西ヶ原から駒込まで

2015年02月01日 | 徒然

北区西ヶ原から「西谷戸新道」に沿って
西ヶ原銀座(ふれあい通り)、西ヶ原商店街、染井銀座、霜降銀座と
名前を変えながら商店街が続く。

この道は大正末期から昭和初期にかけて作られた道で
それ以前は田畑の広がる谷戸を流れる逆川という川の
川床低地であった。

逆川は、付近の川が北西から南東に向かって流れているのに対して
染井墓地周辺などを水源にして北西方向の石神井川へ
流れていたことに由来しているとされる。

しかしその谷は水源よりさらに東へと続いていて
こちらは谷田川、藍染川と呼ばれる川が
今で言う「谷根千」を通り不忍池へと流れていた。
「よみせ通り」がまさに藍染川の暗渠道である。

明治時代までは染井の崖線からの湧水などで
この一体は水田となっていた。
それだけ谷は広いのである。
この谷が有史以前には石神井川(古石神井川)の川床だった証拠ともいえる。

さて、商店街は千川上水の分水の流れていた六阿弥陀道を
堀割が左に曲がってゆくのをそのまま平塚郷へ向けて直進して
道音坂を降りた場所から始まる。


鮮魚店の向かいに建つ西谷戸新道の石碑が西ヶ原銀座のスタート。


いかにも暗渠道らしい蛇行した道を進み
最初の小さな交差点を過ぎると西ヶ原商店街になる。


この辺りまでは、王子や池袋へ買い物に出る人が多く閑静な道である。

しばらく歩くと豊島区に入る。
この道の豊島区区間が染井銀座。ソメイヨシノ発祥の地でもある。
有史以来の川の流れで言えば、この付近がこの谷底の中でもピークにあたる。
逆川、谷田川双方の水源は南側にあり、支谷がそちらへ向けて開けている。
水源近くには海軍火薬廠があった時代もあり
この水が火薬製造にも用いられていたことからも
湧水量は豊富だったと考えられる。


ここから駒込駅方面にかけて再び北区へ入ると霜降銀座である。
谷田川に架けられていた霜降橋に由来している。

染井銀座と霜降銀座は、テレビのグルメロケなどでも
おなじみの商店街でもある。

都電の西ヶ原四丁目からJR駒込駅まで、
地学的にも食べ歩き的にも面白いこの通り。
ぜひ歩いてみていただきたい。



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