【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた」

2016-03-20 14:46:03 | 政治・文化・社会評論
「裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた」

 この孫崎享氏が評論で指摘する事実は、現在日本の支配構造を端的に示している。


 驚き。恐れを禁じ得ない。三権分立の「行政」が「立法」すら侵食し、呆れかえるような独裁権力を恣意的に行使している。安倍晋三、子どもたちの世界の「いじめの構図」そのままだ。司法権さえこのような実態では、マスコミも教育も労働組合も、安倍独裁権力の欲しいがままにコントロールされていることはほぼ間違いあるまい。「安倍政権」とは、そのような特異な独裁権力機構なのだ。そのことを熟知した上で、反独裁権力運動を忍耐強く広く深く浸透させることが重要な鍵となる。
 いま全国に広がっている市民運動と野党五党協議による選挙協力の取り組みを、衆参両院にわたり実現することが、当面緊急の闘争課題の第一段階となる。  〔櫻井 智志〕




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【孫崎享のつぶやき】

裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた(リテラ、抜粋)

2016-03-20 06:1941


 今日の日本社会での醜さと危険は、政界、官界、法曹界のいずれもが、それぞれの組織の上部、主流とみなされる人になればなるほど、本来のあるべき思考をから逸脱し、安倍政権に迎合する考えをしていることである。

 一つの代表が、横畠内閣法制局長官である。

 過去何十年にわたり、内閣法制局は自衛隊を海外で闘わせることになる集団的自衛権は違憲であるとの立場をとってきた。

 内閣法制局長官は歴代、内閣法制局内で勤務した者から任命する不文律があった。安倍首相がこれを変え、集団的自衛権を認める小松元駐仏大使を任命するや、内閣法制局内が一気に変化し、小松氏の健康上の辞任後、任命された横畠氏は一気に集団的自衛権容認論を展開した。そして、「横畠内閣法制局長官は参院予算委員会で、核兵器使用について「国内法上、国際法上の制約がある」としたうえで、「憲法上、あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているというふうには考えていない」との見解を示すまでに至った。

 こうした状況は、行政官庁だけでなく、裁判所にも及んでいる。

 高浜原発をめぐる福井地裁の動きである。

リテラ.03.15.は「裁判所は原発ムラの代理人だ! 高浜原発再稼働のために最高裁が“選り抜き裁判官”を福井地裁に送り込んでいた」とする論評を掲載している所、抜粋する。

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 昨年4月14日に福井地裁が高浜原発再稼働差し止めの仮処分を決定した。この際、樋口英明裁判長(当時)は想定を超える地震が各地で起こっていることを挙げて、原子力規制委員会の新基準が「合理性を欠く」と政府の原発政策の根本に異を唱えている。

 ところが、その画期的な判決を下した樋口裁判長は、その後名古屋家裁に“左遷”されてしまう。これは懲罰人事であり、今後原発訴訟に関わらせないための追放人事でもあることは明白だった。

樋口裁判長の後任として福井地裁に赴任してきたのが林潤裁判長だった。林裁判長は昨年12月24日に高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを覆し、事実上、再稼働を決定。さらに、林裁判長は大飯原発についても周辺住民らが求めていた再稼働差し止めの仮処分の申し立てを却下する決定をした。

 この林裁判長の人事について、「週刊現代」(講談社)3月26日・4月2日合併号が露骨すぎる政治的背景を暴露している。

問題は林裁判長の経歴だ。1997年に任官した林裁判長は最初の赴任地が東京地裁で、2年後に最高裁判所事務総局民事局に異動。その後も宮崎地裁勤務以外、東京・大阪・福岡と都市圏の高裁と地裁の裁判官を歴任している。

「現代」では明治大学政治経済学部の西川伸一教授がその経歴についてこんなコメントをしている。

「任官して初の赴任地が東京地裁という点で、人事権を握っている事務総局から、目をかけてもらっていることが窺えます。その上、初任明けと呼ばれる2ヶ所目の赴任地が事務総局。これは、林裁判官の同期108人の中でも6名しかいません。実際、任官から18年で部総括判事の役職に就くのもかなり早い出世です」

 この最高裁事務総局というのは、裁判所の管理、運営、人事を仕切る部署で、将来は最高裁判官を狙えるようなエリートが集まるところだという。林裁判長は人事権を握る事務総局から目をかけられ、将来を約束された最高裁長官さえ狙えるようなエリートだったのだ。

 林裁判長だけではない。昨年12月、林裁判長と一緒に高浜原発再稼働を認めた左右陪席の2人の裁判官、中村修輔裁判官と山口敦士裁判官もまた最高裁判所事務局での勤務経験があるエリート裁判官だった。

 中村裁判官は一度も遠隔地赴任がなく、東京、横浜、大阪で過ごし、事務総務局総務局付で国会対策などを担当したエリート。

 また山口裁判官も大阪高裁や出向で外務省の花形ポジションである国連日本代表部2等書記官の肩書きを持っていたという。

 そんなエリート裁判官たちが高浜原発のある福井に赴任し、原発政策に関わる決定に関与した。これは異例のことだ。「現代」では元裁判官の弁護士がこうコメントしている。

「本来、福井地裁は名古屋高裁内でも比較的ヒマな裁判所で、アブラの乗った裁判官が来るところではない。しかも、この3人は東京や大阪など、他の高裁管内からの異動で、この人事には、各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映されていると見るべきです」

 ようするに、政府や電力会社に都合が悪い決定を下した裁判官を左遷し、代わりに最高裁がお墨付き与えたエリート裁判官たちを原発再稼働容認のために送り込んだのだ。

こうした最高裁による露骨な原発推進人事という“意思”の背景にはもちろん、政府の意向がある。前出の元裁判官の現役弁護士はこう語っている。

「いくら独立が保障されているとはいえ、裁判所も上層部へ行けばいくほど政権との接触は増えるため、考え方が政権の意向に沿ったものになる。彼ら3名を含め、事務総局に勤務経験のある裁判官は、そうした阿吽の呼吸を最もよく心得た人々なのです」

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