石神井川音無渓谷

2015年02月24日 | 徒然
石神井川は、小金井市のゴルフ場付近を源流とする川で
練馬区石神井を経て、板橋区、北区を流れ、北区堀船で隅田川(旧荒川)に疎ぐ。


(石神井川の昔の面影を残す王子駅前)

このうち、板橋区内金沢橋(板橋第五中学と愛誠病院を結ぶ橋)から、飛鳥山下までを
古来、音無渓谷と呼ぶ谷でいくつもの滝を落としていた。


(音無渓谷)

これは、石神井川がその河床下に埋没谷を有しない河川だからこそ
作り上げられた自然の造形でもある。


(現在も急峻な崖を削らずに坂道が通る)


現在でも多くの支流や河床湧水を集めて流れていて、
その上に谷端川放水路や石神井公園の三宝寺池の余吐水など
増水時の雨水を石神井川に逃がしているためで、
流路整理で直線化された際に、浸水対策として
それまで以上に河床が深く掘り下げられた。

昭和30年代前半までの旧流路は、公園や緑道化されているところが多い。


(緑道の崖。現在も湧水が流れ出る)

流路整理前は、台風の増水で家屋流出や土砂崩れが頻繁に発生し
また川で遊んでいた子供が急流に飲まれて亡くなる事故が多かった。


(王子神社脇の元の本流は親水公園になった)

現在の深い河床になってからは、そのような事故は起こっていないが
浸水などは数回発生している。

深山幽谷の風景は消えたが、その代わりに減災が実現したことは
河川との共存の、現代のひとつのカタチである。
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