夕刻、また雪が激しく降り出した。今日もモーツアルトを聴いている。
K421,459のカップリング、スメタナ四重奏団のLPを聴いたのが引き金、ここ数日狂ったようにハイドン・セットを聴いている。
手元のコレクション、ジュリアード、クイケン、モザイク、フェシュテティーチ(Festetics)を聴き、
さらにamazon musicにあるズスケ、ハーゲン、モーツアルテウム四重奏団を聴き通している。
早書きの天才、モーツアルトが二年以上もの時間を費やし、作曲した渾身の作、
6曲の弦楽四重奏曲、ハイドン・セットは敬愛する大先輩のハイドンに献呈した。
ハイドン・セットは類まれなる名曲に違いない。だがその作品にはモーツアルトらしからぬ深刻、力みすぎの気配を感じる。
本来の天衣無縫、頬撫でる春風のような爽快な軽やかさを失ったモーツアルトに魅力はない。
従ってベートーヴェンの弦楽四重奏楽曲を聴いてるようなジュリアードの演奏は全く好みに合わない。
ピリオド楽器を使用したクイケン、モザイク、フェシュテティーチがいい。
特にフェシュテティーチの演奏にはモーツアルトのうっとりするような心地よさがある。
Festetics Quartet、日本ではほとんど無名である。1985年ブダペストで結成され、
ハイドンの全68曲、モーツアルト全23曲の弦楽四重奏曲を録音している。
ハイドンの弦楽四重奏曲を何曲が聴いたがこれも典雅、優雅、とても素晴らしい。
だが時間を持て余す老人とはいえ、およそ3時間のハイドン・セットを繰り返し何度も聴いている、なんとも・・・
(1972年4月来日の折 青山タワーホールにて世界初のデジタル録音 この歴史的 画期的なディスクは1973年10月13日購入)