【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

報道の自由を守る自由の風(声明)

2016-03-30 22:07:18 | 声明
フェィスブック『国民的統一戦線への探求』に下記の記事を掲載した。

この原稿をもって、声明「報道の自由を守る自由の風」とする。



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【報道の自立を守る自由の風】

         『国民的統一戦線への探求』








櫻井 智志
報道の自由を堅持し、安倍政権の圧力に抗した勇気ある人々。
全員「NEWS23」から去った。
しかし皆様の蒔いた自由の種子は、
国内国外に広く飛び散って、
これからの言論の自由を担保する大切な役割を果たした。

自由の風よ、回想ではなく今日を建設する創造の息吹を讃えよう。










@news23_tbs
アンカーの岸井さん、
メインキャスターの膳場さん、
蓮見、古谷、気象予報士の國本さんが
昨日の放送をもってNEWS23を卒業しました。
膳場さんは9年半、岸井さんは3年、番組を支えてくれました。
本当にお疲れ様でした。



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《フェイスブックで上記の記事に「いいね!」の支持をお寄せいただいた皆様(途中経過)》

梶浦 礼子さん、テラダ ソノコさん、吉田健さん、松田 淳さん、小泉 章夫さん、安井 まさるさん、Tomoko Okunisiさん、卯木 伸男さん、関根弘輝さん、松原 裕子さん、河野 一男さん、鬼頭 純三さん、橋爪 法一さん、原田 利行さん、河村 直樹さん、 はの 武男さん、 八坂 玄功さん、 角野 達也さん、 河西 英通さん、 深屋進さん、 Masayo Morinagaさん、 加納 孟さん、 稲垣 雅行さん、市毛 新二さん、Junichiさん、Shimakawaさん、Youko Tanakaさん、Nariko Iguchiさん、田中健喜さん、田嶋 康利さん、Komori Hisakoさん、高迫 千代司さん、林 陽一さん、孝岡長尾弘子さん、魚谷庄司さん、奥浜 真正さん、草薙 恵美子さん、山口 享子さん、Masami Horiguchiさん、久保田 直子さん、山口 とも子さん、あぜ上 三和子さん、村松 直美さん、太田 ゆきえさん、結城 亮さん、Mirai Tukasaさん、吉田 隆之さん、水谷 淳子さん、中村 幹雄さん、福田 悦子さん、西本 美砂子さん、尾池 智治さん、 Akira Kisukiさん、山下 亮一さん、笹嶋 照紀さん、田中 文夫さん、Eiko Tanemuraさん、Kunie Nabeshimaさん、 Fuminori Ishiguroさん、 Sakamoto Yujiさん、 岩佐 富士子さん、小島 正弥さん、崎山 裕さん、新宮 真知子さん、下澤 達雄さん、Ryutaro Matsudairaさん、Daisuke Yasudaさん、安西 裕さん、松岡 浩治さん、伊藤 仁さん、Yoshitami Ooyamaさん、小苅米 喜久子さん、Masayoshi Katoさん、里 正善さん、Hiromi Tanakaさん、田中 俊正さん、Chinen Eijiさん、Yuuji Nakayamaさん、手島 慶子さん、大久保 令子さん、西田好孝さん、高見紀子さん、今村 明子さん、金井 忠一さん、松尾 教史さん、嶽村 久美子さん、北田 慎太郎さん、生駒 俊弦さん、 渡辺 イワオさん、清水伸一さん、山田明さん、砂山太一さん、岡見益義さん、原 広美さん、喜呼里 オヤジさん、松崎 靖子さん、浅井 義久さん、小阪 三郎さん、佐々木 治行さん、児玉 和樹さん、松永 健治さん、Saltory Inuiさん、蛭川 秀悦さん、Daiki Yagitaさん、Takenobu Satoさん、柳谷 睦夫さん、金子 幸弘さん、Hitoshi Nagaiさん、Masayo Tanahashiさん、おばせ 勝義さん、松本 のり子さん、吉野 弘人さん、嵯峨猛さん、松本 徹さん、中野 雅彦さん、藤森守さん、Kenichi Kakuzumiさん、秀嶋 賢人さん、新井 たかねさん、渡瀬 邦男さん、田中 茂実さん、Shingo Kanazawaさん、石川悟さん、長谷川 和明さん、川添 貴仁さん、坂本俊一郎さん、大野 章さん、新堰義昭さん、藤田 修二さん、勝又 秀人さん、安部 日出男さん、Youko Sasakiさん、金元幸枝さん、Susumu Oonoさん、近藤 良明さん、藤元 雅文さん、溝江 清美さん、谷口良隆さん、松尾 和子さん、浅川 芳高さん、Yoshiyuki Mizumuraさん、田中 恒雄さん、濱谷 正支さん、鈴木 信一さん、伊藤 弘さん、とうてらおさん、仲川源久さん、傳住美智子さん、Yuki Sakaiさん、Yoichi Sunayamaさん、原田利行さん、藤原 國雄さん、松木 豊年さん、松阪 改造さん、Satomi Sakamotoさん、阿南 勝也さん、Naoki Ohkawaさん、清水 眞由美さん、中島謙さん、Kenryo Takedaさん、丁弘之さん、木村純一さん、石田隆恒さん、福手 裕子さん、井坂 洋子さん、 坂田三千代さん、進藤隆之さん、 幸子 萬立さん、服藤早苗さん、駿河 保彰さん、澤田 和男さん、長谷川潔さん、森 晋一さん、真鍋 和崇さん、宮崎レイさん、青木宇一郎さん、伊倉賢さん、

真実と事実を伝えるジャーナリストを大切にしたい

2016-03-30 21:41:26 | 転載と私見
「前説」
岸井成格氏とともに、TBSで報道の自由を体現しているジャーナリスト、金平茂紀さん。どのくらい現場で真実を伝えるために、重圧と事なかれ主義の風潮とによる抑圧が酷いものかは想像するに難くない。私たちはジャーナリストを非難する前に、情報の受け手としての自分自身の在り方を吟味する必要がある。
孫崎享氏は、今回も明確なアドバイスを提起してくれている。  櫻井 智志


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【孫崎享のつぶやき】
報道特集キャスター金平茂紀氏(気消え強まる同調圧力「ほえない犬に」(朝日報道一部転載)
2016-03-30 13:055


今、報道界では、政府に批判的な発言をする人々が発言の場を奪われている。特にテレビにおいて次々番組を降り、場合によっては番組自体がなくなるという事態を迎えている。

報道特集キャスター金平茂紀氏は、役職にありながら、第一線で報道するという、多分唯一のジャーナリストであった。彼は3月31日付で執行役員を退任する。

3月30日付朝日新聞は「テレビ報道、強まる同調圧力 金平キャスターが語るいま」を報じた。現在のメディアの状況を内部から発言する貴重な発言を行っているので、その一部を抜粋する。

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。TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんに話を聞いた。

(抜粋)

 ――偏向を指摘された番組アンカーの岸井成格さんが「NEWS23」から降板しました。岸井さんの件でいま、社内はどうなのでしょうか。

 「おおっぴらに議論するという空気がなくなってしまったと正直思いますね。痛感するのは、組織の中の過剰な同調圧力です。萎縮したり、忖度したり、自主規制したり、面倒なことを起こしたくないという、事なかれ主義が広がっている。若い人たちはそういう空気の変化に敏感です」

――同調圧力ですか?

 「記者一人ひとりが『内面の自由』を持っているのに、記事を書く前から社論に逆らってはいけないという意識が働いている。それが広く企業ジャーナリズムの中に蔓延している。権力を監視する番犬『ウォッチドッグ』であることがジャーナリズムの最大の役割です。しかし現実には記者のほうから政治家や役人にクンクンすり寄り、おいしい餌、俗に言う特ダネをあさっている。こんな愛玩犬が記者の多数を占めれば、それはジャーナリズムではない。かまない犬、ほえない犬に、なぜだといっても『僕らはほえないようにしつけられてきた。かみつくと損になるでしょ。そう教えられてきた』。そんな反応が現場の記者から返ってくるわけです」

 ――報道の現場は深刻ですね。

 「ジャーナリズム精神の継承に失敗した責任を痛感しています。僕自身も含め、過去を学び、やり直さないといけない。安保法制、沖縄の基地問題、歴史認識や福島第一原発事故など、僕らの国のテレビは独立・自立した存在として、報じるべきことを報じているのか。自責、自戒の念がわきあがってきます」

 「戦争の翼賛体制下でメディアは何をしてきたのか。放送も新聞も権力の言いなりとなり、国策と一体化した報道をやった『前歴』がある。戦後、その反省に立ち、放送局は政治権力から独立し、国家が番組内容に介入してはならぬ、という精神で放送法が生まれた。電波は国民のものであり、自主・自律・独立でやっていく。放送の原点です。ところが、政権側には、電波はお上のものであり、放送局を法律で取り締まるという逆立ちした感覚しかありません」

 「先日、田原総一朗さんや岸井さんらと記者会見しました。他局のキャスター仲間何人かに声をかけたのですが、参加者はあれだけというのが現実です。それでも、誰ひとり声を上げずにいて、政治権力から『やっぱり黙っている連中なんだ』なんて思われたくはないのです。こういう社外からの取材をリスクをおかしながら受けているのもそのためです」

 「一昨年の総選挙の前に、自民党が選挙報道の『公平中立』を求める文書をテレビ各局に送りつける、という『事件』もありました。そのこと自体が僕の感覚ではニュースです。でも社内の会議で話題にはなってもニュースとしては扱わない。危機管理ばかりが組織で優先され、やっかいごとはやりたくないということになる。僕はそれが耐えられなかったから、担当の番組でコピーを示し、こういう文書が送りつけられたと伝えた。中には『あんなことをやりやがって』と思っている人もいるかもしれませんが」

 ――「NEWS23」の初代キャスターだった筑紫哲也さん(故人)とは長い間、一緒に仕事をされたそうですね。

 「2008年3月、筑紫さん最後の出演で語った言葉が忘れられません。『大きな権力を持っている者に対して監視の役を果たす』『少数派であることを恐れない』『多様な意見を提示し、社会に自由の気風を保つ』。筑紫さんは、この3点を『NEWS23のDNAだ』と遺言のように語って、逝きました。それがいま、メディアに携わる人たちに共有されているのかどうか。責任を感じています」

 ――記者の原点を忘れ、組織の論理に流されてしまっている自分自身に気づくことがあります。

 「記者の仕事は孤独な作業です。最後は個ですから。過剰に組織の論理に流れ、全体の空気を読んで個を殺していくのは、記者本来の姿ではありません。それでも一人ひとりの記者たちが、会社の壁を越え、つながっていくこともできる。声を上げるには覚悟がいるけども、それを見ている次の世代が、やがて引き継いでくれるかもしれない。萎縮せず、理不尽な物事にきちんとものを言う若い仲間たちが実際に育ってきているのをつい最近も目撃しました」

 「『報道なんてこんなもの』とか、『視聴者や読者はそんなもん求めてねえよ』と、シニシズム(冷笑主義)に逃げ込んではいけません。僕らの仕事は、市民の知る権利に応えるためにあるのです。報道に対する市民の目が厳しい今だからこそ、一番の根本のところを考えてほしいと思います」(聞き手=編集委員・豊秀一)

金平茂紀:53年生まれ。77年TBS入社。モスクワ、ワシントン両支局長、報道局長などをへて、執行役員。04年度「ボーン・上田記念国際記者賞」受賞。