半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

オリバー・サックス著、 『ミュージコフィリア 音楽嗜好症』 を読みました。

2013-05-25 23:48:51 | 
オリバー・サックス著、 『ミュージコフィリア 音楽嗜好症』 (太田直子訳、早川書房刊) を読みました。著者はアメリカの著名な脳神経科医であり、映画化された 『レナードの朝』 の作者としてよく知られています。

私が初めてその名前を知ったのは、20代の頃に 『妻を帽子とまちがえた男』 を読んだときのことだったと記憶しています。



今回の本はサブタイトルに 「脳神経科医と音楽に憑かれた人々」 とあるように、様々な事故や病気、障害などが引き金となり、音楽という物に対して突然物凄い凄い能力を発揮するようになった人とか、障害と際立った音楽の才能を併せ持つ “音楽サヴァン” やウィリアムズ症候群の話等々、非常に沢山の事例を挙げながら紹介されています。

頭の中でCMソングなどがグルグル回り続けてしまう現象など、多くの人達が体験した経験のある話題等も登場するので、あまり音楽に深く関わった経験のない方でも、決して縁遠い内容ではないと思いますよ。



私が個人的に最も興味を持ったのは、やはり音楽療法に関する話。失語症で全く言葉を話すことができない患者が、ミュージカルのように歌にすれば会話できたという事例を読むと、やはり音楽の力いうのは素晴らしいなぁと思ってしまいます。

でも 『ボレロ』 を作曲した当時、ラヴェルがすでに認知症だったという説は、ちょっとショッキングでしたよ。


(追記、 2013年5月25日)
この本は2年近く前に購入して読み始めましたが、途中で行方不明になっていたため、読み終わるまでずいぶん時間が掛かってしまいました (笑) 。興味深い事例が沢山登場してくるので、音楽に興味がない方にもお勧めですよ。 「夢の中では行動、特徴、視覚的要素、そして言葉はすべて修正されるか歪められるが、音楽だけは夢という環境によって変化しない」 という話には驚きました。

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