花畑か・・・
ヘレヴェッへのモーツァルト、レクイエムが流れている。
好きになれなかったこの曲がヘレヴェッへの手にかかると素晴らしい音響となって強引に心の中に経験したことがない感動を伴って染み込んでくるのだ・・・