【孫崎享のつぶやき】
《天皇陛下の言葉はなぜ国民に知られていないか。80歳の誕生日や今年の新年の言葉》
2015-04-05 14:576
私は、講演会の場でしばしば、天皇陛下の言葉を国民がどの程度知っているかを問う。
たとえば、
「本2015年、新年に当たり「天皇陛下のご感想」がありました。
ここで天皇陛下は
この機会にこの機会に,○○○○を十分に学び、○○○○を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」と言われました。
さてこの「○○○○を十分に学び、○○○○を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」○○○○は各々何だったでしょうか。
まず答えられる人はほとんどいない。
ここに関係する部分を今一度、注視してみよう。
「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」
最初の○○○○は「満州事変に始まるこの戦争の歴史」であり、次の○○○○は「今後の日本のあり方」です。
天皇陛下は、多分、現在の政治の動きの中に満州事変に始まるこの戦争の歴史に相通ずるものを感じられているのだと思います。
もう一つ天皇陛下は80歳の誕生日に次を述べられました。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています」
ここでは、「平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り」と述べられています。
これを知っている日本人もそう多くありません。
NHKは[平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り」を省いて報道しました(NHKニュース資料)。
何故報道しなかったか明白です。安倍首相にマイナスとNHKは判断したと思います。
天皇陛下の言葉ですら安倍首相にマイナスのことは報じられない国になったのです。
渡辺恒雄主筆の提言で設置された「読売新聞戦争責任検証委員会」は作業の結果を『検証 戦争責任』という本にまとめました。2006年に出版されています。ここに次の記述があります。
「軍部がそれほど強くなかった満州事変の時点で、メディアが結束して批判していればその後の暴走を押しとどめる可能性はあった。」
多分「軍部が」という部分が、「安倍政権が」という部分に当てはまる気がします。
==================================
私見
いま安倍自公政権は、今上天皇の言葉さえ牽制している事実。まさに日本版ナチスが、安倍政権なのだと私は思う。公明党にはつい最近まで一定の信頼めいたものをもっていた。自民党には、三島由紀夫や石原慎太郎とは異なる合理性をもつと思っていた。とんでもない。ナチスヒットラーに喚呼の声をあげて歓迎した優秀なドイツ国民。文化思想の先進国ドイツさえ、悪夢のような時期があったのだ。いまドイツが徹底してナチスの戦争責任を追究していることが実感としてわかる。
すでにマスコミマスメディアの大勢は安倍政権の意のままになってしまっている。自民党公明党の議員は、安倍政権自公与党指導部に抑圧されている。国民は無気力に沈んでいる。統一地方選挙の異常な立候補者激減を見れば、地方政治家の心情が推測できる。
そして、天皇陛下の発言をここまでねじまげている安倍政権を張り子のトラとする日本支配層の実態は、世界中の国々や国連からも、アメリカ政府でさえ、内実は安倍政権に不審感をもっていると孫崎氏の以前のメルマガに記されていたのを記憶している。
《天皇陛下の言葉はなぜ国民に知られていないか。80歳の誕生日や今年の新年の言葉》
2015-04-05 14:576
私は、講演会の場でしばしば、天皇陛下の言葉を国民がどの程度知っているかを問う。
たとえば、
「本2015年、新年に当たり「天皇陛下のご感想」がありました。
ここで天皇陛下は
この機会にこの機会に,○○○○を十分に学び、○○○○を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」と言われました。
さてこの「○○○○を十分に学び、○○○○を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」○○○○は各々何だったでしょうか。
まず答えられる人はほとんどいない。
ここに関係する部分を今一度、注視してみよう。
「本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」
最初の○○○○は「満州事変に始まるこの戦争の歴史」であり、次の○○○○は「今後の日本のあり方」です。
天皇陛下は、多分、現在の政治の動きの中に満州事変に始まるこの戦争の歴史に相通ずるものを感じられているのだと思います。
もう一つ天皇陛下は80歳の誕生日に次を述べられました。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています」
ここでは、「平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り」と述べられています。
これを知っている日本人もそう多くありません。
NHKは[平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り」を省いて報道しました(NHKニュース資料)。
何故報道しなかったか明白です。安倍首相にマイナスとNHKは判断したと思います。
天皇陛下の言葉ですら安倍首相にマイナスのことは報じられない国になったのです。
渡辺恒雄主筆の提言で設置された「読売新聞戦争責任検証委員会」は作業の結果を『検証 戦争責任』という本にまとめました。2006年に出版されています。ここに次の記述があります。
「軍部がそれほど強くなかった満州事変の時点で、メディアが結束して批判していればその後の暴走を押しとどめる可能性はあった。」
多分「軍部が」という部分が、「安倍政権が」という部分に当てはまる気がします。
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私見
いま安倍自公政権は、今上天皇の言葉さえ牽制している事実。まさに日本版ナチスが、安倍政権なのだと私は思う。公明党にはつい最近まで一定の信頼めいたものをもっていた。自民党には、三島由紀夫や石原慎太郎とは異なる合理性をもつと思っていた。とんでもない。ナチスヒットラーに喚呼の声をあげて歓迎した優秀なドイツ国民。文化思想の先進国ドイツさえ、悪夢のような時期があったのだ。いまドイツが徹底してナチスの戦争責任を追究していることが実感としてわかる。
すでにマスコミマスメディアの大勢は安倍政権の意のままになってしまっている。自民党公明党の議員は、安倍政権自公与党指導部に抑圧されている。国民は無気力に沈んでいる。統一地方選挙の異常な立候補者激減を見れば、地方政治家の心情が推測できる。
そして、天皇陛下の発言をここまでねじまげている安倍政権を張り子のトラとする日本支配層の実態は、世界中の国々や国連からも、アメリカ政府でさえ、内実は安倍政権に不審感をもっていると孫崎氏の以前のメルマガに記されていたのを記憶している。