丹生川の里にかかる雲海に向かって下っていきます。 母もここまで来たから大丈夫でしょう。思った以上に健脚でした。
「ストック使って良かった。 子供の言うことはきくもんだね」と言いながら歩いています。もうちょっとが危ないんだよ。 気を引き締めてね。
クロモジの花が咲いている。 木肌に黒い点々がついている。 枝を折ってみんなに回してくれた。 良いにおいがする。 和菓子に使う高級楊枝の材料だ。(いま 見なくなったなぁ)
またもや熊さんの爪痕です。最近のものでは無いようですが この山は熊さんの聖域でもあるんですね。
苔むした岩がごろごろしています。途中からぱたっとそれが無くなります。火山の影響がどんな風にあったのか解るような気がします。
ニリンソウ エンレイソウ コゴミが群生しています。みんなの関心はもちろんコゴミです。大きくなりすぎて食べられないようですが・・・・
水音が大きくなってきました。沢に近づいているのか 滝があるのか・・・・
足下にはわき水が とても綺麗な水です。 ここでは沢の水が伏流水になっているのだそうです。 あんなにあった水量は どこに潜ったんでしょうね?
こんな風に足下に綺麗な水が湧いているようです。 大きな水音がしていますが この景色とは なんだか違和感があります。
なんだろう? あの水音。
きれいと思ったら やっぱり飲めるようです。 升が置いてありました。 私は両手に掬って飲んでみます。 おいしい。
子供の頃母の実家でいつも飲み水がおいしかった事を思い出しました。 この水が小八賀川に流れています。なるほどです。
少し進んでびっくり
さっき飲んだ水は すぐ下で滝になっていました
私たちは滝の真上を歩いていたのです。 伏流水になっているから気づきませんでした。
絹をかけたような 美しい滝です。 この滝は 私の飲み水の残りです。。。。なんちゃって
しかし 音の割には優しい様子の滝です。。。。
と思ったら右側からどどっっと おおきな滝が ひやー横手滝だ
そして私たちの居場所を知ってびっくり
横手滝と 布引の滝のど真ん中にいて その幅は人がやっと通れるぐらい。 つまり二つの滝を分けている断崖にはしごをかけてそこを降りるように出来ていた。
布引の滝を覗いてみると。。。。。どのくらい落差があるか解るでしょ?
家のお嫁さん 固まっている。
高いところ怖いんだって 水泳が得意でインストラクターやっていてダイビングで息子と知り合った。 運動神経抜群の子だと思っていたら・・・・思わぬ面を発見!
滝壺はいくつかの水を集めて 生き物のようにうなっている ものすごい水量に 動けない。
すごい すごすぎる
吊り橋を渡ると 横手滝の真ん前に出る。 ここから下をのぞき込むと。。。。沢の水を全部集めて流れる様子は口では言えないほど感動的。
これでもかっ と載せました。選べなかったのでごめんなさい。
先に二回目のはしごを降りた母は吊り橋の上でじっと立っています。
見ると 父の写真を取りだして滝を見せています。滝の絵を描くのが好きだった父。今でも元気でいたら どんな絵を描いたのでしょうね?
怖くなかった?と聞くと 「私は 子供の時からお転婆でこういうところ大好きだったもの 嬉しくて嬉しくて。」 あらら 家のお嫁さん負けてます。
後ろ髪引かれる思いで布引の滝を後に登っていきます。 平金鉱山があった頃 そこで使う電気を起こしていた発電施設の横を通って木道を行くと 出会い小屋はすぐです。
今回 母をだしにして思いがけず家族旅行が出来ました。 それは母の思い出を辿る旅行でしたが 息子達にとっては驚くほど豊かな自然に触れるすてきな旅行だったようです。
またみんなで行けると良いな
「よく頑張りました」とガイドさんや 一緒のグループのみんなに拍手をされた母は 少し照れて 少し誇らしげでした。