【現代思想とジャーナリスト精神】

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 ギャンブル法案強行の背景に見え隠れする恐怖の野望

2016-12-03 16:01:58 | 政治・文化・社会評論
 ギャンブル法案強行の背景に見え隠れする恐怖の野望

             櫻井智志


 ギャンブル法案などというものまで、維新をひきいれて野党も賛成していると強弁して強行採決。

 かつて自民党の麻生副総理は、「ナチスがやったようにやれば憲法を変えられる」と放言して顰蹙をかった。

私はこう考える。

 TPP法案、老人の年金切り下げ・国民保険値上げ法案と、次々に安倍政権は強行採決を続けている。国会で安倍晋三は、総理としての答弁で「自民党が強行採決をするといったことも強行採決したことも一度もない」と公言した。

 麻生財務相の「ナチスのように」のもうひとつのかたちが見えてくる。あいついで強行採決する安倍政権に、国民の怒りが高まる。その際に、ナチスがやったでっち上げの「ドイツ共産党員による国会議事堂放火」。ナチス・ヒットラーは反ナチス勢力に大弾圧を加えて「ハイル!ヒットラー!!」と、一気に国会に緊急事態法によってナチス独裁政権の狂気と軍国主義の破滅の道を開始。

 安倍政権と亜流安倍政権は、まさに亡国をギャンブルとして、ナチスの模範生のように、暴走している。現在進行形、すでに動いている真っ最中なのだ。

 新聞記事の文章が、強く心に残った。以下に転載させていただく。




-------------引用開始---------------------------

「ギャンブルの怖さ 世間は知らなすぎる」
2016年12月3日 朝刊


施設では、ギャンブル依存症の人や家族と町田理事長(後ろ右から2人目)らがミーティングを重ねる=2日、横浜市旭区で
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「世間はギャンブルの怖さを知らなすぎる。人が狂うんです」。午後二時すぎ、職場のテレビで流れたカジノ解禁法案の衆院委可決のニュースを、横浜市神奈川区の男性会社員(46)は冷ややかに見ていた。

 男性は二十年近く、ギャンブル依存症で苦しんできた。大学生のころからパチンコにのめりこみ、借金は一時三百万円に。勝ち続けてもおもしろくない。負けているときに「明日どうしよう」と思いながら、打つドキドキ感がたまらない。亡くなった父の香典をくすね、妻の結婚指輪を質に入れたりもした。「狂っているのは分かっている。でも、ブレーキが利かなかった」と当時を振り返る。

 六年前、妻がギャンブル依存症の当事者や家族を支援するNPO法人「ギャンブル依存ファミリーセンター ホープヒル」(横浜市旭区)に連絡。ホープヒルの回復施設に住み込みながら、三年かけて治療した。

 「ギャンブル依存症の怖さは、犯罪にまで行き着くこと」。一緒に治療していた仲間の中には、横領や窃盗で逮捕された人も。男性もかつて、勤務先の飲食店の売上金に手を出した。もうギャンブルには手を出していないが、今でも、ふっと「パチンコで稼ごう」という思いがよぎるという。
 カジノ解禁法案の審議に至っても、具体的な依存症対策が聞こえてこないことに、男性は不安を覚える。「ギャンブルに対する政治家の認識は甘すぎる。浅い認識でカジノまで解禁すれば、私のように苦しむ人を増やすのでは」と訴える。
 男性が治療していたホープヒルの回復施設では二日夜、定例のミーティングが開かれた。理事長の町田政明さん(64)が投げ掛ける「我慢している時は、どんな気持ち?」といった質問に依存症の人たちが答え、自分の内面と向き合った。
 ふってわいたカジノ法案の採決に、町田さんは「あまりに拙速」と語る。「依存症は治らない人のほうが圧倒的に多い。ギャンブルは毒の部分もあり、人をむしばむ。国はもうけ話ばかり強調するが、もっと社会的損失に目を向けるべきだ」と訴える。 (中沢誠、写真も)




<ギャンブル依存症> ギャンブルへの欲求を抑えることが難しくなる精神疾患の一つで、借金を抱えたり家族関係が破綻したりといった問題につながる。厚生労働省の研究班は2013年7月、全国から無作為に抽出した20歳以上の男女のうち4153人(回答率58・9%)を対象に調査を実施。研究班は調査結果を踏まえ、ギャンブル依存症の疑いがある患者は536万人と、成人の4・8%に上るとの推計を出した。
【東京新聞転載】

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