若い頃 お菓子を焼くのが好きだった。まだ幼い娘を預かってくれて「気分転換に名古屋迄行っていらっしゃい」と言われたので 月に2-3度お菓子作りの教室に通っていたからだった。
何かを覚えるのはとても楽しくて 帰ってきたら おさらいと称して 直ぐに作ってみる。
まもなく 豊田に引っ越して 団地住まいをするようになった。 あまり人付き合い好きでは無く 毎日 パンや お菓子を焼いて暮らしていた。 コーヒーを挽いて お菓子の甘い香りが立ち上るのを待ち できたてのお菓子を食べる。
幸せな筈だった。 「○○○さんのところ いつも甘い香りがするね」 そんなふうに思われるぐらい お菓子作るぞ って思っていた。 やがてそれが無理だって解った。 娘はとても食が細く 作っても殆ど食べない。 亭主の会社のみんなのおやつになったり 団地の子ども達のおやつになったり。。。そんなことをしているうちに お菓子作らなくなった。
先日 ピーちゃんと 青春18切符を使って西宮の甲山近辺まで行ってきた。
手の骨を折ってからは 歩くことも侭ならず 一ヶ月以上歩いていない。 体力付けるために そして優しい山と言うことで選んだ。
結果は炎天下で へろへろの歩きだったけれど 今回はもう一つ目的があった。
ツマガリのクッキーを買ってくること。
娘の婚約者のお家から送っていただいたクッキーは 香りが良くて本当においしかった。少し前にネットで取り寄せたばかりなのに また欲しくなった。
甲山の神呪寺から 転げ落ちそうな坂道を下って来ると 「あ 良い匂い」甘い香りが一面に漂っている。ツマガリの研究所だった。 懐かしい匂い
あの団地で 毎日毎日焼いていた匂い。 勿論比べると とても同じとはいえないけれどね。 チーさんに教わった シュークリームを食べるために 更に降りていく。 香りはいつまでも 続いている。 この町はお菓子の街?
駅を降りたら お菓子の香りがする街なんて信じていなかったけれど この町は 幸せの香りがするよ。 駅まで行ったらビゴのパン屋さんもある。
ここからも良い匂いしていたよ。
仁川の駅でビゴのグラタンランチ食べちゃったから 横目で見ただけだったけれどね。なんだか久しぶりにケーキを焼きたくなって 帰ったら直ぐに材料を買いに行ったのでした。