大御所関東 担うよく、去ろうかグッナイ、三河かも。
(天保の飢饉・大塩平八郎の乱)(1805年・関東取締出役(かんとうとりしまりしゅつやく)1827年・寄場組合(よせばくみあい))・36年甲斐郡内騒動・三河加茂一揆・
[ポイント]
1.大御所時代は、関東取締出役の設置・天保の飢饉・大塩平八郎の乱・寄場組合の設置・生田万の乱があった。
[解説]
1.将軍徳川家斉(1773~1841)は、一橋家出身。一橋治済(はるさだ)の長男で、15歳で11代将軍となる。将軍職を家慶(1793~1853)に譲った後も大御所として実権を握る(1793~1841)。奢侈におぼれた放漫政治であったために幕府財政は逼迫したが、市中の商品貨幣経済はますます発展し、化政文化が花開いた。
2.1805(文化2)年創設された関東取締出役(かんとうとりしまりで(しゅつ)やく)は、俗に「八州(はっしゅう)廻(まわ)り」とも呼ばれ、2人1組計8人でなんと関東8カ国の犯罪者の取締りにあたった。
3.関東取締出役が少人数で手が回らなかったため、1827(文政10)年に、関東の農村で近隣の村々を組みあわせた寄場組合を、協力組織として置く。
4.天保の大飢饉が1832~33(天保3~4)年に発生、全国的に収穫が例年より半分以下の凶作となり、きびしい飢饉にみまわれた。
5.農村や都市には困窮した人びとが満ちあふれ、甲斐国郡内(ぐんない)一揆や三河国加茂(かも)一揆など百姓一揆・打ちこわしが続発した。
6.大坂町奉行所の元与力で陽明学者の大塩平八郎(1793~1837)は、1837(天保8)年に、貧民救済のために門弟や民衆を動員して武装蜂起した(大塩の乱)。
7.国学者生田万(1801~37)が、1837年、大塩門弟と称して越後柏崎で陣屋を襲撃したり(生田万の乱)、各地に大塩に共鳴する百姓一揆がおきた。
〈2016立教大・現心社コミュ福
天保の飢饉の際には、1836年に( ヌ )と呼ばれる甲斐国の一部から( ヌ )騒動が発生し、また、( ル )国で発生した加茂一揆では約1万人の農民が酒屋・米屋を襲った。大坂では1837年に元奉行所の役人で、11陽明学を講じていた大塩平八郎が米を買い占める富商を襲撃する事件が発生した。その後、越後柏崎では大塩門弟と称する国学者( ヲ )が陣屋を襲撃したほか、各地で大塩に共嗚する百姓一揆が続発した。
問11.これ陽明学に関する記述として正しいのはどれか。
a.岡山藩主に仕えた熊沢蕃山は『大学或問』を著した
b.寛政異学の禁において、昌平坂学問所で講義することが認められた
c.唐の王陽明が創始した儒学の一派である
d.日本におけるこの学の祖とされるのは太宰春台である」
(答:ヌ郡内、ル三河、問11a、※b×禁止された、c×陽明学は南宋の陸象山を基礎に明代の王陽明が展開した学、dは徂徠の弟子で古学派のうちの古文辞学派で『経済録』)をあらわ著した。 徂徠の子分太宰経済。
『経済録』)〉
〈2014早大・教育
問7 下線部c江戸時代後期に各地で起こるさまざまな問題に関連して、18世紀後期から19世紀前期の出来事に該当しないものはどれか。
ア 人足寄場の設置 イ 生田万の乱
ウ 関東取締出役の設置
エ 浅間山の噴火 オ 服忌令の発令」
(答:オ※服忌令(父母などが亡くなった時の忌引きなどの日数を定めた法令)の発令は、17世紀後半の5代将軍徳川綱吉の時代)〉
〈2013上智大・法総合人間科神外国語
江戸幕府の12代将軍B(在職1837~53年)に関する次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。
Bは、将軍職を継いだが、当初(1837~41年)は( ウ )が大御所 として政治の実権を握っていた。( ウ )の死後、信任する老中( エ )に倹約令と風紀取締を基調とした改革を実施させた。ただ1843年には( オ )の問題が紛糾したため、( エ )を罷免した。
問6 空欄(ウ)に当てはまる人物は誰か。もっとも適切な人名を、次から1つ選びなさい。
1徳川家治 2徳川家重 3徳川家斉
4徳川綱吉 5徳川斉昭 6徳川吉宗
問7 空欄(エ)に当てはまる人物は誰か。もっとも適切な人名を、次から1つ選びなさい。
1田沼意次 2水野忠邦 3松平定信
4阿部正弘 5松平慶永 6安藤信正
問8 空欄(オ)に当てはまる政策は何か。もっとも適切なものを、次から1つ選びなさい。
1上知令 2人返し令 3異国船打払令
4足高の制 5倹約令 6棄捐令
問9 Bの在職期間中に起きた事件はどれか。適切なものを、次から1つ選びなさい。
1天明の飢饉 2ゴローニン事件
3浅間山大噴火 4フェートン号事件
5シーボルト事件 6蛮社の獄
問10 Bの在職期間中に書かれた著作はどれか。もっとも適切なものを、次から1つ選びなさい。
1『戊戌夢物語』 2『西洋紀聞』
3『都鄙問答』 4『政談』
5『農業全書』 6『発微算法』
問11 前問10で答えた著作の作者は誰か。もっとも適切な人名を、次から1つ選びなさい。
1新井白石 2荻生狙練 3関孝和
4高野長英 5石田梅岩 6宮崎安貞
問12 Bの在職期間中に、長州藩で財政改革を断行した人物は誰か。もっとも適切な人名を、次から1つ選びなさい。
1吉田東洋 2調所広郷 3白石正一郎
4久坂玄瑞 5平野国臣 6村田清風」
(答:問6→3徳川家斉、問7→2水野忠邦、問8→1上知令、問9→6蛮社の獄、問10→1『戊戌夢物語』、問11→4高野長英、問12→6村田清風、 ※Bは家慶)〉