半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

息子への誕生日プレゼント、今年はガーバーの初代フォールディング・ハンターにしました。

2021-07-14 17:30:12 | ナイフ
息子への誕生日のプレゼント、今年はナイフを贈ることにしました。いつまでもビクトリノックスのスイス・アーミー・ナイフじゃちょっと可哀想ですからね。しかし、ナイフは道具なんで、用途が明確でないと最適なモノは選べません。キャンプ用か、釣り用か、狩猟用か・・・・・・どこで、どんな使い方をするのか?によって全く変わってしまいます。バックの110はある意味万能だけど、さすがにちょっと当たり前過ぎるし・・・・・さて、困ったぞ。



でも逆にもしそうだとしたら、いっそのこと用途は無視して、眺めて楽しめる様なヤツ?でもOKじゃないか(笑)。息子もせっかく美大でデザインを学んでいるのだから、傑作と言われた過去の美しいデザインに触れておくというのも悪くないでしょう。というわけで、既にコレクターズ・アイテムとしての地位を確立しているこちら、ガーバーの初代フォールディング・ハンターを選びました。


ガーバーの初代フォールディング・ハンターは今から半世紀以上前、1968年に発売されました。ハンドルの素材はウォールナット、エボニー、樹脂(デルリン製)の3種類で、ウォールナットとエボニーに関してはプレーンと手彫りのチェッカーリング入りの2種が用意されていました。プレゼント用なんで、やはり今回は見栄えの良いチェッカー入りのウッドハンドルが良いでしょう。一般受けするのは、最上級モデルのエボニーよりむしろ木目の映えるウォールナットかな?。

(上:チェッカード・ウォールナット 下:デルリン)




(上:チェッカード・ウォールナット 下:スムーズ・ウォールナット)




(上:チェッカード・ウォールナット 下:チェッカード・エボニー)




さらにブレードに関しては、ステンレス(440C)とクロームメッキを施したハイスピードスチール(M2=いわゆるハイス鋼)の2種類がありました。ブレードのリカッソに ”S” の打刻があるのがステンレス、 “HS” の打刻があるのがハイス鋼です。現在の人気は圧倒的にハイス鋼で、あのサクッと食い込むような切れ味は他に代え難いという評価ですけど・・・・・・息子にはメンテの楽なステンレスの方が合っているでしょう。

(左:ハイス鋼 右:ステンレス)



このナイフ、一説によると手作業の部分が多くて生産コストが掛かり過ぎたということで、1974年には生産が終了。その後しばらく在庫のあった一部モデルの販売は続いていたものの、1976年(今から45年も前!)を最後にカタログからドロップしています。後継モデルがあったにもかかわらず、当時からこの初代の方が好きだという方が少なくなかったようで、私が最初の1本目を手に入れたときには既に結構なプレミアが付いていました。


このナイフの困ったところは、個体差が非常に大きいこと。今までにかなりの数を買いましたが、同年代のNOS(New Old Stock = いわゆるデッドス・トック)同士で比較しても、木目やアクションのスムーズさ、ブレードのガタ等々、量産の工業製品とは思えない程の大きなバラツキがありました。今回は手持ちのチェッカー入りウォールナットハンドルでブレードがステンレスというヤツの中から、木目が美しく一番アクションがスムーズだった奴を選んでプレゼントしました。



プレゼントしといて何ですが、実はこのナイフ、マッチョな外見から想像される様なタフガイじゃありません。ブレードが薄いんで包丁みたいな感じで使う分には中々良い使い心地なんですけど、硬い物を切るとすぐガタが出るし(未使用の新品でも最初から結構ガタがあったりするんですけどね)、見掛けによらずかなり繊細なナイフなんですよ。現在、これを購入しているのは主としてコレクターの皆さんで、正直な話、私も今ではもう実際に使おうという気は全然起きません(笑)。

それじゃ、私は一体どんなナイフを実用に使っているのか?というと・・・・・・


・・・・・・その話はいずれまた。

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